見出し画像

004 Zagreb

Zagreb 2016

1月29日 スーツケースの破損が気になってしょうがないので保険会社に電話してみた。破損した箇所を写真に撮り、修理や買い替えのレシートを保管しておけば保険は適応されるらしい。入っておいて良かった。(この時入っていたのはH.I.S.の海外旅行保険を個人で保険単体申し込んでいた。)こういったトラブルもあるので長期で旅をする際は海外旅行保険に入っておいた方がいいだろう。--AM10:42

 Mestre行きの列車はS.Lucia駅を出発。10分弱で到着。ここからはバスでオーストリアのVillachに向かう。バスの乗り場がわからず右往左往したが、Mestre駅を出て道路を渡り、右手すぐにあった。ーーAM11:22@Mestre駅のバス停にて。

AM11:40 Villach行きのバスは定刻にやってきた。Coach1(1等)なので席は非常にゆったりとしている。ここから3時間半陸路で一旦オーストリアへと国境を越える。--AM11:52

PM2:39 ついに先ほどオーストリアに入った。シェンゲン協定加盟国なので特に入国審査もなく無事入国。ただ私のVodafoneは500MBを超えたため、今日はもう使えなかった。

1月29日 時刻は少し遅れてPM3:00過ぎ。Villachに着いた。

次に乗る列車はEC213、16:53発のEURO CITYだ。列車の席はコンパートメントといい、4~6名の個室となっている。日本ではあまりなじみのないスタイルだ。「1等の66・・・・1等の66・・・・」と口に出しながら、乗り物全般が好きな私は初めてのコンパートメントに少し浮かれていた。しかし列車が来るまであと約2時間。とりあえずお腹が減ったので駅でプレッツェルみたいなサンドイッチを買った。見た目は正直おいしそうには見えなかったが、(冷えていたので。)食べてみたら案外いけた。

 そうしているうちに電光掲示板にホームが表示されていたので、私は表示に従って3番ホームへ向かった。前のフランクフルト行きのECが遅れていたため、表示がフランクフルト行きのままザグレブ行きの私が乗るべき列車が来たので少し戸惑った。
 ドアを見ると「EC213」と書いてあったので、ドアの開くボタンを押そうと手を伸ばしたら、「そうだよ、その列車だよザグレブは。」と後ろから声をかけられた。驚いて振り返るとそこには車掌さんらしき人。全く何を言っているのかわからないが、ニュアンスとノリで私の席はどこか聞いた。教えてくれたように車内へ入り、席を見つけると誰もいない。

相席で映画「before sunrise」(邦題:恋人までの距離)のように誰かとの出会いを期待するのはムダのようだ。おとなしく初コンパートメントを独り占めしよう。列車はゆっくりと動き出し、薄い雪化粧の山々の間を縫って南東へと向かった。--PM5:30@ZAGREB行きEC213 seat66にて。

1月29日 列車はしばらくするとスロベニアに突入した。VodafoneがまたSMSお受信した。そのおかげで私が今どの辺にいるのかがわかる。

国境を越えると車掌も入れ替わるらしく、またチケットの検札に来た。ということはまたクロアチアに入ると3人目の車掌が現れるということか。車窓から見える景色ももうただの暗闇。食堂車に行きたいがあいにくこれは小娘のひとり旅。荷物をこのコンパートメントにおいて行ってもそれを見張ってくれる人などいない。先ほど軽く食べておいてよかった。ーー1月29日 PM8:14@DOBOVA

長時間同じ体勢だとついに腰が痛くなってきたので、どうせこのコンパートメントには私しかいないので3席使って横になることにした。気づいたら最後に時計を見たPM6:50から約1時間ほど寝ていたらしい。車掌が入ってきたので起きた。


「●▽@;。■~Passport! OK?」


最後だけ聞き取れた。きっと次の国境が近いのだろう。


 この10分後にこの列車はDOBOVAという駅に停車した。どうやらこの駅がスロヴェニアとクロアチアの国境らしい。それを証明するかのように役人らしき人たちが入ってきた。1人目の役人はクロアチアへの入国をチェックし、パスポートを見せると「どこまで行くのか、目的、いつEUに着いたのか」この3つを私に質問し、それらに答えるとスタンプを押してくれた。2人目はスロヴェニアの出国をチェックする人。パスポートの顔写真を見て出国のスタンプを押すだけだった。この駅に停車してからそろそろ10分経つ。いつ出発するのだろうか。--PM8:25


1月29日 列車はそのあとすぐ発車し、やがてZagrebに到着した。


私と同時に、まさにシンクロのようにZagrebのプラットホームに降り立った韓国人の同じくひとり旅をする女性Leeに出会った。

降りてからのものの数分で仲良くなったので、作りたての名刺を渡し、明日一緒に観光することになった。彼女も長期のヨーロッパ旅をしており、ついにここZagrebで旅を終えるのだという。最後の日に一緒に観光できるだなんて光栄だ。しかしはたして明日無事合流できるのだろうか。--AM0:15@Youth Hostel Zagreb

1月30日7:10起床。今日見て周りたい場所を調べ、9時に私の滞在するホステルの前で待ち合わせだ。--AM8:54

 Leeは10分ほど遅れてやってきた。

昨日のうちに調べたらしく、「市場に行こう!」と誘ってくれた。

しかしお互い手持ちにキャッシュがない。彼女はクロアチアクーナに両替しなければならないらしく、彼女が両替している間に私はATMでお金を5000円ほど(300kr)下した。まず我々が向かったのは聖母昇天聖堂

Zagrebの街はなだらかな丘になっており、その中腹にその聖堂はある。天高くそびえる2つのハザードは尊さを表すかのように名前のとおり天にも届きそうな高さだ。聖堂の細部まで丁寧な彫刻が施してあり、この聖堂への信仰の深さが伝わってくる。


 次に青果市場に向かった。

日本では果物は高く売られているが、ここでは安く、おそらくヨーロッパの中でも安いだろう。クロアチアはイタリアと違って物価が安い。この市場では果物、野菜、調味料、はちみつ、茶葉、ハーブ、そしておみやげも売られていた。二手に分かれ、私はマグネットとスーツケースに貼るシールを買ったり、写真を撮ったりした。--AM10:30


 その次に向かったのは、一応世界で一番短いケーブルカー

たった4kr(100円以下)で1分もしないくらいで上へ着く。上から見下ろすZagrebの街は最高の眺めだ。

 すぐそばで"All you need is love"と書かれたギターケースを前に置き、ケセラセラを弾いていたおじさんがいた。

そのおじさんのすぐまた先に、"Museum of Broken Relationship"という、日本語に訳すと失恋博物館があった。実はここ、日本にいるときから気になっていた所なので、Leeと一緒に入ってみた。

中には世界中から寄せられた失恋の品々が展示されており、とても興味深かった。中でも面白かったのが、展示されている斧に関するエピソードだ。

浮気した彼女を家から追い出し、彼女が自分の荷物を取りに来るまでの2週間、毎日一つずつ買ってきた斧でぶっ壊していくというものだ。よほどショックだったのだろう。斧を持っている本人を想像すると少し面白かった。

他にも初恋の相手に自分の働くアムステルダムの赤い窓の娼館で客とS嬢として再会し、その時相手を踏みつけたピンヒールがそのエピソードとともに展示されていたり。日韓の小娘二人で楽しんだ。

失恋博物館を出ると見えてくる、屋根にクロアチアのマークがある聖マルコ教会。

そこでなんと結婚式が行われていた。なんというハッピーエンド。失恋の次はウェディング。面白いことが起こるものだ。私たちは心の中でその二人を祝福し、石の門をくぐり、旧市街を散策した。

 私たちは歩きながらたくさん話した。お互いのこと、旅の想い出、、、二人とも母語ではない英語で頑張ってコミュニケーションを取っていた。

 お腹が空いたので2人でステーキを食べた。サラダも2人で仲良く半分こ。ひとり旅だとこうしたお店での食事は高くつくのだが、こうして2人で割ると安くなるのだ。

 食事の後、Leeは宿で出会った韓国人と晩御飯を食べるらしいのでここで別れることに。私は内緒で用意していた手紙と、二人で撮ったポラロイドを渡し、ハグをし別れた。彼女は最後まで胸に手を当て、喜んでくれていた。私にはその姿が目に焼き付いている。

 一人になってもまだ写真を撮り足りてないと感じていた私はまだまだ散策することにした。途中、レコード屋で大好きなGene Kellyのレコードを見つけた。彼も一緒に旅をしたいらしいので連れて行くことにした。

私は店主に礼を言い、あとは新市街を通って宿へと帰った。明日にはウィーンへ向かわねばならない。列車も朝早いので荷物をまとめ、早々に寝た。

1月31日 AM5:30起床。スマホもチェックして身支度をし、6:30にはチェックアウト。Zagreb中央駅へ向かった。このYouth Hostelは駅からすぐのところにあったので鉄道の旅をする身としてはとても助かる。さて、AM7:25 ウィーン行きのEuro Cityは定刻通り北へ向け、出発した。ーーAM8:01@DOBOVAにて。


つづく。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

鉄道予約はこちら

レイルヨーロッパ・ジャパン公式サイト

レイルヨーロッパ公式鉄道ガイド

ユースホステル公式サイト




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?