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バレンタインデーの4歳 

息子4歳、保育園で同じクラスの女の子から、生まれて初めてバレンタインのチョコをもらった。

保育園では渡しにくいからと、スイミングの習いごとで一緒になる時に、着替えを手伝うママの影に隠れながら渡してくれた。

息子の着替えを手伝うためにその場にいた私は高まる気持ちを最大限に抑えながらお礼を言いつつ、少し照れてどんな行動をして良いか分からない息子の代わりにお礼を言い、受け取った。そんな私を見た息子も、ありがとうとお礼を言った。

ポケモンがたくさん描かれた小さい紙袋に小袋のチョコが入っていて、ピカチュウのキーホルダーが付いているものだった。

息子は帰路の車内で早速バリバリと袋を開け、かわいいねぇと言いながらピカチュウを愛で、チョコをパクパク食べた。

嬉しい気持ちに浸ったり、なんとなくもったいない気持ちになったりしてただ開けるのを躊躇ってしまいそうな私とは違い、息子の振る舞いはサッパリしていて、少し驚いたが見守っていた。

なんだか、親としてはこの出来事が感動で。
自分から産まれたこの子が。あまり自己開示が得意ではなく自分からお友達の輪の中に入れないこの子が。自身の力でお友達と関係を築いたことで、好感を持ってもらえて、それを形として表してくれる子が現れて。そのやりとりを目の前で見ることができて。
最高すぎない?

普段明るくてはしゃいでるその女の子を知ってるので、すごく恥ずかしそうにママに隠れてチョコを渡してくれたその子が可愛くて可愛くて。ありがとうと言われて嬉しそうにママと目を合わせていたその子に、ありがとうと言葉では普通に、心では暑苦しく伝えた。

そんな親の暑苦しい心境を知る由もなく、息子はその5個入りのチョコクランチを家までの帰路で完食した。

ピカチュウのキーホルダーは、息子の休日用のリュックに付けた。

その女の子からの思いは、数ヶ月先には変わってしまうかもしれない。
息子も、この出来事を忘れてしまうかもしれない。
でも母親の私にとっては、このピカチュウ見るたびに思い出す嬉しい思い出となった。


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