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「ミュージカル俳優・竹内涼真」がすごいぞ!!


竹内涼真くんを応援すること4年。
爽やかさの頂点のようなルックスに加え誰からも愛される人懐っこい性格、イベント等でのファンへの神対応、挫折を乗り越え強い意思で逞しく芸能界を泳いでいく姿勢、進化し続ける演技力。
全てに魅了され、同世代ということもあり勝手にどこか身近な存在に感じ、激しく推し続けている。

そんな私がずっと願い続けてきたのが、
ミュージカルに挑戦してほしい、ということだった。
まさか、こんなに素晴らしい舞台を観られる日が来るなんて。

無事に東京公演を終え、兵庫でのツアーが始まったミュージカル『17AGAIN』。

私は6月4日、6月6日の東京千秋楽を観劇した。
そして、このミュージカルについて、
涼真くんの快進撃について、
書かずにはいられなくなった。


①ミュージカルの世界初演を日本で行う意義


まずは、この作品の特徴と強み、日本で上演されることの意義について述べておきたい。

17AGAINは、日本でもヒットした2009年の同名映画が原作だ。
実績のあるミュージカルのクリエイターチームが集まり、ブロードウェイでの上演を目標に2012年から練り上げられてきた作品だという。

その上演権を、日本が取った。コロナの影響で海外のエンタメがストップしたこともあるが、ワールドプレミアが日本で行われるのは異例中の異例である。
この作品が今後ブロードウェイに進出できるかどうかは、日本公演に全てかかっているということだ。

原作映画に主演したザック・エフロンといえば、ハイスクールミュージカルやヘアスプレーでイケメンミュージカル俳優の名を轟かせ、近年でもグレイテストショーマンに出演するなど、甘いマスクと歌唱力、演技力が世界に熱狂的なファンを生み出している大スターだ。
この映画もザックに当て書きして作られたというから、彼の役を日本人がやる難しさは一目瞭然だ。

そこで白羽の矢が立ったのが涼真くん。まずこれがすごいこと。
さらに、この企画自体「竹内涼真にぴったりな題材を」から始まっている。NY在住のライセンススタッフは、アメリカでも放送されている朝ドラに涼真くんが出演したために彼を認識していたという。
なかなか首を縦に振らない現地のプロデューサー達に対し「日本のトップスターが主演するから」という言葉が決定打になったのだそうだ。

これだけ期待値の高い新作ミュージカルの初演を、日本のカンパニーがやる。
主演のオリジナルキャストを、涼真くんが務める。
それはすなわちどういうことか。

作品がヒットした場合、その後数年に渡って再演されることになる。年月が経ち場所が変わればキャストも交代する。後に続く人々はオリジナル版の演出や芝居を参考にする。つまり世界で上演される度、オリジナル版が話題にのぼる。
"『17AGAIN』のオリジナルキャスト"という名誉は、世界中の誰もが逆立ちしたって手に入れられない涼真くんだけのものになり、この先ずっと彼の勲章になるのである。

ブロードウェイミュージカルファンとしては、プロデューサーや尽力された現地スタッフの並々ならぬ努力と熱意、そして彼らを動かしたのが「日本のトップスター竹内涼真」だという事実に、鳥肌が止まらないのである。


②日本で新作ミュージカルをやる難しさ


ただし、上演するのは日本。ここからはまた違った問題が浮上する。

原作があるとはいえ、ミュージカルとしては全く無名の作品。クリエイターもそこまで有名なわけではなく、超大物俳優や大人気アイドルが出るわけでもない。
そんな環境の中、ミュージカルへのハードルがまだまだ高い日本の観客に対して有効な宣伝文句はただひとつ。

「竹内涼真の初舞台・初ミュージカル」だけだ。

彼の役は3時間出ずっぱりで歌いっぱなし、様々なジャンルのダンスや、本物のボールを使った迫力のバスケシーンまである。そして当初の予定にはなかった、35歳の冴えない中年太りと17歳のスター選手の演じ分けまで課せられている。

さらに涼真くんは、初日の約1ヶ月前まで大規模なゾンビドラマの主演として過酷な撮影の日々を送っていた。映像演技と全く異なる世界にゼロから挑戦するのに、稽古時間はあまりにタイトだ。

そして、このコロナにより吹き荒れる演劇界への逆風。チケットが売れない。売れても直前で席に穴が空く。1人でも感染者が出れば即中止。マスクで互いの表情が見えない中での稽古。当然飲み会で親睦を深めることもできない。何よりも感染対策。対策。対策。
現場はどうしたってピリピリするだろう。


③全てを1人で背負った俳優・竹内涼真


ここまで想像して、座長・竹内涼真のプレッシャーはいかばかりか。
それを、彼は全て見事に跳ね除けてみせた。

歌、ダンス、芝居、全て申し分ない。

それどころか歌は、初めてにしては上手い、レベルではない。日々それなりの数のミュージカルに触れている私から見ても、目を見張るような素晴らしい歌声を披露した。これまでイベントやライブで何度も生歌を聴いてきたが、その頃とは別物で、明らかにミュージカルの発声をマスターしている。声量も半端ではない。

太く深くまっすぐで、安定感のある声。
以前から思っていたが、涼真くんはかなり耳がいい。ほとんど音程を外さないから安心して聴ける。
高音域で声を張る箇所は、YouTubeで公開された稽古やゲネプロ映像では多少苦しそうに見えたが、それも本番では見事克服し余裕でクリア。全て地声で美しく歌いきった。

でも、ただ上手いだけではないのだ。
ミュージカル俳優として、他の人が真似したくでもできない涼真くんとっておきの武器がある。

今の日本をときめくミュージカル俳優の方々は"プリンス"と称される通り、どちらかというと顔や佇まいに中性的な柔らかさがある男性が多い。
そして主役をはるスター俳優達の世代の中心は30〜40代、またはそれ以上だ。

そこへきて涼真くんという刺客は、肉体も精神もれっきとしたスポーツマン。フレッシュな20代。
線の細い文化的なイケメンより、明るく健康的な"ハンサム"という言葉が似合うような、正統派の男らしさをまとっている。
鍛え上げられた大きな身体、大きな動き、大きな声は、正しい舞台演技として確実に発揮されており、全てが映える。

ところが歌い出した途端、観客をグッと引き込む色気が爆発するのだ。キラキラと潤んだ瞳が少年のようでもあり、包容力のある声が成熟した大人の男性のようでもあり、全世代の人を魅了する。
そう。彼の武器は、まさにその逞しさと甘さの絶妙なバランスなのである。
どちらも完璧に持ち合わせるミュージカル俳優は、今の日本では稀ではないか。

さらに、これまでにドラマや映画で培った繊細な演技力を歌の中にも存分に表現してみせ、笑いも涙もかっさらう。一方で、デュエットでは相手をしっかり引き立て寄り添う。非常に器用で視野が広い。
マイク / マークとしてのキャラクターと、涼真くん本人の人柄がバランスよく滲み出る、この上なく魅力的な人物だ。

元々の素質はもちろんのこと、彼は一体どれほどの練習を積んだのだろうか。

映像演技では本番の1回に全力を尽くすが、毎日毎公演同じクオリティのものを出し続けるというのはまた違う次元の難しさがあるだろう。
しかし彼は、私が1回目に観た日からたったの2日で、更なる成長を見せてきた。唖然、としか言いようがない。


座長・竹内涼真に驚くのはこの先だ。
彼はミュージカルに関して最もキャリアが短い立場にも関わらず、中心に立って先導し、常にカンパニーを鼓舞していることが舞台を見て一瞬で感じ取れたのだ。

難しいけれどやることは基本的には変わらない、と涼真くんはインタビューで話していた。
これまで主演を務めてきたドラマや映画と同様に、大切なことを貫いてきたのだろうと想像する。

舞台はナマモノだ。テレビや映画等の映像作品以上に、カンパニーの雰囲気は作品の質に大きな影響を与えると私は考えている。どんなに実力のあるチームでも、モチベーションが低いと観客には瞬時に見破られるのだ。

チーム17AGAINは、アンサンブルやバンドを含め、熱いエネルギーでひとつになっていた。その中心で発光しているのがキャプテンだった。
先輩達に支えたいと思わせ、後輩達についていきたいと思わせる彼の人間力。
"初舞台"なんてハンデは彼にはもはや必要ない。皆の愛と信頼を一身に受けてセンターで輝く姿には、貫禄すら感じられた。
それは、皆を助けるマイクの人物像そのものでもあった。



最後に、作品全体や他の出演者にも言及しておく。

ディズニー作品も多く手掛けてきたコンビによる楽曲は、ハイスクールものらしくノリノリなダンスミュージックが多いが、同様にバラードも素晴らしかった。近年のヒット作のトレンドを着実に押さえており、全曲キャッチーで美しい。
ミュージカルは、音楽が全て。曲がよければ誰でも楽しめる。これは、初めてミュージカルを観るという方にもとても易しい導入だ。

複雑な物語を上手くまとめ、映画ファンも喜ぶこと間違いなしな脚本、訳詞も心地よく、照明をはじめとするエネルギッシュな演出、集めるのが相当大変だったと思われるスターウォーズのマニアグッズ等の小道具などなど、細部にまでこだわりと愛を感じられた。


体も心も動き回る涼真くん演じるマイクに対して、常にどっしりと構えてマイクの全ての原動力となる妻スカーレットに、ソニンさん。涙を誘う情熱的なソロ曲はもちろん、くたびれておばさんっぽくなってしまったけれどそれでも女性としての凛とした美しさを漂わせるセリフの喋り方が死ぬほど上手い。なぜマイクがスカーレットのために、あそこまでするのか。その根拠を全身全霊で表してくださった。

ミュージカル初挑戦だという桜井日奈子ちゃんと福澤希空くんも、安定した歌声が素晴らしく、フレッシュにエネルギッシュに物語を盛り上げる。目が離せない。

宝塚トップスター時代を思い出すかっこよく美しい校長の水夏希さん、おバカだけど愛らしくてたまらないスタンを好演する有澤樟太郎さん、
そしてこの物語で最もチャーミングなネッド役のエハラマサヒロさん。涼真くんを力強くフォローしながらエッジの効いたアドリブと伸びやかな歌声でビシッと引き締めてくださった。

その他、様々な役に扮するアンサンブル、スイングの皆さんも一人一人が魅力的で、きちんと細かい設定があり、耳を澄ますと面白いアドリブを常に繰り出している。お気に入りのキャラクターを見つけて思わず目で追ってしまった。


ライブ配信も行われた、東京千秋楽の会場の様子を少し紹介しよう。
冒頭のシーンから、空気が違う。私は2度目の観劇だったが、マイクが暗闇から登場した瞬間、頭の先から鳥肌が立ち、震えた。ビリビリと肌に感じるほどのエネルギーだった。
エハラさんをはじめアドリブや歌にも熱がこもる。
涼真くんは、台詞を一度も噛まず、音程を一度も外さなかった。何が起こるか分からない舞台では、これは決して当然のことではない。その上で、楽しんでいた。
クライマックスは熱量が最高潮に達し、涙なしには見られなかった。完全無欠な千秋楽だった。

カーテンコールでは、規制退場のアナウンスが流れても鳴り止まない拍手と3階席までのスタンディングオベーションに、観念したかのように4度目の登場で挨拶。ここまで完璧なパフォーマンスをしておいて、涼真くんは真剣な眼差しで「まだまだ進化し続けます」と言いきった。


生でしか感じられない、火傷するような、心の芯を突き刺すような熱さを受け取った。
この伝説を2回も堪能できたことを誇りに思う。
今もメロディが頭から離れず、思わず口ずさんでしまうほどだ。
兵庫、鳥栖、広島、名古屋公演も最後まで無事に走り切れることを心から祈っている。

簡単に「観てください」と言えない世の中なのが歯痒いが、劇場の感染対策は万全だ。私達観客がしっかりとマナーを守れば、安心安全の場であることは間違いない。

だから敢えて声を大にして言おう。
涼真くんの一世一代の、そして日本のミュージカル界を変えうる偉大なる挑戦を、状況が許す方はどうかその目で見届けてほしい。



おまけ: 涼真くんのミュージカル次回作予想

今後、涼真くんにはミュージカルのオファーがどんどん来るだろうから、願望も含めて彼に合いそうな作品と役柄を挙げてみる。
前述したように、"皆から愛されるスポーツマンでフレッシュな魅力が爆発する役"は日本において涼真くんの専売特許だ。もっと見たい。
なお、涼真くんを今後主演以外に配置するのは難しいと思うので、若い男性が主人公のものを選んでみた。


・『Catch Me If You Can』

原作は、ディカプリオとトムハンクスによる実話を元にした2002年の大ヒット映画。2009年にミュージカル化され、トニー賞にも4部門ノミネートされた。

天才的な頭脳を持つ孤独な少年が、パイロットや医者、弁護士など様々な職業に偽装し天才詐欺師として活躍しながらも愛を求め続ける、華やかながら切ないストーリー。

日本初演は、シアタークリエにて松岡充さんが主演した2014年。2015年には宝塚雪組で紅ゆずるさんが主人公を演じている。

私はブロードウェイオリジナルキャスト版が大好きなのだが、終始派手で楽しくキャッチーな楽曲、主人公のイケメン大コスプレ大会、ある女性との愛と別れ、そして敵であり父のようでもあるFBI捜査官カールとの絆…など見所が満載だ。

そしてディカプリオが演じていた主人公フランクは、ベビーフェイスでお調子者、でもひどく寂しそうな目をしている美青年。何の制服を着てもめちゃくちゃ似合う。
はい涼真くんにぴったり。彼に合いそうな楽曲も多いので、ぜひ実現してほしい。

作品のイメージが分かりやすいのはこちら↓
https://youtu.be/QGz3oKATJso

オリジナルキャストのAaron Tveitによる歌唱。クライマックスで歌われる切なくも晴々しい名曲。涼真くんに歌ってほしい。
https://youtu.be/o6jUPtoZPdQ



・『GREASE』

1978年にジョントラボルタ主演で映画化もされた大ヒットミュージカル。
皆大好き学園青春もので、主人公ダニーはリーゼントにパツパツの白Tに黒い革ジャン、学校のキングというめちゃくちゃカッコいいビジュアル。
50年代アメリカの車やファッションや音楽が散りばめられた最高にハッピーな物語だ。
ダニーのキャラクター的にもぴったりだし、涼真くんの肉体美を思う存分楽しめる作品になるだろう。

今年11月にシアタークリエでの上演が予定されており、有澤樟太郎さんも出演する。しばらく再演はないだろうが、いつか実現してほしい。

こちらはFOXでお正月特番として、生放送でミュージカルをやるという企画の時の映像だ。
(個人的にAaron Tveitの大ファンなので敢えてこちらをチョイスしました)
https://youtu.be/aoEgWfzM2cM


ミュージカル俳優・竹内涼真くんの今後の活躍も楽しみにしている。


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