【映画評】 宮崎大祐『#ミトヤマネ』…「ミト」論・本章(1)
本稿は
《宮崎大祐『#ミトヤマネ』…「ミト」論・序章…遠近法による一元化》
の続編です。
本章(1)
序章では天皇表象における遠近法による意味の一元化について述べた。ただ、序章で述べたのは日本の新聞写真上の「天皇夫妻の写真」における〈遠近法〉による意味の一元化ということであり、わたしはイメージにおける〈遠近法〉の危険性を指摘したまでである。そこでの〈遠近法〉の要旨は、たとえば射影幾何学の、視覚の円錐の頂点から世界へと射影する主体への付与であり、集団無意識(=国民)の奥底で