ミスミG(9962)についてのメモ(8)

同社は、6日の決算短信に遅れて、10日に、決戦説明会資料を発表した。

2021年3月期通期決算説明会資料(pdf ファイル)

この決算説明資料に、初めて meviy という言葉が登場した。過去の決算説明会資料で meviy が登場したのは筆者の見ている限りでは初めて(間違っているかもしれないが)。しかし、その登場の仕方はネガティブでそっけない。

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meviy にはいろいろなサービスがあるが、そのうち、金型サービスは停止すると決算説明会資料で一行だけ言及された。「低利益商品の販売中止・サービス停止」とのことである。

決算説明会資料の最後は力強いメッセージで締めくくられている。

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前年度の”収益改善を梃に将来の成長に向けた「攻め」の経営に転換”というメッセージが印象に残った。

この決算説明会資料の発表の次に同社のトップページの NEWS 欄で発表されたリリースは meviy の機能拡充だった。

「meviy」 に新機能 大量の部品を“まとめて”調達、作業効率を80%以上向上 (pdfファイル)

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日刊工業新聞の News Switch にはこのリリースを受けて次の記事が。

システムを全面刷新することでアプリ開発・保守効率が約4倍に向上。サイトレスポンスも約15倍になった。吉田光伸常務執行役員は「サービスの進化がしやすくなった。今年は予定しているものだけでも相当な機能追加を行う」
メヴィーの利用者数は21年3月末で5万5000人に到達。データアップロード点数も500万点を超えた。

ちょっと利用者数の伸びが鈍化しているように感じる。

「お客さまの数と単価と利用回数を伸ばしたい。そのために、商品の納期短縮や材質・加工範囲の拡大など顧客の要望をベースに開発を加速する」と吉田常務執行役員は話す。

数も単価も回数も増やすということは、狙いとしては掛け算での meviy 経由の売上伸長である。

顧客のニーズに合わせてメヴィー事業の「選択と集中」も実施した。これまでメヴィーではFAメカニカル部品と金型部品、ラピッドプロトタイピング(試作)の3種類を展開していたが、金型に関するサービスを3月に終了。今後は特にFAに資源を投入する。

軌道修正のサイクルが早い。meviy の海外展開は、金型に関してはやらないということだろう。日本での先行導入はある意味テストマーケティングを兼ねていた部分がある。海外本格展開は、FAに資源を集中していくということかな。

拡大する利用者に対応するため、内製工場の増強やパートナーとの連携強化も加速。「納期は決まっている。必要な投資を実施する」(吉田常務執行役員)方針だ。

まだまだ、meviy に投資を継続していくのは会社の方針のようだ。

過去の同社についてのエントリー。


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