【映画評】 宮崎大祐《ニンゲン三部作》 (1) 『Caveman’s Elegy』トートロジーとしてではなく
《ニンゲン三部作》は、井出健介の歌「人間になりたい」から着想を得た短編三作品であり、音楽を源とする短編集と言ってもいいだろう。かつて音楽を主題にした映画フェス(現在もあるかもしれない)MOOSIC LABがあったが、宮崎大祐監督にかかるとこんなにまでも社会論的、存在論的深度に満たされた作品になるのかと、わたしは驚きと感動を隠せない。
以下、三作品の感想を書くのだが、いくぶん長くなりそうなため、2・3回に分割して掲載したい。
《ニンゲン三部作》は次の三作品からなる
『Cav