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【読書感想】悪気のないその一言が、職場の一体感を奪っている


ネガティブモードになったときに出会った本。
ポジティブな私だってネガティブになるときがある。
低空飛行中。
その状況だからこそ、どんな環境が望ましいと思っているか、自己理解が深まる。
どんな環境を望んでいるか、わかってたよ、わかってるよ。それでも文字にして、自分を慰めたい時だってあるんだ。

あなたは近くにいる人にリスペクティング行動できてますか。自戒を込めて


この書籍の中に掲載されている24のCASE。
職場の中の一体感を奪うコミュニケーションと解決策が掲載されている。
CASEの中には、私が会社員として長期間働いた以降に起きた大きな状況変化ゆえに起きた事象もある。例えば、テレワークやチャットの利用だ。中には、昔から変わらないこともあるんだな、と思ったことが掲載されていた。


1社目の会社員時代は、直近でも6年くらい前。デジタル化はそれなりに進んでいたのでは、と思っている。
営業が商品発注前に行う申請書類の回覧は電子化・電子印使用・電子回付されていたし最終決裁も電子だった。決裁されると商品発注も決裁通りに営業がシステムで行い、お客様へ配送された。
出退勤も、有給申請も、給与明細等の人事労務も電子化されていた。
在職当時は電子化が進んだなぁ、と思ってはいたが、その後そのシステムがどう進化したか、コロナ禍を経て出勤がどう変化したのかは残念ながら知る由もない。
働き方が大きく変化したここ数年。デジタル化が進化する以前に私の周りで起きた事象について触れていきたい。





私がやってしまった痛い経験


CASE3 一部の人にだけ、指示をしている


事情があって相手を限定するのと、意味なく相手を区別するのは違う、ということ。
イベント企画・運営等を一手に引き受けてたが故に指示を出す時間も惜しくなっていたから。言い訳にもならない。
私のそばで何かと質問してくれる人が居たのをいいことに「これは〇日までに△部、作成してほしい。手順は~~~。」その時はお願い、と言ってチームのメンバーに伝えてもらったのだ。出来上がりを見て愕然…出来上がりが違う人が居たのだ。
情報を一斉共有しなかった私の落ち度。
一緒に働く仲間へのリスペクトを欠く行為がこの結果を生んだのだ。
幸いにして、リカバリーができる内容だったけれど、私には苦い経験として残った。
 
※CASE番号とそのタイトルは書籍に準じている

CASE4 その場にいる人で話を決めている


その場にいない人が軽視されている、ということ。
これもイベントがらみのこと、受付対応を2日間でのべ4名、実際は3名で回す予定だった。にもかかわらず、前日の会場準備の段階になって2名で回すことにしたのだ。
慣れている2人で回した方がお客様をお待たせする時間が短くなり気持ちよく過ごせるのではないか、という提案をその場にいた人たちで決めてしまった。
私から伝えます、といってくれた人にその伝言も任せてしまったのだ。
責任者であるにもかかわらず、だ。

しばらく経ってから、その当時のことを指摘され「ものすごく残念で寂しかった」と率直に伝えてくれた。猛省しかない。
その瞬間の効率と自分のラクさを優先した行為が、大切な仲間へのリスペクトを損じたのだ。今でも友人としてお付き合いしてくれるこの方へは感謝しかない。

※CASE番号とそのタイトルは書籍に準じている

どうすればいいんだ


自分がされて嫌だと思うことを人にするんじゃない。
多くの人が幼少期に言われてきたことではないだろうか。

大人になったから、成長したからそんなこと言われなくたって分かっている。
わかっているからできるか、というとそれは違う。

できないから仕方ないじゃん。
どんな方法があるんだよ。
いそがしいんだよ。
そんなこと、出来る人がすればいい。
(私は)知らないわ。

この本では解を提示してくれています。

心地よく仕事をするためのリスぺクティング行動


1. リスペクティング行動を習慣化するための3つの着眼点


①相手に関心を持つ
②よいところを見つける
③人として接する、認める

悪気のないその一言が、職場の一体感を奪っている 第4章より

相手に関心を持つ。
ここからのスタートだと思っています。
職場の人だからだけではなく、関連企業様、協力企業様、私たちの周りには多く方々がいらっしゃいます。
その方々のプラスに目を向ける。
出来ないこと、失敗したことばかりに目を向けられると委縮してしまいませんか。ちょっと見方を変えると、良いところが目に見えてくるはず。
そして相手を尊重する。もちろん自分も尊重される。
そうやってお互いが尊重しあうことが基本だと思っています。


2. 人間には3つの承認欲求がある


①結果承認欲求(仕事の成果を認めてほしい)
②行動承認欲求(努力や工夫を認めてほしい)
③存在承認欲求(自分の存在をまずは承認してほしい)

悪気のないその一言が、職場の一体感を奪っている 第4章より

3つの承認欲求がある、といわれているのにどれかやっていますか、と問うてみます。
私のお勧めは存在承認欲求です。
上司や先輩に、仕事の成果を、行動を褒めるというのはハードルが高くないですか。そこで存在承認欲求です。
「○○さん、おはようございます」
「○○さん、お疲れ様です」
この名前を呼ぶ、が大切だと書籍にも記載されています。
実体験でもあります。
今からでも、ぜひ実践してみてくださいね。

3. 10個のリスぺクティング行動


①期待する
②任せる
③褒める(ポジティブフィードバック)
④自己開示する
⑤相談する/頼る
⑥情報を共有する
⑦選択肢や権限を与える
⑧共感や関心を示す
⑨言葉を選ぶ
⑩感謝する

悪気のないその一言が、職場の一体感を奪っている 第4章より

私の経験で印象に残っていることは③褒める、です。
営業職を経験した後、スタッフに職種替えになったときの上司がやっていたことです。営業職は結果が数字で表れるので結果承認してもらいやすい職種です。スタッフ(間接部門)の方々はいかがでしょうか。
私は当時の上司から褒めてもらっていました。「○○部長があなたが毎月発行している○○、わかりやすいと褒めていたよ」とか「○○の資料作成、ずいぶん早くできるようになったね」とか。不思議に思って問いかけてみると「スタッフ部門は結果が目に見えない分、声をかけてるんだよ。今やっていることに『大丈夫だよ』『できてるよ』『進んでいるよ』と声掛けすることで安心感が生まれるんだ、これも上司の仕事だ」と笑っていました。

⑨言葉を選ぶ、も同じ上司から言われたことが印象に残っています。CASE19「お取引先に対する言葉遣い」のケースに似ている経験です。新卒採用のイベントや、インターンシップでの現役学生さんとの会話をとても丁寧にされる方でした。「いつお客様になるかわからないだろう。うちとご縁があるかどうかはわからない。だけど、お客様になる可能性があるのだから気持ちよくこの場を過ごしてもらいたい」と話していただけました。にこやかに楽しそうに学生さんと会話をする印象的な場面を今でも思い出します。

リスぺクティング行動、私の経験から振り返りましたがいかがでしたか。
そういえば、この上司からは多くのリスぺクティング行動をいただいていたな、と思い出すと笑顔になれます。

これが、帰属意識や所属企業へのエンゲージメントを高めるのだと、理解しています。私はこの会社に29年1ヶ月という長期間にわたって勤務しました。もちろん、これがすべてではないけれど大切なことだと思っています。

今は大転職時代と言われています。その時代にエンゲージメントや帰属意識は大切か、と疑問に思うかもしれません。
私は「大切だ」と思っています。
仕事をする上で、誰かと関わっていくうえで、尊重しあえる関係性があって、ここにいていいんだ、という存在承認欲求が満たされる。そうすると自分が安心して働ける環境にいることを理解する、互いに認め合える関係があるからこそ頑張っていこう、と思える瞬間があるのではないか。

著者が最後に、リスペクトを示してお互いに少しずつ歩み寄り「見ている景色を合わせる」ことはできる、と記載している。
私はこの言葉に深く感銘を受けた。
少し前に同じ方向を向いて仕事をしたい、と表現していたことがあったのだが、著者のこの言葉こそ、「見ている景色を合わせる」こそ、私の思っていることにぴったり合った。

低空飛行気味の私ではあるが、うれしかったことを思い出し、心がほころんだ。


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