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ありのままの姿へ『nude』

ぼくたちの「ありのまま」の姿とは、いったいどこにあるのだろうか――。

福岡・六本松の楠田商店さんで4月22日(月)から4月28日(日)まで、Ai Matsumotoさんの写真展 『nude』が開催されていた。

福岡を拠点として活動しているフォトグラファーのAi Matsumotoさんは、女の子の日常をメインのテーマとして活躍されている方で、昨年から福岡・薬院のChai Tea Heronさんでの開催を第一回目として個展をスタートするなど、いま街にとって目が離せない注目のフォトグラファーの一人。

今回のイベント会場である自然豊かな楠田商店さんとAi Matsumotoさんはお知り合いの関係とのことで、開催されているとのこと。

会場でAi Matsumotoさんの写真を見たときにはまず、共感としての素晴らしさがあった。それは友達と共有する時間の楽しさが、写真によって伝わってきたから。朝、夕刻。家、外。気の合う人と一緒にいればおしゃれなところも、たとえサイアクな場所であっても、どこにいたってずっと楽しい。そんな気分を思い出させてくれた。

そして二つ目。今回のテーマでもある裸の写真のメッセージ。作品からは普通(多数)か普通じゃないか (少数) に常に晒されているいま、それから平静を装うように「個性」や「自分らしさ」を振りかざして、着飾ったり、無理くり作り出した特技で固めている現代に、あえて似ているようで違う「ありのまま」の提案の印象を受けた。

それはヌードという表現を通して、元々ぼくらはみな生まれたときは裸だった部分と、ウザったい世界を文字通り取り払ってまっさらな裸となっている部分を重ねて、人々に「そのままでいい」というメッセージ。

彼女たちからはそんなメッセージを受けている感じがして、畳の床の小さなアトリエの中はとても平行な世界というか、今人類に必要な愛に満ち溢れていたような気がする。

(大坪 磨亜久)

"心も身体も丸裸にして
今の自分と向き合い
ありのままの自分を愛せるように"

【Photo Exhibition "nude"】
期日:2019年4月22日(月)~4月28日(日)
場所:楠田商店
(福岡県福岡市中央区六本松4丁目6−26)
営業時間:10:00~19:00