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藤井聡太 将棋のピークってなに?

藤井聡太氏は、日本で最年少で数々のタイトルを獲得中の若手棋士です。その彼と対談したのは、5大総合商社の一つの伊藤忠商事の名誉理事の丹羽宇一郎さんです。(1998年当時に社長就任、不良資産4000億円を一括処理をして不振の伊藤忠商事を復活)共通項は同郷の愛知県出身で、なんと19歳と82歳という63歳差の年齢差の対談です。人間の強さの本質と考え抜くことの面白さと喜びを表現した対談書籍となります。

第1章 「強気なる」ために何をするか
第2章 「勝つこと」がいちばんじゃない 
第3章  学びの本質
第4章 自主自立の生き方
第5章 AIとこれからの世界

2021年8月25日 第1刷 株式会社 講談社

 今回は、「第4章 自主自立の生き方」「第5章 AIとこれからの世界」
この2章について、感じたことを書きます。

「第4章 自主自立の生き方」より
藤井さんは、高校3年生の2021年1月に卒業直前だったのにも関わらず、学校を自主退学して棋士の道に進む決心をされました。学校とプロ騎士の両立はむつかしいといいながらも学校で経験したり学ばれたことは、将棋に生きていると言われています。自主退学された理由の一つとしては、新型コロナの影響がありました。学校も将棋も2020年4月から5月にかけて両方休みとなり再開した6月からは両方を対応することが困難になられたようです。そして将棋に集中して取り組みたいことからの退学の判断をされたようです。

 退学の判断をする材料として棋士のピークについてふれられています。
羽生棋士が25歳で7冠を獲得されたり、ほかの棋士して実力のピークがその年代にあると感じておられているからです。加藤一二三棋士は77歳まで現役で活躍されたり、羽生棋士は50歳代で竜王タイトル挑戦をされたり、大山康晴さんは59歳まで王将を防衛されたり66歳で棋王戦に挑戦されています。これらの事例を見ても60歳代まで活躍されて1992年にA級棋士のまま逝去されたりしていますが、ピークは若く、タイトルホルダーの年齢も若くなってきている事実があるからです。

「第5章 AIとこれからの世界」より
AI、人工知能と将棋に関しても触れられていますが、AIとの競争、競合ではなく協働というような認識で書かれており、AIの台頭によって「定跡」がどんどん塗り替えられている状態で、この意味を新しい可能性が開けたと解釈されています。即ち、指し手の自由度が上がっているということを言われています。これがプレーヤーにとって自分の特徴を出せるようでいい方向に動いているようです。自分の将棋になかった感覚と出会え、むしろ将棋というゲームの可能性を感じることができたようです。

ピークにいるときは、本人自身はうまく認識できなくて次々と次の課題が出てくるのようで、登山で例えると、『ある山を征服すると次の山も征服したい』という気持ちになるのと似ていて、挑戦に終わりがなく死ぬまで努力だとおっしゃっていました。将棋に限らずコンピュータやAI の登場は我々の生活に深く広く入ってきていて、AIを使って使う側、開発する側の両方の進み具合によりいろいろなところにアメーバー上にAIの進出が進んでいくことになることは見えている感じです。今回の書籍ではお二人の郷土愛の話しから、将棋、プライベートなこと、AIとの付き合い方などテーマが多種にわたり哲学を与えてくれた一 冊となりました。


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