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マネージャーは楽しいよ

この記事はDevLOVEアドベントカレンダーの2日目の記事です

マネージャーの担う役割になってたぶん3年ほど経つが、いまのところの結論は「マネージャーは楽しい(面もある)」だ。何が楽しいのか?考えてみよう。

もともとはマネージャーではなく(組織を変えるチェンジエージェントとしての)スクラムマスターになりたいなと思っていた。ただ、(今はそういうムードも徐々に出てきていると思うけど)当時は会社のなかではそういう専任のスクラムマスターみたいな役割の認識がそこまで高くなかった。メンバーを気にかけて、彼らがパフォーマンスを上げるのをブロックしている要因を特定して取り除く、メンバーのモチベーション&エンゲージメントを高める、メンバーが自分から動けるようにしていくとかはマネージャーの役割として認識されている面が高かった。最初に受けたときは「来たからやるか」くらいの気持ちだったけど、今もマネージャーでいつづけているのはそういう理由の面が大きい。

マネージャーになると、スクラムマスターが担う役割よりももう少し広い役割が入ってくる。会社方針の理解と定着化の促進とか、勤怠管理とか、契約締結とか、予算管理(稟議...)とか、人事評価とか、組織のアウトプットに対する説明責任とか。

こういうのは正直しんどい。本当にしんどい。いや、マジでしんどい。

つい先日も後継的な人材を育成するために今のマネージャーの役割を洗い出してみようというワークを社内でやったが、本当にたくさんのやるべきことがあって「これ全部できる人いたらスーパーマンだろ」って感じになった。まあこれは逆にいえば今は担いすぎでデリゲーション&エンパワーメントできる余地が腐るほどあるってことだけど。

スクラムマスターだと、組織課題を公式に解決しようとすると、どっちか言うと「そうなるように仕向けていく/支援していく」に重きを置いたアプローチになるんじゃないかなと思う。まあスーパースクラムマスターはそれでも非公式なところから公式に切り込んでやっちゃうんだろうけど。

でも、マネージャーであれば公式に当事者として動ける。そう、マネージャーとしての現場はここ。(やむを得ない)プレイングな役割に頭を持って行かれてチームリーダーとしての役割のほうに頭が持ってかれることも多々あるけど。マネージャーの役割は「組織課題を生んでいるシステム(仕組みとか構造とかプロセスとか関係とか)をいい感じに変えていくこと」のほうだと思ってる。これはだいぶタフなチャレンジ。

もともとスクラムマスターになりたかったのも「組織を(真剣かつ愉快犯的に)変えたい」という目的があってのことで、(たまに組織課題に対して他人事みたいな態度をとってしまうこともあるけれど)こういう組織課題に対して当事者でいられるアドバンテージは大きい。これからどうなるのかも自分次第。放置してたら皆が苦しむけど、解決したら(解決の方向に持って行けたら)皆が喜んでくれる。それで自分のキャリアイメージを確立させて実現に向けて試行錯誤するようなメンバーとかが出てきたら、もうビール100杯はいける(最近は断酒してるけどね)。

最近ムービングモチベーターズをやると、1番目には必ず「熟達」を持ってくるようにしている。それは、そんな感じの組織課題をいい感じに解決していく能力を自分のなかで磨きあげたいから。

というのを表明していると、しんどい状況でも「自分が望んでいる現場だから」ということで納得できる面もでてくる。で、自分としていい感じの動きや結果(の兆候)が得られると、熟達が満たされてエンゲージメントを感じる。

なので、(私にとって)マネージャーは楽しい。

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