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将来の不安はどこからくるのか。新卒が助けられた4冊の本(「ライフシフト」ほか3点)

今日、職場の仲間の日比さんと、ラーメンをすすりながら将来設計について話をしていました。

話は人生の長期的なビジョンといった少し抽象度の高いものから、手前の給与や生活水準といった手触りの良いテーマに移りました。

その時に日比さんが「昔は年収とか給与とか、あまりこだわり過ぎないようにしてたけど、ゆくゆくのことを考えると、やっぱり大事だな」と漏らしていました。

「本当それや……」と私も頷く。

結婚、出産、子育て、転職、介護……漠然とした不安が多い社会人。

振り返れば、そうした不安の原因について、私は読書をつうじて知識をつけるようにしていました。

全体像が理解できるようになって初めて、必要以上に悩まされないようになりました。

今回はそんなテーマで、自分が新卒1年目の時に読んで「それなりに将来を考える基礎になったかもな~~」と思った本を偉そうに4冊選んでみました。


■■人生設計について考える

ライフシフト:100年時代の人生戦略(リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット)

●趣旨
人が100年生きるような長寿時代に、人生をどう設計するかがより重要になる。人生全体を貫く要素が何かを意識的に問わないといけないし、そのための学び直しや人間関係構築など、資産の形成を意識しないといけない。
●キーワード
「生産性資産」:仕事の質を上げ、所得やキャリアの見通しを向上させるもの
「活力資産」:自身の健康や家族関係など、安定して活動し続けるための土台
「変身資産」:人的ネットワークや幅広い経験で培った姿勢も含め、大きな変化を経験しスキルや経験を通じて身につけたものの総称
「エクスプローラー(探検者)」:日常と切り離された経験を意識的に積める人。単なる観察で終わらせず、自分の価値観や優先順位付けに影響を与えるような体験をしに行ける人。←→冒険者

私の会社では転部、転職当たり前で、キャリアがころころ変わりやすい。「新規事業渡り鳥」問題と揶揄されている側面もぶっちゃけあった。

私はインターンからずっと入ってて、やりたいことも職務(BtoBマーケ、メディア編集、コンサル職)もそれなりに明確だったが、不安はつきなかったです。

そんな時に、この本を読んで、もう少し長期的な目線で将来を見通せるようになりました。

「30代で、一回海外に行ってキャリアの『探検』するのありだな」

「結婚とか配偶者って、少し軽く見てたけど、人の繋がり的に大事だな」

などなど、考えが変わったところが多い本です。


この内容が難しくて読みづらい人は、ちきりんさんの「未来の働き方を考えよう 人生は二回、生きられる」がワンクッションあって良いかも。


■■お金稼ぎについて考える

金持ち父さん貧乏父さんのキャッシュフロー・クワドラント(ロバートキヨサキ)

●趣旨
労働に依存した経済的安定ではなく、自分が身体を動かさずに富を生む「経済的自由」を手に入れる思考方法を学ぼう。
●キーワード
「右側のクワドラント」:「投資家」や「ビジネスオーナー」を指す。お金でお金を生み出す、もしくは他人に働いてもらい自分が手を動かさないで済むビジネスモデルを生み出している人たちのこと。

会社に入ってすぐの時、いわゆる「勤め人」としての人生って「昭和だな~」と思うところはあれど、具体的に何がマズイのか理解できてませんでした。

これを読むとそのあたりの仕事観をシフトしてくれます。

お金とか仕事の話は、ライフシフトより肌ざわりが良く、イメージしやすかったです。

身近な例で言うと、私の場合は父親。父は社長でした。でも「ビジネスオーナー」というより典型的な「自営業」になっていました。

「ビジネスモデルを作り、自分は作業を手放せる」、

「富が富を生む世界って存在するんだぞ~」ということを教えてくれた本。


でも、精神論みたいな部分は、ガチで読みづらいしスルーしちゃった。。


■■社会制度について考える

下流老人:一億総老後崩壊の衝撃(藤田孝典)

●趣旨
下流老人とは生活保護基準相当で暮らす高齢者およびその恐れがある高齢者のこと。下流老人の代表パターンや、生み出される原因を理解しよう。
●キーワード
「下流老人」:上述。
「3つのない」:収入がない。貯蓄がない。頼りになる人がいない。

夏の怪談より怖い、現実の日本の話。

読後感として、「自分が下流老人になる」という恐怖よりも、「両親や親戚」になって欲しくないって危惧の方が強かったです。

親の介護が必要になって、仕事辞めなきゃいけなくなって、お金無くなって……共倒れ……

私は5人兄弟なので、そこまで「3つのない」に該当しないかもしれません。

ただ、日本の大きな社会問題として知っておくべきだし、自分事としていつ身近に起こるか分からない恐怖。それを教えてくれた本です。

ちなみに、「続編」があるらしいですが、これは読んでない。


■■幸福について考える

幸せのメカニズム:実践・幸福学入門(前野隆司)

●趣旨
一時の楽しさや嬉しさ(happiness)ではなく、長期的スパンで福利・健康等含めた良好状態(well-being)を幸福学である。幸せは抽象的で、目指しづらいものだが、そもそも「メカニズムを理解すべきもの」として捉えればよい。
●キーワード
「フォーカシング・イリュージョン」:人間の心理的特性のひとつで、所得や地位など特定の価値を得ることが必ずしも幸福には直結しないにも関わらず、それらを過大評価し求めてしまう傾向を指す。要するに、見栄っ張りな心。
「地位財と非地位財」:地位財は年収や地位、物的財など生存競争をおこない、周囲と比較して得るもの。非地位財は健康や自由、愛情や環境など、相対比較では計れないもの。個人の安全や安心にとって重要。バランスが大事。
「(幸せの)4つの因子」:人間が幸せを感じる心的要因を因子分析して4つに割り振ったもの。やってみよう因子、ありがとう因子、なんとかなる因子、あなたらしく因子(詳しくは後述)。

将来どれくらいの収入が欲しいのか、よりも「自分が幸せを感じるツボはどこか」を重視しているような本です。

この本は科学的根拠を要所で踏まえており、概念だけでゴリ押ししないところが気に入っています。著者の前野さんは幸福学の日本の権威。

読みながら、自分は前向きと楽観の「なんとかなる因子」が足りないとか、独立とマイペースの「あなたらしく因子」は結構持っているとか、想像できて面白い。伸ばすべき要素が分かる、っていうのかな。


■■最後に

新社会人にとって「それなりに将来を考える基礎になった」がテーマなので、個人的な感想をあまり挟まず、列挙してしまった。

なんだかアマゾンレビュー書きまくった記事みたいだ。すみません。


総じて言うと、見通しが立たない部分に知識が付くことで、①次の行動が分かったり、②不安なものへの解像度が高まって準備しやすくなる、ていうのはあると思います。

皆さんのなかこれから読む、もう読んだ人いたら、どう思ったのか感想ぜひ教えてください~

サポートしてくれた方、いつでも靴を磨かれに来てください。