見出し画像

日本でもっと “カスタマーサクセス” を盛り上げよう!! Japan Customer Success Community(JCSC) #12 年始スペシャル に行ってきた!

画像28

■概要
日時:2020/01/30(木)19:30〜
場所:ウイングアーク1st株式会社(六本木グランドタワー36F)
詳細:https://jcsc12.peatix.com/view#_=_

画像2

■登壇者
アドビ システムズ 株式会社
Senior Customer Experience Manager 森山 裕之

株式会社SmartHR
執行役員・VPカスタマーサクセス 高橋 昌臣

HENNGE株式会社
カスタマーサクセス部 副部長 渋江 良彦

株式会社トレタ
カスタマーサクセス部 部長 鈴木 高太郎

Repro株式会社
CCO 佐々木 翼

■モデレーター
ベルフェイス株式会社
カスタマーサクセス事業部 事業部長 小林 泰己

成功ユーザーと改めて向き合う(アドビシステムズ・森山氏)

画像3

前回発表した話の振り返り
・顧客に対して期待する成熟度曲線(マチュリティカーブ)
・マーケティングを実施してもらうために、マーケティングが出来る体制を整えてもらうことが大事
→きちんとしたモデルだが、なかなか顧客に伝わりづらい、次のアクションに繋がりにくい。

画像4

サクセスしているユーザーの特徴を深堀りして分解してみる
→サクセスしているユーザーに聞いてみる。事例インタビューよりももっと深堀りしたインタビューを実施
画像5

成功している顧客は次の4つが揃っていることがわかった
①Design→プロセスやKPIの定義
②Deploy→経営からの支援、他部署の巻き込み
③Execution→施策の実施、PDCAを回す
④Data / System→データが揃っていること、システムが繋がっている

画像6

成熟度レベル表
4つのプロセスをレベル分けしてマッピング
→顧客がどこにいるのか、次、どこに進めばいいか、具体的な提案がしやすくなった

画像7

画像8

Q.米国のノウハウで日本とマッチしていないと感じた点
A.米国ではSMBでもマーケターが社内にいて当たり前。日本はそこまでノウハウをもっている人がいないため、チューニングが必要だと感じた。

脱・属人化(SmartHR・高橋氏) 

画像9

画像10

エンタープライズCSMの脱属人化を目指す

画像11

労務業務には決まった年間スケジュールがある。
人が動く時期など、期限が決まったやらなければならないことがある。

画像12

SmartHRのエンタープライズは職人芸
→単なるSPOF(単一障害点)
→ユニット制の導入を実施。

画像13

画像14

CSなりたてメンバーをCSM2人でOJT

画像15

3〜6ヶ月に1回、ユニットリーダーをチェンジしていく予定。
ユニットリーダーは職務ではなく、ユニット目標を目指すための調整役。役割。

画像16

とはいえ、半期に1度組織体制を変えているため、先々どうなるかわからない。

画像17

Q.NRRが個人の指標として違う、と思ったポイントは?
A.月が締まらないと翌月の目標数字が決まらない、身動きが取りにくい。

脱つくりっぱ(トレタ・鈴木氏)

画像18

飲食店の予約に特化して6年事業をやってきた
→ターゲットが少なくなってくる
→残された選択肢:海外にいくか、領域を広げるか
→トレタは飲食の中でサービス領域を広げていく道を選んだ
→3ヶ月〜6ヶ月に一度、オプションリリース
→3ヶ月で1,700件のオンボーディングが発生。CSMがオンボーディングに溺れる事態に。

オンボーディングはトライアンドエラーを経て出来上がる。どんなに優秀なCSMでも、初めてみたプロダクトのオンボーディングは出来ない。

やったこと
・CSメンバーがリリース前にフィジビリに参加
→CSメンバーがサービス企画に参加し、オンボーディングフローまで作った上でサービスリリースするフローを整えた
・顧客接点の見直し
→1人がみる顧客数を減らし、顧客に対して1名のCSMが対応するようにした

画像19

MVV浸透(HENGE・渋江氏)

画像20

以前の発表では、KPIとKGIの話をした
→人が多く(70名)KPI・KGIを定めただけだと進まない。もっと向かうべき道を示すMVVを定めた方が良い ※MVV:ミッション・ビジョン・バリュー

画像21

画像22

CS部門のMVV浸透への取り組み
・会社のMVVはメンバーからすると距離が遠い
・会社のMVVを元に、それを達成するためのCS部門のMVVを設定、今期はその浸透に取り組む

画像23

画像24

間違ったかもしれない、と思ったこと(Repro・佐々木氏)

画像25

あ、やばいPhaseがかわったと感じた
→スケールしなくない?疲れる。。

画像26

なぜか?
・リプロのKGIに起因
・売上を作るためのCSの仕事→契約後に生じるすべての業務

Customer Journey Mapの定義
→CSチームは顧客の成功を実現するために、各フェーズに注力する
→フェーズ1つ1つを突破するためには何でもする

画像27

やっていること
・SoW(statement of work)とサービスレベルの明確化

画像28

質疑応答・パネルディスカッション


Q.「自走する顧客」「自走しない顧客」なにが違うか、どうやったら自走させられるか!各社の取り組みを聴かせてください!
トレタ
オンボーディングはティーチング。CSMはコーチングをするべき。コーチングが成り立つのは相手がそれを受け入れてくれている場合に限る。相手が受け入れてくれる割合は25%程度しかない。それを打破するため、ワークショップを実施。リクエストが挙がったことをテーマに行う。
SmartHR
実装できない顧客には頑張って手をかける。SmartHR導入のタイミングで、うまくコミュニケーション、リレーションが取れていれば自走しやすい。「やってください」のスタンスだと大変だが、それを自走させるのがCSのしごと。
マルケト
ただツールを使うだけではなく、ツールを使ってどの様にマーケティングの戦略を立てていくか。何故それをやるのか?ユーザーの目的意識、スキルとWillが問われる。そのポテンシャルがある人には、分科会が効く。高い次元の人がいれば、分科会によって感化される。一方で、高次元の人に属人化するリスクは高い。
HENGE
自社での自走の定義=自分で運用ができる、としているが、運用代行、という商材も用意している。この会話は難しい。中長期の視点と、目の前の課題のバランスをどう取るか。

Q.各社、オンボーディングで「どうやっても使えないだろ…」と思う企業にどうサポートしているのか。人の工数を割いているのか、それともそもそもそういった企業は獲得しない方針なのか?
トレタ
セールスに嫌だと言っても、KPIが違うから来てしまう。タイ人しか来ないレストランを対象にオンボーディングしたことがあり、CSMがポケトークを使って解決したことがあった。目が見えない人もいた。何とかしている。
Q.こういう場合は無理に取らない、というような基準は各社あるのか?
トレタ
トレタは予約が入らないところはそもそも入らない。
マルケト
無理して売らないようにしている。「何か提案してください」というスタンスの企業にはすっとひくようにしている。どうやっても駄目だと思ったら、プロフェッショナルサービスを進める様にしてはいるが、得てしてそういう顧客は「全部やってくださいお金は出せません」とうことが多く、長い関係にならない。
SmartHR
この機能だけ使いたい、は基本NGにしている。

Q.CSからプロダクトへのフィードバックはしているか?
Henge
社内システムにストックしている。課題は、開発のマイルストーンと顧客の要望がそぐわないこと。顧客からの機能要望によってマイルストーンが動くことはなかなかない。
SmartHR
CSMによって伝え方の差が出る。週1で一つの事象をどう伝えるか、伝え方を平準化する訓練を実施。要望は社内システムに登録し、定期的にFBが得られるようになっている。

Q.「オンボーディング」手段として「動画」の活用は実施していますか?
もしくは、これから活用したいと思いますか?活用していない場合、その理由は?
マルケト
活用のための動画は用意しているが、グローバルの翻訳なので、いまいち伝わっているか自信が持てない。本国のマーケが制作。
SmartHR
CSが制作している。
トレタ
CSが作っている。メールを送ると10%しか見てくれないが、動画は72%が見てくれる。ポイントは3回アナウンスをし、さらに、宿題を課して見ないといけないようにしている。みんなが同じことを話している内容は動画にすべき。
HENGE
やっていない。取引先がSIが多く、見られるとは思えない。

Q.「成功している」お客様にヒアリングをした、とのことですが、貴社での「成功」の定義/基準は何でしょうか?ご教示いただきたいです!
マルケト
厳密には決めていない。やりたいことをやっている、マルケトの利用領域がどんどん拡がっている顧客に話を聞きに行った。
SmartHR
担当者のサクセス。昇進や評価など。
トレタ:飲食店の繁盛を成功においている。お店が成功すると、2店舗目、3店舗目でアカウントが増える。
Henge:セキュリティサービスゆえ、マイナスをゼロにするプロダクト。それ故、なかなか成功の定義がしづらいが、サービスの利活用、効果の実感、自走、ロイヤリティの向上、の4つが成功の定義だと感じる

Q.各社のCSの採用基準がしりたいです。特にフェーズを追うごとにその基準がどのように変わってきたか(あるいは変わっていないか)教えていただきたいです。
Hemnge
ビジョン・ミッション・バリューへのフィットが大事だとおもうが、わからない。
トレタ
スタートアップゆえ、計画的に採用するのは難しい。カルチャーフィットが大事。人の喜びを自分の喜びに変えられる人。以前は業務フロー理解のため、飲食店経験がある人を採用していたが、属人化から脱却してから、優先順位が変わった。
SmartHR
採用メンバーとすり合わせを実施。ストレングスファインダーで共通項を探した。今圧倒的に足りてないのはエンタープライズ領域むけの人材。
マルケト
カスタマーサクセスを具現化するひと。顧客から学べる姿勢がある人。ただし、見抜くのは難しい。

まとめ、感想

2018年12月に行われた『屍を超えてゆけ』の第二弾。強烈なタイトルとは裏腹に、登壇された各社、名の知れた顔触れが揃っているだけあって、しっかりと計画立ててやるべき事をやってるなあ、という印象。発表された施策を行うにまでプロダクトも組織も至っていない身にとって、どこか遠い世界の話に聞こえてしまった。もっと精進せねば。色々なイベントで運営から言われるように、参加者層と発表内容を合わせるのって本当に難しいんだな、と実感。PMF達成しているか否か、CS組織の規模、担っているロール、などで刺さり方が変わってくるんだろうな。個人的には、PMF達成前のCSの失敗談や、それによって事業が立ち行かなくなった話を聞きたいと思いました。

Twitterでも情報発信しています!よければフォローお願いします! https://twitter.com/makoto_wada