緊急事態宣言が明けて、街にも人やお金の流れが戻ってきました。週末の渋谷、新宿はどこも人だかりができていて、気のせいか、コロナ前よりも人が多く感じるほどです。これまで家の中に押し込められていたエネルギーが一気に放出されているのでしょう。良い意味で、ごちゃごちゃとして嫌いだった東京の日常が帰ってきています。

ところが、帰ってきた日常の至るところには新しい日常も散りばめられています。ファッションと一体化したマスク、どの入り口にも備え付けられた消毒液、一定の距離を保った座席間隔、スキンシップゼロのコミュニケーションなど、不思議なもので、ほんの数ヶ月前には違和感に感じていたはずのことが私たちの暮らしに自然と溶け込んでいます。

新しい生活様式とは、私たちが自ら作り上げるものではなく、生き物としての環境適応のなかで無意識に出来上がっているものなのかもしれません。