見出し画像

結局は生き様で表すしかないと思った

先日、父に家の本棚を作ってもらった。
父は一級建築士で大工仕事も行う。
田舎の小さな建設会社の社長。社員は親戚のおじいちゃんが数名しかいないが、これでも3代続く建設会社だ。

壁にぴったりはまるサイズで作った本棚を、設置していく。手際が良い。
「うまくいくように段取りしてきたからな」
と言う父。そういえば昔から「段取り」ってよく言ってたなぁ。

黙々と設置して、「よし、完璧だろ」とか言って、作業を終えた。

住んでいるこの家も、父が建ててくれた。
私と夫とで、間取りや要望をたくさん伝えて、父はそれを形にしてくれた。
「俺史上最高傑作の家だ!」言っていた。 

家を建てている時も、本棚を作っているときも、父の作業姿を見ていた。
白髪でハゲているおじいちゃんになったなぁと同時に、かっこ良いなぁと思っていた。

子供の頃の父の印象は、「家でずっと寝てる人」だった。とにかく家では専用の座椅子にずっと座って動かない。そしてなんか食べてるなと思ったらその後寝てる。そんな印象。 

生活のケアとかしつけとかそういったものは全て母が担当してくれていたので、子供の頃の父との接点はそんなに多くなかった気がする。

大人になって、仕事をするようになり、仕事の楽しさも大変さも自ら体験するにつけ、父のすごさが分かってきた。
仕事を取ってきて、打ち合わせを重ね、お客様の満足行く家を建てる。責任ある最高にかっこいい仕事だなぁ。

仕事をしていない時の父は、1人の時間を楽しんでいる。多弁ではなく、ぼーっとしていたり、本を読んでいたり、時にはゴルフに行ったりしている。父からなにか積極的に教えられて記憶はない。

でも今私は、父の生き様がなんだかいいなと思っているし、本もけっこう読む。

1つ、印象的な記憶がある。
父に、私の結婚相手の条件を聞いた時の話。(父は娘の私をラインのトップ画にするくらいには私を可愛がっている)

私が選んだ人ならいいと思うけど、あえて言うなら、と2つ挙げた。
1.家族と仲が良い人
2.声が良い人

声が良い人?!
「バカお前、結婚するなら毎日一緒に過ごすんだから、甲高い声だったらキツいぞ」と。
変わってんなぁと思った。

幸い私は、父の挙げた条件にも合致する人と結婚でき、子供を2人授かることができた。

子供との生活で、伝え方に迷ったり、言ったことを後悔したりなんて毎日のようにある。
でも、何を言っても、結局は生き様を見せるしかないんだよね。「子に何を伝えるか」ばかり考えてしまうけど、「自分がどう生きるか」が何より大事。
それが長年に渡って効く、最高に説得力のある教育法だと思った。
父を見て、そう思った。

ということで、今日も家族に自分の人生を楽しんでいる姿を見せて過ごそうと思いました。
それが難しいんだけどね!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?