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外国の運転免許証を日本のものに切替える試験がえげつない件について

日本に住んでいる外国人は「国際免許証」で運転することが基本的には認められていません。観光客ならもちろんOKなのですが、日本の在留カードを所持している場合、日本での運転には原則日本の運転免許証が必要となります。

国によっては実技試験が免除される様ですが、夫は香港人。1997年に香港がイギリスから中国に返還され、以後免許証の切り替えに実技試験が必要となったそうです。

友人からこの実技試験が異常なほど厳しく合格が難しいと聞いていたので、夫もYouTubeでしっかり対策して本番に臨んだ初回試験、結果不合格でした。本人は試験官に不合格と伝えられるまで合格したと思っていたとのこと。20人近くが受験したこの日、合格者はたった1人でした。
日本のどの街よりも運転が難しい香港での運転を何十年もこなしてきた彼が、技術試験に通らない。アクセルとブレーキを踏み間違える老人ドライバーが溢れるこの国で…

夫は2度目の試験で無事に合格しました。
なぜなら、試験場である警察署と同じ敷地内にある練習場で1回1時間8000円のレッスンを3回受講し、試験にパスするための細かいポイントを教えてもらったからです。ウインカーを出してからバックミラーとサイドミラーを見るタイミング、駐車する際に左側道に15cmまで車を寄せなければならないことなど…細かいルールが多すぎて忘れてしまいました。

恐らく、実際の社会生活でこれらを行なっている人を見ることはないでしょう。試験の教官でさえ実生活では行わないはずです。それでも、試験の時だけはこれが求められます。外国人には奇想天外ですよね。高い練習料を払えなければ、何度も何度も試験を受けなければなりません。形ばかりのルールに黙って従う日本の社会に慣れるための試練でしょうか。

私のママ友は4回目、香港時代の友人は6回目、パート先の友人のご主人は10回目でやっと試験合格できたそうです。かなり精神的ストレスがかかったことでしょう。ほぼいじめのような日本社会の洗礼です。

外国人の多くは日本人ほど真面目にルールを守らないことは、経験上よく知っています。日本社会に悪影響がないように外国人ドライバーを指導する必要性に異論はありません。それゆえに、現実に則した形で外国人にわかりやすく指導できる方法を検討すべきだと思います。これは今後増えるであろう移民についてもまた然りです。日本社会の良さを損ねることがないように留意しながら、日本に入ってくる外国人がこの文化に敬意を持って馴染んでくれる方法を模索すべきだと感じました。

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