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【いたくないもん④】

「先生には、私が言っといたからね。ついてきてくれてありがとう」

そうじのおばさんが言いました。

「いやだいやだ。はいしゃなんかにいかないやい」

リスのクリスはガタガタふるえています。

「だいじょーぶだよー」

ニコちゃんが言いました。
ちょうどその時、ニコちゃんのお母さんが、前から歩いてきました。

「あら? どうしたの? こんなところで。ニコがいつもおせわになっております」

お母さんはペコリとおじぎをしました。

「こちらこそ、ニコちゃんにはいつもリスのおせわのお手伝いをしてもらっているんですよ。今日も今からクリスの歯を治しにいこうと思いましてね、ニコちゃんがついてきてくれるって言ってくれましてね。はいしゃさんキレイキレイしてくれるんだよねー」

そうじのおばさんが言うと、ニコちゃんはドキリとしました。

「あら? ニコ歯医者に行けるよういなったの? いっつもいやだいやだって言うのに。じゃあかえったらニコもいきましょうねー」

ニコちゃんはこわいかおになりました。
そうじのおばさんとニコちゃんは動物びょういんにはいっていきます。二人は長いいすに座ってまちました。

「ねーリスさんさわりたいなー」

ニコちゃんがいいます。

「あらそう? もうちょっとで呼ばれるから、少しだけね」

そうじのおばさんはゲージからクリスを出しました。
すると、ニコちゃんはクリスを頭の上にのせました。

「こちらの用紙にご記入おねがいします」

そうじのおばさんは、受付のお姉さんに言われて紙に書いていると、ニコちゃんはそのまま外にとびだしました。

クリスはニコちゃんの頭の上でうずくまります。

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