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トシちゃんが選んだ道

最近、産経新聞がネットでトシちゃんのインタビュー記事を連載しています。最初にたまたま見つけたのが既に第19回。すごく長い連載なんですね。

「抱きしめてTONIGHT」大ヒット 紅白は出場拒否 前年落選に「なめているのか」 話の肖像画 歌手・田原俊彦<19> 産経新聞 2024年4月21日

この回はトシちゃんが紅白落選したときのエピソード。1987年のこと。以前ここでも書きました。当時、結構話題になりましたね。トシちゃんも相当ショックだったようです。

「一体、どうした?」って、驚きました。「なにゆえに?」と。

私も驚きましたが、同時に「さもありなん」という気持ちも正直ありました。トシちゃんが記事でも言っていたように、そのころ人気がパワーダウンしていて曲もあまり世間に浸透しなくなっていたんです。ザ・ベストテンの年間ランキングを見ると、『どうする?』が58位、『KID』64位、『“さようなら” からはじめよう』が87位。りっぱなもんですが、どれも私、全然知らないのです。

僕を落としたことについては「そういうことなんだ、もっと力を付けないといけないんだ」と思うところもあったし、「なめるなよ、この野郎」という思いもありました。

「なめるなよ、この野郎」という思いがすべてでしょう。そりゃそう思いますよ、トシちゃんなら。翌年『抱きしめてTONIGHT』がヒットして再選されたとき「“ほら見たか”と思った」って言ってるんだから。そして、辞退。

僕は相手から〝線を引かれたな〟と思ったら、頑固なんですよ。前年に1度、出場させないと決めたのに、どんな理由か知らないけど、また来いっていうのはね。「オレは犬や猫じゃないぞ。なめているのか」と。

こういう心理、すごく分かります。私もこのタイプ。ちょっとでも引かれたら、「だったらいいです、別に」って気持ちになっちゃう。だってシャクだし。意地っ張りってやつです。

27歳の子供ながら、そう思いましたね。

27歳は子供じゃなかろーが。まあ、精神年齢のことを言っているんでしょうけど、それはそれで問題。

いつまでも紅白にしがみつき続けるのはどうかな、と思ったし、「その人選、おかしくない?」という例も結構ある。

かつてトシちゃんのかなり身近に居た人にありましたね。「え、なんでこの人が選ばれるの」って。たいした歌手活動してないのに、突然紅白に出てきてトリを務めたり。ジャニーズ枠ってことですね。

僕はこれと決めたら、間違っていても突き進む男。少し違うな、と思っても、敵が1000人いようとも、そっちに行くタイプです。そういうのが好き、というのがあるんですよ。

以前私がここで、いつかまた紅白に出てみてもいいんじゃないって書いたりしてたけど、トシちゃんは「特別枠などを用意されても出るつもりはない」とキッパリ。あれから37年。今までそうしてきたように、これからも自分が大事と思う方へと突っ走って行けばいいと思います。それがトシちゃんの生きる道。

それ以降の僕はハチャメチャになったけど、それはそれでいいんじゃないかと思う。僕はそういう道を選んでしまったし。それで生きていきましょう、って。