018 Barcelona
2016 Barcelona
すごく久しぶりにこのモレスキンに書く。
スペインに着いてからは毎日が忙しく、これを書くのにも時間が取れなかった。
思い出せるだけ鮮明に書こう。
ーー3月4日MadridのHostal Aba Diaにて。
2月20日 パリのLyon駅から乗ったスペインの国鉄Renfeは、南フランスのニースを経由し、海岸線を辿りながらスペインへと南下すること約7時間。Barcelonaに着いたのは夕方だった。列車が到着したサンツ駅の目の前にAirbnbで宿泊先をおさえてある。今回の旅でAirbnbを使うのはここで最後となる。ホストは中国人の男性とおそらくスペイン人の女性のカップルが住むマンションの一室にお世話になった。そこには生まれたばかりのチワワのCarlosもいた。無事チェックインを済まし、荷物を置いたら日が暮れる前に地中海に沈む夕日を見るべくメトロでグエル公園へ向かった。
メトロを乗り継ぎさらに歩くこと15分やっとグエル公園にたどり着いた。グエル公園はあの有名なガウディが手がけたことで知られている。実はここは当初公園ではなく高級住宅街にするつもりだったのが、実際に住んだのはグエル氏1人しか住宅を購入せず、公園になったという話がある。そのグエル邸も見学可能だが、私が公園に着いた時は時間が過ぎていたので中には入れなかった。
~ぼっちシリーズ~
(暗いのでタイマー+夜景モードで撮ったため幽霊みいになった。)
グエル公園は思ったより広く、地元の人も散歩に来たりしており、まさに市民の憩いの場。しかしそれは公園の上部だけで、下部のよく写真に撮られるあのモザイクタイルのエリアは多くの観光客に埋もれ観光地化されていた。
砕いた無数のタイルをはめ込みデザインされたガウディ特有の曲線を描いたベンチとテラスからバルセロナの街を見下ろす。日が沈む瞬間には間に合わなかったが、この夕暮れの青とピンクの混じった薄紫色の空が私は好きだ。
日も暮れ、少し肌寒くなってきたので歩いて坂を下り、メトロに乗ってサンツ駅へ帰ろうとした。しかし今日この日はちょうど大学の友達が、日本から卒業旅行で同じ日にツアーでバルセロナに来ていたので、ある程度の時間と場所を決めて合流しようとした。しかし彼女はいくら待っても連絡が来ず、私は途方に暮れることに。1時間も待つのはもう胃の限界だった。私は彼女と会うのを諦め、1人でバルに向かった。まさかスペインに来て最初のバルがこんなに寂しいものになるとは。赤ワインとタパスを適当につまみ、またメトロに乗ってサンツ駅のステイ先に帰った。
2月22日 今日はマドリッドに行く日。このレイルパスでの最終目的地だ。だが私の列車はお昼の12時。幸いステイ先は駅の目の前。午前中は時間があるじゃないか。サグラダファミリアを見ずしてバルセロナを去れるものか。いや去れない。
9時過ぎに出て(そう言ったくせに寝坊)急いでサグラダファミリアへ。チケットは事前に持っていなかったので、朝イチいく必要があった。チケットブースはメインゲートの真裏。オフシーズンだからか、意外とすんなり買えた。中に入る前にサグラダファミリアを真正面から撮ってみる。目の前の公園があり、池を挟めば逆さサグラダファミリア(早口言葉みたい)だ。
撮り終えたらいよいよ中へ。ガウディの手がけた生誕のファザードから入場し、いよいよ中へ。午前中にサグラダファミリアに来るのには理由がある。以前他の街の旅行記にも書いたかもしれないが、ステンドグラスで有名な場所、特に教会は朝日の差し込む午前中に来た方がいい。すると内部の壁や床、柱に反射してまるで宝石箱みたいになる。(追記:サグラダファミリアについて書くことは多すぎるのでいつかまとめて書きます。)
私は中に入ると言葉を失った。静かに一歩一歩中央に歩き、ゆっくり360度見渡した。
右からゆっくりとパンをしてまた元の位置に戻ると静かに右目から涙がつーっと流れた。
あぁついに辿り着いた。
よく21の女が、
自分1人でここまで一ヶ月旅をした。
思い起こせば1月に期末レポート、卒業論文、卒業制作、三つの専攻に追われ、キーボードの打ち込みで手が腱鞘炎になりながらも4年間の大学生活を最後まで走りきれたのは旅があったからだ。
このトラベルモニターに応募して、まさか自分が受かるとは思わなかった。
ユースホステルを泊まり歩き、旅したのもとてもいい経験になった。
自分の腕で重いスーツケースを持ち歩き、
言葉のわからない国でも吸収できるものは吸収し、
異なるバックグラウンドの人たちと時間を共にし、
列車での長い移動時間では自分を見つめ直し、
久々に会えた友人たちや、今回の旅で出会った人たちと絆を深め、
周った国はイタリア、クロアチア、オーストリア、ハンガリー、チェコ、ドイツ、オランダ、ベルギー、イギリス、フランス、そしてここスペイン。
この旅で訪れた街はここバルセロナで18都市め。
私は今ついに夢にまで見たサグラダファミリアの中で、自分の足で立って泣いている。
この涙は達成感なのか、旅が今日で終わってしまう寂しさからなのかはわからない。
おそらく入り混じったものだろう。
ここまで書き続けて言うのもなんだが、とても言葉にできない。
この気持ちは実際に旅した人にしかわからない。
だから私はこれを読んだ人、
私と会った人、
私と旅の話をした人、
私の写真を見た人、
みんなに旅に出て欲しい。
一人旅というのはその時その場に共感してくれる人がいない。
それががネックだというが、私はネックだとかネガティヴには思わない。
ネックではなく、トリガーだと思う。
旅ってこんなに素晴らしい!でも共有できない人がいないさみしい。
そうじゃなくて、
よし、今ここにいないだけで、共有できる人を作り出せばいい。
旅してもらえばいい。
旅人を旅に駆り立てるのはいつも決まって旅人なのだ。
そういう旅人に私はなりたい。
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