「昔ながらの母の味」とは。大戸屋ブランドを考える #マーケティングトレース
最近引越しをして、近くのスーパーで夕食を食べることが多いです。
ふだん野菜不足なので、いつも行くのは大体大戸屋。
でも、マーケティングトレースmeetupでは、会場の人ほとんど行っていなかった。。!
私は中学生のころから食べまくっています。
バイト先や学校の近くにあったこともあり、この身体は大戸屋で作られていると言っても割とマジで過言ではない。
そこで、この企業を自分なりに分析してみました。
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■■財務状況
上記ページ「財務ハイライト」より、分かりやすくまとまっています。
■C/F
まずはキャッシュフローから。投資活動は年々控えめになっています。
17年度より18年度は営業活動で数字を伸ばした分、フリーキャッシュ・フローを創出しています。
■P/L
18年の利益率は1%を下回る過去最低。また、グラフには表れていないですが、既存店の売上高が3年連続で前年割れとなり厳しい状況です。
■B/S
年々純資産を積み上げて自己資本比率を上げています。すぐ潰れるようなことはなさそう。
ただ、ライバル社のプレナス社(やよい軒、ほっともっと)が好調なだけに、打つ手を探してじっと耐えている印象です。
■■3C分析
●顧客層と顧客ニーズ
・手軽に定食を食べたいサラリーマン、学生
・健康志向で、金銭的に余裕のあるミドル層
●自社の強み弱み、評価
・こだわりの店内調理 ←→ 今さら質を下げられない
・健康的な日本食、昔ながらの母の味(ex. ちゃんとごはん。大戸屋)
●競合の強み弱み、特徴
・安価な定食の登場:やよい軒など
・その他ライバルが多い:ファストフード、宅配、コンビニ
「チキン母さん煮定食」から分かるように、日本の古き良き定食屋さんとしてのブランディングを図る大戸屋。
味も出来たてが美味しく、大型スーパーや駅チカにも出店していて通いやすい。ただ、定食屋にしては値段が高いです。。!
大戸屋は01年頃から値段がアップし、今では800円代がほとんどに。
例えば、サバの塩焼き定食がやよい軒で630円のところ、大戸屋では870円(正確には炭火焼き)。
※かつ、やよい軒はご飯食べ放題のため、学生やサラリーマンはこちらに足を伸ばしそう。
■■ポイント:定食屋としての強みが発揮できていない
**・①日本の家庭の味を求め店内調理にこだわり過ぎた。肉、魚、野菜の調理コストが年々高くなってしまった。
・②一方、コスト削減の一手としてタブレット端末を導入するが、年配の顧客から不満を買うなど、上手くいっていない?**
冒頭にも書きましたが、実際に私は中学時代から足しげく大戸屋に通っています。
価格上昇は身をもって感じていましたが、②は泣きっ面に鉢。
”今回は6人で行ったので、タブレットで注文すると時間がかかりすぎるため
店員さんに直接オーダーをお願いしようと思ったら「タブレットからお願いします」と断られました。何ということでしょう……”
https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131710/13163258/dtlrvwlst/B112193092/
食べログにこんなことが書かれていましたが7月に町田店に入ったとき、同じ現象が隣の席で起こっていて、お客さんも店員さんも困っていたんです。
■■解決案:リブランディングについて(私がCMOなら)
■「お母さん」の料理像が時代錯誤説
「大戸屋」という認知度は確実にあります。名前は皆知っているはず。
ただし、実感値として「昔ながらの母の手の込んだ料理」というブランディングが上滑りしています。
そもそも大戸屋は60周年を迎える老舗で、どんどんコアユーザーが変わっているのではないでしょうか。
「お母さん」ってイメージ、一致しているのかな。
だったら抽象的な母の味ではなく、「昭和仕込みのこだわり」とか「古き良き日本の味」とかオーセンティックな日本の家庭料理すべきではないか。
加えて、当時の母世代が料理を監修したり、家でもマネできる古き良き母の味講座みたいなワークショップや商品開発をして、イメージをすり合わせた方が良いと思う。
■そのうえで「●●の大戸屋」というトンガリを作る
ガストのチーズインハンバーグ、サイゼのミラノ風ドリアがあるように、「母の~~の大戸屋」を作りたい。
私は個人的には、「大戸屋ランチ」とか「チキン母さん煮定食」は目玉かと思っていたのでふが、そこまで浸透していないのかも。
1500円オーバーのウナギ定食を作ったりしている場合じゃない。オーセンティックな日本の家庭料理を尖らせた武器を作ってPRします。
その商品を上記した当時の「母世代」のミドル層から、今の主婦層に波及させ、最終的にオールレンジに提供したいです。
■■ソース
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