見出し画像

Street snap photo session Vol.3 田中 操

僕のリスペクトしている写真家と街撮りを一緒にして note に纏める企画の第三弾です。第一弾と第二弾は以下の 記事となります。

ルールは以下の通りです。

1.二人でストリートスナップ
2.ロケ地は相手の写真家さんが選択
3.セッション時間は二時間以上
4.お互いを撮影した写真含めたそれぞれ五枚以上の写真を後で共有
5.その写真含めて松永が note に総括

そして、 Vol.3は日本の女性ストリートスナップ集団 写道 ‐shado- の代表である 田中 操 氏です。写道は先日2024年2月に写真展『写道-shado-begins 7人の女』を渋谷で開催し、大成功を収めました。

その街の持つ日常は溢れるばかりの人、人、人、その混沌とした流れの中で無遠慮にカメラを向け、その時間を切り撮る一期一会。そこには間違いなく自身が居たという記録。それ以上でもそれ以下でもない。その緊張感に耐えられなくなるその時まで撮り続けたいと思う。

写真展での操さんの自己紹介文は上記のようになってました。操さんの写真に対する考え方が良く分かりますね。

photo by 田中 操

過去の操さんのストリートスナップで一枚上げるとするとこの写真がとても印象に残っています。大きな黒いサングラスをかけている女性をストレートに撮影した一枚ですが、何かとてつもない雰囲気を持った作品なんですよね。例えるとウルトラセブンのビターなSFの世界なんですわ。左側に脇役を押しやられ、右側には外人のポスターがあり、主人公の女性の圧倒的な存在感を助演しています。

今回の session で操さんが指定したエリアですが、操さんは東京の方であり、原宿で良く撮影してらっしゃるので、てっきり原宿を選択すると推測していたのですが、操さんは大阪が好きだということで何と僕が良く行く大阪の新世界・西成エリアを選ばれました。セッションは2024年3月20日でした。

実はこの前々日から僕の体調は珍しく急降下{二日酔いではありませぬ)してしまい何度も session を延期してもらおうかと思ったのですが、前夜には少し回復している気がして強行しました。当日のセッション中はアドレナリンがドバドバ出て、撮影の約二時間は苦も無く撮影することができました。しかしながら、セッション撮影が終わった瞬間からはドッと反動が出て、かなりシンドかったです(汗)

操さんのカメラは FUJIFILM X-E3 35mm と RICOH GRⅡ(28mm)、僕はRICOH GRⅢ(28mm) と RICOH GRⅢx(40mm)の二人とも二台体制でした。

まずは新世界エリアで撮影しました。お互いの自由度を高めることが出来るように集合場所と集合時間を決めて分かれての撮影としました。

photo by 田中 操

上の写真は操さんが撮影した写真ですが、ユーモア溢れた人物をパースの効いたストリートの中央に置いて、正面から見据えて撮影しています。左側の丸い提灯、右側の朝日という丸い看板と左右に丸いモノがあることで、手ぬぐいによって丸顔に見える主人公を引き立てています。


photo by 松永 亨

こちらが僕が撮影した写真です。有名な国際地下劇場に入っていく面白い帽子を被っていた人物を後ろから捉えました。こういった卑猥な映画絵看板も数年後には失われてしまうかもしれませんね。ただ、単に映画館の建物だけを撮るのではなく、人を入れることで写真に物語を添えています。

photo by 田中 操

ゲームセンターのストリートファイターのキャラクター・エドモンド本田です。前面にビニールがあり、ビニールに反射している放射された線が張り手の波動のように見えるのが面白いところですね。オブジェクトをそのままコピーのように撮るのではなく、写真家の視点を入れて捉えることは大切なことだと思います。


photo by 松永 亨

これも国際地下劇場で撮影した映画「ナポレオン」のポスターです。ポスターの前に自転車が倒れていたのですが、自転車のタイヤのエッジとライトがポスターの帽子のエッジと眼光がリンクして見えて、面白いと思い撮影しました。


photo by 田中 操

右側のビリケンが効果的で新世界らしい背景に印象的な人物をしっかりと捉えています。顎を上げた面構えがとても格好良いです。頭の後ろの「カス◯◯◯◯クリーム」の位置も髪飾りのように見えて抜群ですね。


photo by 松永 亨

通りの向こうから雰囲気のある男性が歩いてきたので、勇気を持って激写した写真です。少し斜めになってますが、適度な斜め構図であれば寧ろ動感が出ると思ってます。ネクタイの柄含めて格好良いですね。背景の空の雲が写ったのは男性の雰囲気に合致して幸運だったと思います。


photo by 田中 操

じゃんじゃん横丁のホルモン屋で振り向いた男性をパチリですね。この主役である男性は明るい服、左右の他の人は暗い服なので主題が明確になっている白黒のバランスが優れた写真です。「3/21は振替え休日となります。3/22は通常営業になります。」という張り紙も良い位置にあります。


photo by 松永 亨

じゃんじゃん横丁の三桂クラブの写真です。この将棋クラブで将棋を指している子供を見たのは初めてでした。見学するおじさんを見上げる男の子の表情が素敵だなと思い、シャッターを押しました。盤上の勝負の行方も気になりますね。

そして、昼食(海鮮丼)を挟んでから、食後は西成エリアに二人で向かうことにしました。西成は新世界とは違い操さんがトラブルに巻き込まれてもカバー出来るように一緒に歩いて撮影しました。

photo by 松永 亨

群がっている鳩達にフォーカスを合わせつつ、おじさんが振り向いた瞬間にシャッターを押しました。公園の一時の雰囲気を封じ込めた一枚です。奥のテントが白いので、黒い服を来たおじさんが引き立ちました。

photo by 田中 操

この写真を撮った時に操さんは「良いの撮れた!」と思わず呟いたのを覚えています。公園で鳩が飛んだ瞬間にシャッターを押していますが、鳩と鳩の間におじさんが被らないで写っていてタイミング的にバッチリです。鳩達の飛翔の形も完璧ですね。今回の操さんの BEST shot だと思います。


photo by 松永 亨


photo by 田中 操

この公園で撃ち合いをしました。この二枚は丁度、お互いを撮影した時のモノとなります。良い思い出です。


photo by 松永 亨

西成を操さんと歩いていると見ず知らずのおじさん達が操さんに微笑みかけるんですよね。別に操さんは話しかけた訳でもなく、ただそこに操さんが存在してるだけなのに目が無くなってしまっているこの満面の笑みです。僕だけではこんな笑顔を引き出すのは難しいでしょうね。はい、完全なる漁夫の利です(笑)


photo by 田中 操

西成の商店街の車椅子一台と自転車二台が写ってます。構図は少し斜めでラフにアレブレっぽく撮られていています。右のビニール傘をさしながら走っているのがミステリアス緊張感が伝わってくる写真です。

ということで、セッションは終了です。撮影前は体調不良でどうなることかと思いましたが、セッション中は病も吹き飛び心地よい緊張感で撮影に臨めました。操さんは流石に場数を踏んでいて、西成でもしっかりと傑作をモノにしてらっしゃいました。今後もセッションを企画し、noteに記録していこうと思います。

では、また。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?