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安井仲治 写真展 ~僕の大切な写真~ 備忘録

2023年12月16日~2024年2月12日(鑑賞日:2024年1月8日)兵庫県立美術館 

安井仲治氏(1903-1942)の生誕120年を記念して、写真展覧会がありましたので備忘録として記録を残します。他の方への参考にもなれば嬉しいです。
館内の展示写真は基本的に撮影OKでした。

DM

安井氏は現在の大阪市中央区に生まれで、10代にして関西の名門・浪華写真倶楽部の会員となり、瞬く間に日本全国にその名を知られる有名写真家となりました。ピグメント印画の技法や1930年頃に日本で流行した新興写真という絵画と差別化を図った志向の作品を病で38歳の若さで亡くなるまで、発表続けました。今回の展覧会では作家自身の手掛けたヴィンテージプリント141点と、この度の展覧会を機に新たに制作された23点を含むモダンプリント64点が展示されていました。愛知県美術館 に続く巡回展示で、2024年2月23日からは、東京ステーションギャラリー を巡回するそうです。


まずは美術館の入り口の看板です。

外部看板1


外部看板2

そして、展示会入り口の看板です。当日の個人の観覧料は一般1600円、大学生1000円、高校生以下無料、70歳以上800円、一般(障害者手帳等お持ちの方)400円、大学生(障害者手帳等お持ちの方)250円となっています。休館日等の詳細は美術館のHPを御覧ください。


内部看板1(モノクローム仕上げ)
内部看板2

それでは展覧会に入ってみましょう。

ごあいさつ


1930年代の安井仲治氏


愛用カメラ

安井仲治氏の言葉と共に印象に残った展示写真をピックアップします。尚、言葉と展示写真には直接の関連性はありません。


「猿回しの図」

初期の代表作であり、猿ではなく、猿廻しと猿廻しを見学する周りの観客にモチーフを置いており、十人十色の表情に惹かれる作品です。



安井仲治氏の言葉1



「旗」

1931年制作でゼラチン・シルバー・プリントにオイルメディウムと油絵の具を塗布した作品です。この時代に既にアレブレを使ったような荒々しい表現に惹かれます。



安井仲治氏の言葉2



「晩秋風景」

1931年制作です。複雑に絡まったバネと背景の建物を組み合わせた作品で、解き放たれた外界に対して、好奇心を持ってカメラを構える安井仲治氏の姿勢が想像できますね。



安井仲治氏の言葉3



「地上」

泥の中を蜥蜴が這った跡をメインに据え、雑草、光と影を脇役に配置して、上手く構図を構成しています。こういうモチーフを見つけた時は嬉しかったろうなと共感できます。



安井仲治氏の言葉4



「犬」

大学病院の裏で見つけた動物病院での一枚。「絶食」「食事ヲ サスナ」という張り紙と犬の不健康そうな眼差しに心を打たれました。展示されていた中ではこの作品が一番心に残りました。

カメラ初期の戦前という時代の中で、これだけのアプローチを表現していた安井仲治氏は日本の写真史の中ではとても重要な写真家だと改めて感じました。

では、また。



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