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ポエトリーリーディング「ローション風呂溺死事件」

動画59分から読んでます。
こちらで、勝ちました。まさか勝てるとは思っていなかった、読みたかったから読んだ、というのが本音です。
バイブスと韻全開の話じゃないと自分は勝てないと思っていたので新しい扉が開けられました。
このあとの敗者復活戦決勝で負けてしまったので全国大会には進めませんでしたが、今後に対して希望の持てる一夜となりました。

本文

2020年2月1日のニュースです。
今朝未明、東京都江東区在住の粗井言動氏が心停止の状態で都内病院に搬送され、死亡が確認されました。
死因は泥酔状態でローション風呂に入ったことによる溺死、とされ、
当日現場にいた関係者に対して警察による事情聴取が行われています。
厚生労働省は、泥酔した状態での入浴は全身に急激にアルコールが回るため危険で、冬は交通事故以上に死亡事故に繋がる。まして、ローション風呂は周囲の人が救助する際に滑って助け出せないことや、転倒など二次被害に繋がる可能性もあるため、絶対にやめてほしい、と通達しています。
なお、最近懸念されている新型ウィルスの感染者は確認されていません。

2020年3月1日のニュースです。
先日報道されたローション風呂で溺死した男性及びその関係者を調査したところ、ローション風呂に入浴した人は新型ウィルスに感染がなく、入浴しなかった人は感染していたことが判明しました。
また、芸人や風俗店勤務などローションを多用している人を調査したところ、全員からウィルスに対する高い抗体値が検出されました。
これを受け政府は、ウィルスの予防策としてローションが有効であると発表しました。ローションの粘りに、ウィルスが絡め取られ、体内に入る前に死滅すると考えられています。


こちらは江東区役所です。
緊急事態宣言が発令されています。外出は極力控えましょう。外出の際は顔や手にローションの塗布をお願いします。


2020年5月1日のニュースです。
ローションの買い占め、転売が問題となっていることに対し、政府から配布された通称アベローションですが、ラブホテルから買い上げた小袋ではないかと批判が集まっています。

店舗入口にローションの設置が当たり前になったことによる転倒事故が多発しています。女性に人気の滑りにくく可愛い安全靴はこの後特集でお送りします。

粘液を出すヌタウナギが人気を集めています。ヌタウナギの産地として有名な石川県や新潟県ではぬるぬるしたヌタウナギ御守り、お饅頭、ぬいぐるみなどが売られています。スタジオにも大きなヌタウナギちゃんに遊びにきていただきました!


2021年2月1日のニュースです。
新型ウィルスに対するワクチンの接種が開始しました。これにより人類は恒久的に粘性を獲得できます。
自治体によって現在、
ぺぺ社
テンガ社
ソフトオンデマンド社
の選択があります。
ソフトオンデマンド社は副反応が強いと言われており、
国産で実績もあるオカモト社の開発が望まれています。
一方で反ローション派による反対も続いております。デモ活動の中継です。
「遺伝子操作はやめろー!人間に乾く自由をー!」

2022年7月8日のニュースです。
本日午前11時半、安倍元首相が選挙演説中に銃撃された、との情報が入ってきました。ローションによって銃弾が逸れたため命に別状はないとのことです。

2022年11月15日のニュースです。
世界人口が80億人を超えました。
日本でも緊急事態宣言中のローションの普及により性交渉の回数が増え、2021年、2022年の出生率が大幅に向上しています。
少子高齢化問題も改善し、経済も上向くと目されています。


あの日俺が死ななかったから、
そういう話にはならず、
俺たちは今日も乾いた心を言葉で潤すんだ。


2020年1月31日の夜に、ベロベロに酔っ払ってローション風呂に入ったことは事実ですが、以降はフィクションです。私は生きています。

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