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エストニア滞在日記 移動

2日目。フランクフルト空港に到着した。深夜時間ということもあって人も少なく、ところどころに設置された椅子では空港泊をする人たちが横になっていた。哲誠とは朝に合流することになっていたため、僕も空いているスペースを確保して時間を潰すことにした。数時間の空港泊とはいえ、固い椅子でなかなか寝付けず、やっぱり辛かった。僕が温厚育ちすぎるところはあるが、学生を卒業した後は空港泊なんてするものではないと思った。

日が明るくなり始め、チェックインカウンターが開く時間になった。哲誠との合流前に済ませようとカウンターに行くと、荷物の追加料金が必要だから別のカウンターで支払ってくれと言われた。その支払いカウンターの場所をスタッフに確認したが、いざ歩いてみると、初めてのフランクフルト空港、どこだかさっぱりわからず広い場所をさまよい歩いた。同じ場所を何往復かしてようやく発見。最初言われた時は、「あれ、事前に払ったはずなのに」と思ったが、どうやらチケット代に代金が含まれていなかったらしい。しぶしぶ追加料金を支払った。

後の便で来た哲誠と合流した。荷物に関して追加料金が必要な同じ状況だったので、場所を案内して哲誠も支払いを済ませた。チェックインを無事に終えて、いざ出発ゲート内へ。搭乗時間までには少し時間があり、中に入ってすぐのところにあったビストロ的な店で二人でランチした。接客してくれた黒人店員がやけに陽気で、「どこから来たんだ?」に始まり「日本は最高の国だよな、俺もいつかは日本に行ってみたいぜ」と日本への熱を語ってくれた。

食後は適当に時間を潰して、ストックホルム経由でエストニアの首都タリンへと向かった。移動時間が日本-フランクフルト間に比べて大分短く、本を読んだり寝たりしているとあっという間に着いた。ヨーロッパの国同士はこうも近いのかと改めて実感するとともに、日本との距離もまた遠く感じられた。

空港から宿泊場所まではタクシーで移動した。エストニア語表記で全く読めなかったが、携帯で住所を示すとおっちゃんは理解して「OK」とすぐに車を走らせた。やはりどの国でもタクシー運転手は道の達人なのだ。すでに辺りは暗く、街並みもあまり見えなかったが窓を眺めているとすぐにその場所に到着した。

建物に入ると健友と孝暁が出迎えてくれた。二人は一足先にフランクフルトから陸路でエストニアに渡っていたのである。そのときに健友が財布をなくしかけた話や、バスのチケットを買い間違えて二人が罰金をくらった話など、旅のエピソードを聞き、また、現状のエストニア生活の話を聞いたあとには、その日の移動の疲れもあってすぐに就寝した。

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