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夏時間 (Daylight Saving Time)、始まります

アメリカ本土のほとんどは、今日、3月13日(日) の夜中 2:00 から Daylight Saving Time になります(時差があるので、いま日本で13日正午でもアメリカはまだ12日、時間が変わるのは数時間後)。 早いですね! いわゆる 「夏時間」 ととらえていると、どこが夏なんだ、と思ってしまいますよね。 ニューヨークは12日にも雪が降って、気温が氷点下になっているというのに。

今年のアメリカの Daylight Saving Time は、3月13日(日) から 11月6日(日) まで、のようです。 時間のシフトをしている国はいくつかありますが、この日付は国や場所によって違うので、余計にややこしいですね。

ちょっと調べただけでも、イギリスは 3/27(日)~10/30(日)、カナダは3/13(日)~11/6(日)でアメリカと同じ、そしてオーストラリアは季節が反対なので、4/3(日)に 「終わって」、10/2(日)に 「始まる」 らしいです。 そうなるのか・・・初めて知りました。

ちなみに、日本では 「夏時間(サマータイム)」 と言ってしまいますが、それをそのまま英語にして “Summer time” と言っても、時間をシフトすることの意味にはなりません。 Summer time は、夏の間、夏季、ぐらいの意味にしかなりませんから、アメリカ英語で話すときには Daylight saving time と言ってください。

さて、Daylight saving time (DST) とは "Spring forward, fall back"(春に進み、秋に戻る) なのですが、時計が進むとか戻るとか言われても、具体的にどういうことなのかわかりづらいですね。

言葉で説明すると、3/13 の 2:00 になった瞬間に 3:00 になる、ということ。 だから 1:59:59 の1秒後が 3:00:00 です。 2:00台が存在しない。 終わるときは、11/6 の 2:00 になった瞬間に 1:00 に戻る。 だから 1:00 台が2回あるわけです。 変なの!

ちょっと図にしてみました。

一番上の線がアメリカ東部(ニューヨークなど) の標準の時間、その下が Daylight saving のときの時間です。 日付は今年の例です。

3/13 2:00 までは標準だけど、2:00 になった瞬間から Daylight saving time に移り 3:00 になる (時計を「進める」)。 終わるときは、11/6 の 1:00 を過ぎ 2:00 になった瞬間、標準時の 1:00 に戻り2度目の 1:00 台が始まる (時計を「戻す」)。

ついでに、一番下の線が日本です。 標準時間のときは、日本との時差が14時間で、日本が13日の 15:00 のとき、ニューヨークは同日の 1:00 です。 これがDSTになると、日本が 16:00 のとき、ニューヨークは同日の 3:00 です。 時差が13時間に減ります。 アメリカのほうが追いついてくる感じ。

さらについでに、アメリカ東部時間と言いましたが、本土の主な場所だけでアメリカのタイムゾーンは4つあります。 Eastern(東部)、Central(中部)、Mountain(山岳部)、Pacific(太平洋)。 ニューヨークは東部、ロスアンジェルスは太平洋で、ロスアンジェルスはニューヨークよりさらに3時間遅いです。 それぞれの地域がそれぞれの 2:00 からDSTに入るので、時計の変わるタイミングも地域でずれていたりするわけです。

色々ややこしいですね! 長年住んでいても、時計を進めるんだったか遅らせるんだったか、わからなくなる人は多いらしいですし、時間が変わったことに気づかずに、仕事や学校に遅刻したりする人も多く、年2回の風物詩と化しています。

春に時計を進めたときには、1日の時間が23時間しかないことになって、睡眠不足でだるそうな人が増えます。 時計が変わったことに気づかないだけじゃなくて、時間に合わせられなくて遅刻、というパターンもありそうです。

その反対に、秋に時計を戻したときには、みんながボーナスの1時間をエンジョイする、というわけです。 この時間が幸せなので、こんな変なシステムを何とか許してやってる、という感じでしょうか!

ところで、アメリカのDSTは、2007年から少し長くなったのですよ。 私が渡米した当初と比べて、4週間から5週間長くなってます。 1987年から2006年までは、「4月の最初の日曜日から10月の最後の日曜日まで」 だったのが、2007年からは 「3月の第2日曜日から11月の第1日曜日まで」 になりました。

2007年にDSTが長くなったとき、10月31日の Halloween が必ずDSTに含まれることになって、夜に子供を出歩かせても 「明るくて安心」 と好評だった、ということがありました。 Halloween のことは特に狙っていなかったと思いますが、予想外のポジティブな効果だったようです。

それから、「年2回、時計を動かすタイミングで、家庭のCO2探知機をチェックしよう」 という、消防署などからの呼びかけも定着しつつあるようです。

時間がシフトするのは、健康上の悪影響があるということもよく話題になりますし、廃止しようという意見もたくさんあるようですが、すでにしっかり根付いてしまっているので、廃止するのもまた難しいのかもしれません。

私は個人的には、すんごい面倒くさいけど、イベントとしては面白いと思ってます。 アメリカ中(ほかの国もあるけど) の人が、ぶつくさ言いながら時計を変えるのなんて、面白いじゃないですか。

そして、時計が戻るときの、ボーナスの1時間がすごい幸せ。 これで毎年何とか乗り切ってる感じでしたね(過去形)。


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