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歴史から読み解く組織とリーダシップ

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歴史好きな組織コンサルタントによる記事。組織やリーダーシップにまつわるさまざまな問いを歴史から読み解いてみようという試みです。組織のマネジメントに興味がある方にお勧め。
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記事一覧

モンゴルの世界ー②壁が消えた日

今回はこんな空想から始めてみたい。 あなたは全世界を征服し、そこを統べる帝王の地位につい…

ユーラシア史―②壁の向こうの世界

壁の向こうにいる敵 漫画『進撃の巨人』は、壁に囲まれた世界から物語が始まる。100年以上も…

ユーラシア史ー①大陸の中央から世界を見る

「虫の眼・清張」と「鳥の眼・司馬」 これは、作家の半藤一利氏が編集者時代に接した昭和の…

ハンニバル戦記-②戦略を実行する

前回記事でハンニバルが立てた戦略を紹介した。ただし、戦略は実行されなければ机上の空論に過…

ハンニバル戦記-①戦略とは何か

戦略とは何か 仕事柄、多くの企業の大小さまざまな戦略づくりと呼ばれるものに携わってきた。…

ビジネスパーソンが歴史を学ぶ意味

今回は、特定のテーマを取り上げるのではなく、ビジネスパーソンにとって歴史を学ぶ意味を考え…

戦争技術と組織の発展-②最強マケドニア軍とアレクサンドロス大王

古代最強のマケドニア軍 オリエント世界とギリシア世界、それぞれにおいて発展した戦争技術を統合し、最強の軍隊を完成させたのがマケドニアだ。ペルシアから騎兵や散兵、軽装歩兵の使い方を吸収し、ギリシアからは重装歩兵戦術を学んだ。 それぞれの戦術が発展した起源は、前記事を参照していただきたい。 最高のコンディションで歴代各国の軍がぶつかった場合、アレクサンドロス大王率いるマケドニア軍は、後の時代を含めどこよりも強かったであろうと言われている。おそらく、これより300年後に地中海

戦争技術と組織の発展-①組織的戦争の起源から総合戦の完成まで

ホモサピエンスが他の動物、また他の人類に勝ったのは、大人数を組織的に動かすことができたか…

秦漢帝国-③統一国家のグランデザイン

中華初の統一王朝となった秦は、わずか15年であえなく崩壊。このまま分裂状態に戻れば、統一国…

秦漢帝国-②統一国家の誕生

中国はなぜ一つなのか よくよく考えると不思議だ。これほど長期に渡り何度も統一され続けた国…

秦漢帝国-①性善説と性悪説から始まる組織統治の源流

人間をどう捉えるか 組織のマネジメントを考えることは、人間をどう捉えるかと同義だ。言い換…

ローマ帝国-③帝国を繋いでいたもの

帝国が滅びた日 500年続いた帝国が滅びた日とは、どんな1日だったのだろう。 イメージしやす…

ローマ帝国-②継承されるリーダー

トップの継承問題で悩みを抱える企業は多い。特に創業から急成長した企業は、軒並み後継者への…

古代ギリシアから見た、個と全体の調和

巨大化した組織の悩み 大企業から来る人財・組織面の相談事は、たいていこんな感じだ。 「わが社の社員は、言われたことはしっかりやるのだが、自分から考えて動こうとしない。」 「自部門の利益ばかり考えて、全体の目的を考えて連携しようとしない。」 経営者は常に、社員が全体の目的を「自分ゴト」として捉えて、自ら動くことを期待している。ところが、組織が大きくなり成熟すればするほど、この「自分ゴト」感は薄まっていく。大企業病の根っこは大概これだ。個が自分らしさを発揮しながら、全体のため