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【イベントレポート】岩田屋三越×EPISTROPH ホワイトパーティー 2018

6/9(土)に福岡・天神で開催された「岩田屋三越×EPISTROPH ホワイトパーティー 2018」。

"音楽・アート・ファッション・FOOD・DRINKに囲まれて仲間たちとクールに味わうホワイトな空間"をコンセプトに、出演アーティスト、スタッフ、そしてお店全体までも一面真っ白になった「岩田屋三越」は、いつも福岡の街に馴染みのある老舗のデパートのそれとは一風変わった、よりエレガントな空間で、街ゆく人々誰もが今の音楽シーンを自然と体感できる最高なパーティー会場へと様変わりした。

今回のパーティーでの音楽、フードケータリング、空間演出、デザインのすべてを手がけプロデュースしたのは「epistroph」のチームらしく、音楽とファッションを軸にハイクオリティなライフスタイルを提案していくレーベルにふさわしい、一日限りの魔法にかかった岩田屋三越の上品なイメージチェンジが垣間見えた。

最も注目とされたのはその出演アーティストの面々で、「WONK」擁する「epistroph」のレーベルアーティストをメインに、卓越したメロディーセンスのビートメイカー「Sweet William」、福岡を拠点にもつシンガーソングライター「Kiki Vivi Lily」、次世代DJの筆頭「Licaxxx」、力強いリリックの注目シンガーソングライター「iri」など、そうそうたるメンバーが集結したことだ。

全国で今の音楽を盛り上げる彼ら彼女らが、普段はショップとして入っている各店舗の一画で、「epistroph」の完璧に整った空間のもと、フリーのライブを敢行。これは福岡のカルチャーシーンの歴史的瞬間でもあり、何しろ福岡在住の私としてはこれほど感動収まらないほど、貴重なひとときだった。

今回はそんなスペシャルな模様を撮り収めた写真をもとに、レポートしていきたいと思う。

2018年6月9日は、梅雨入りしたにもかかわらず涼しげな心地よい一日だった。

福岡市きらめき通りにたたずむ「IWATAYA」の文字がシンプルな、福岡の誰もが知っている地元の老舗デパート「岩田屋本館」では今日、「岩田屋三越×EPISTROPH ホワイトパーティー 2018」という貴重なイベントが開催される。

会場前では、福岡・薬院のおしゃれなコーヒー店で有名な「REC COFFEE」がワゴン車で出店されていたり、ターンテーブルが設置されているなど、われわれ福岡の人々の目に何やら面白そうなイベントが開催されると期待が高まる。

「岩田屋本館」の玄関入り口では、雑多に貼り紙が貼られたモニュメントが置いてあり、その中には出演するアーティストの写真、「epistroph」が輩出してきた音楽のアートワーク、出店店舗のロゴなどが掲げられている。

Promise, I'll never say sorry.の文字。

会場は玄関前の1階きらめき広場と、本館2階のリアルスタイル、本館3階のリ・スタイルに分かれており、期待を馳せながらエスカレーターで登っていくとスタッフ皆、会場、その他こまかな小道具に至るまでホワイトパーティーの名前通り、白色に統一されていて、普段とは違うデパートの雰囲気に期待が高まる。

CDジャケットのデザインやイラストデザインも手掛ける江崎文武[WONK keyboard]がこの日のためにデザインした、福岡県民にはなじみ深いシルエットの「NIWAKA FACE DESIGN」。

開始される13時直前、3階に上がるとWONKのボーカルKent Nagatsuka[from WONK]がリハーサルをはじめていた。この時の写真は収めていないが、はじめてみるWONKのきらめきに私の期待は万全となった。

13時を過ぎると、3階フロアのターンテーブルに一人のアーティストが立ち、まだ観客数も疎らな中、その確かな暖かみのあるブーンバップサウンドで会場を包みはじめた。「epistroph」所属のビートメイカー「dhrma」だ。

「dhrma」のサウンドで会場がだんだんとよいバイブスに向かう中、スタートから見に来ていたオーディエンスの体もゆれていく。

同じくヒップホップサウンドで揺らす2階フロアの「NOSK」。

通行人の目にも入る1階フロアではAyatake Ezaki[from WONK]がパーティー外部でも着実に、人々の琴線を緩やかにあげるようにDJを行う。

実際に、一見関心の無さそうなお年寄りやさまざまな年齢層の人々も、一度立ち止まったり備え付けの椅子に腰掛けてみてみるなど、気になっているようだった。

3階フロアでは「dhrma」に続いて、次は唾奇との共作「Jasmine」で話題となったビートメイカー「Sweet William」の出番が来た。ヒップホップサウンドの持つ力で、だんだんと観客も増えてきた。

続いて同3階フロアでは「NIWAKA FACE DESIGN」を着用した姿がよく似合う「ballhead」。「epistroph」から昨年輩出した最新作『WEDO』など、骨太さと儚げさがマッチするヒップホップサウンドが持ち味のビートメイカーだ。

2階フロアのArata Hikaru、1階フロアのKento NAGATSUKAが颯爽と準備を続ける。時刻は14時を回り、会場の雰囲気は静かな盛り上がりを見せてきた。

2階フロアの「kiki vivi lily」。Arata HikaruのバックDJのもと、シティポップサウンドの彼女の甘い歌声は多くのオーディエンスを魅了させた。

代表曲である「唾奇 × Sweet William / Good Enough feat. kiki vivi lily」では会場はさらに盛り上がり、彼女の白色にまつわる服のMCでは暖かい談笑も聴けた。

3階フロアではお待ちかね、DJ「Licaxxx」が登場。オーディエンスの数はショップの一画では足りないほどの賑わいをみせ、これはパーティーなのだとみなに再確認させるほど、上品なハウスサウンドやLicaxxx自身の魅力で会場は大盛り上がりをみせる。

「Licaxxx」の背中が大きく見えた後ろ姿からのぞくことができた、オーディエンス。

2階フロアの福岡のヒューマンビートボクサー「BATACO[Beat box]」。彼の作り出す魅惑の"音"に皆が酔いしれていた。

1階フロアから熱いディスコ・ソウルサウンドを奏でる「Kent Nagatsuka[from WONK]」。

彼は今回、フレンチ・シェフとしての顔も取り入れて特別にフード・ケータリングをプロデュースしていたのだが、DJ中、いただいていたであろうお客さんから味の感想をもらっていた際の彼の顔をみた時、今回のパーティーは成功したのだと影ながら感じた。

2階フロアの「yosuke」。FKJが響く空間は統一された白の空間をさらに引き立たせる。

1階フロアの「STMWLL[from WONK]」。

そして3階フロアでは遂に「iri」の出番が。WONKをバッグバンドにスペシャルな「会いたいわ」を歌う彼女をみて、パーティーがもうすぐ終わる哀愁のようなものを感じた。

今回行われたパーティー「岩田屋三越×EPISTROPH ホワイトパーティー 2018」の後は、福岡の気鋭のイベントスペースUNION SODAでも「EPISTROPH NIGHT FUKUOKA」として夜も開催されていた。

東京を拠点とする一レーベル「epistroph」が6/9の福岡を丸一日ジャックしたのは、間違いなく事実であった。

それだけ「epistroph」の仕掛けたすべての演出は素晴らしいものだったと言えるが、彼らはつまり音楽やファッションはハイクオリティを極めれば、これだけ多くの人々の心を動かせると教えてくれたのだ。

それを気付かせてくれたすべての関係者の皆さまには本当に感謝したいと思う。これだから、カルチャーはやめられない。

(大坪 磨亜久)

【岩田屋三越×EPISTROPH ホワイトパーティー 2018】
日程/2018年6月9日(土)
時間/13:00 – 17:00
会場/岩田屋本店
住所/福岡県福岡市中央区天神

http://www.i.iwataya-mitsukoshi.co.jp/real/event/whiteparty18/