見出し画像

タカラジェンヌのセカンドキャリアとは⁉️「すみれの花、また咲く頃」

本(すみれの花、また咲く頃)(長文失礼します)

タカラジェンヌのセカンドキャリアを、元団員9人との対談を通しながら綴った本です。筆者の早花まこさんも、宝塚歌劇団で2002年から18年間娘役で活躍した元タカラジェンヌです。

この本は新聞の書評欄で見つけましたが、以前新聞の連載でタカラジェンヌのセカンドキャリアを読んでいたのを思い出し、買って読んでみることにしました。
連載の内容は、劇団を卒業してプロの俳優や歌手になれるのは、トップスターなどほんの一握りで、多くは第二の新たな人生を決めなくてはならないというもので、色々な職業がありましたが、確か歯科医になった方が印象に残っていました。

今回も1人目は男役のトップスターで卒業後も俳優を続けています。さらに娘役トップスターも同様に俳優を続けていますが、他は会社員(ベトナムの日本語教師)、医療系大学の大学生、振付師、ハワイへの移住、台湾での俳優・モデル、3児の母親など、各人様々なセカンドキャリアを築いています。

タカラジェンヌになるためには、先ず宝塚音楽学校への入学が必要ですが、受験資格は中学3年生から高校3年生までの4回受験が認められています。毎年かなり高い倍率で、本に登場する人の中では1発で合格した人の他、3回目で合格したなど様々でした。
ただ共通するのは母親など親族が宝塚ファンで、小さい頃から母親などに連れ行かれ宝塚を観て衝撃を受け、憧れて受験を決意したというのがパターンとしてありました。

宝塚音楽学校の2年間はハードな歌やダンス、芝居の練習と、さらに厳しい上下関係や礼儀作法などを徹底的に学び、舞台に立つ技術の習得よりも精神力を鍛えられると口々に言っていました。

宝塚音楽学校を卒業後に、歌劇団へと入団して舞台デビューを果たす訳ですが、多くの生徒がトップスターを目指すのが基本でありながらも、そうとは限らず、主役になれなくても与えられた役に全力を尽くす、役になりきるという姿勢は、各人に共通していたと思います。

対談の最後に「あなたにとっての宝塚とは?」の問いが9人に投げかけられますが、その回答はそれぞれであり、いずれもタカラヅカ愛に満ちたものでした。以下に列挙しておきます。

「愛を学んだ場所」「日常であり、戦いの場」「自分の人生を作ってくれた場所」「生活必需品」「生まれた場所、死にたい場所」「全て」「人生の基盤」「いや、もう、全て」「それは言葉にできない」

余談ながら、私も宝塚ファンだった姉に連れられて高校生の頃、初めて東京宝塚劇場で観覧したことがありましたが、その煌びやかな世界に圧倒されたことが、今でも記憶に残っています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?