『わたしの美しい庭』を読んで
凪良ゆうさんの作品は、『流浪の月』で知った。その時に、ああ、とても好きだなって思った。
名前のつけられない大切な関係があったっていいんだ、と「うんうん、そうだよね」とどこか許されたような気持ちになった。
そこから気になる作家さんになって、
二作目に『わたしの美しい庭』を読んでみた。
ああ、やっぱり、この人の書く作品大好きだ。
改めて、強くそう思った。
離婚した妻の再婚相手との子どもを育てることにした統理と、その子どもである百音。
統理は、翻訳家の仕事をしつつ、マンションの屋上にある神社の宮司としての務めもこなし、さらに百音を育てるというトリプルワークをこなしている。
この屋上にある小さな神社というのが、手入れの行き届いた美しい庭のようなものなのだけれども。
まぁーーー、このマンション住みたい!って思ったよね。
作中では、縁切り神社なんて言われたりしてるけど、暑い夏はそこでスイカ割りしたり、冷たいアイスティーを呑んだり、なにその素敵空間!と心底羨ましくなった。
その美しい庭に魅了されるのはもちろんなんだけど、出てくる人物たちもみんなどこか近くに住んでるような、知り合いの知り合い?くらいリアルな人々が出てくる。
本編は統理と百音を中心に、その近くにいる人々のオムニバスの物語で構成されていて、きっと心に深く刺さる話があるはず。
きっと人によって、どの人の話が好きか違うんだろうなぁ。
私は一番、坂口基くんに共感したなぁ。
凪良さんの作品って、人に向ける視線がとことん優しいなって感じる。
読んでて、弱い自分や人に胸張れない自分の一面も許されてる感じがするんです。
これからも、心のバイブル本になりそうな一冊。
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