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北陸新幹線の延伸 敦賀市

 敦賀の海

 北陸新幹線延伸が2023年度末までに行われる予定。
 旅の途中で敦賀の街中がざわついてるという噂を聞き、早速、地元まちづくり会社さんにアポを取り、一ヶ月半の間に3度目の北陸の旅となりました。
 7月某日11時過ぎ、敦賀駅に到着。気温34℃。デブにはキツい温度です。こんな暑い日は、海をということで気比の松原までレンタカーで移動。本当に夏の日本海は綺麗で、見てるだけで気持ちいい。敦賀港から西に走ると気比の松原の素晴らしい景観が見えます。


 その先には、漁港や小さな砂浜が続きます(西浦地区)。日曜日ということもあって、海水浴に関西からの海水浴客がとても多い。更に先に行くと最近話題になったイルカの被害に遭った水晶浜海水浴場へと続きます。(敦賀市を出て美浜町になります。)
 海水浴や港まわりの施設、名勝をみてると敦賀が、海と関わりの深い街だということは分かります。


敦賀と海の関係(私の知識なので少し深度が浅いと思いますが..)

北前船

 北前船の寄港地。今でも昆布の加工のおぼろ昆布は80%以上のシェアを持っています。函館から運ばれたニシンの貯蔵倉庫、「鰊蔵」は、歴史的建造物です。(現在は松原神社境内に移設、後は茨城県水戸市にも移設。天狗党が降伏後収容された場所だった。)
水産加工
 昆布関連の加工食品。おぼろ昆布、出汁パック、佃煮など。冷蔵施設等の多くある。
人道の港(港都つるが株式会社 若杉さんから教わる)
 1920年代にポーランド孤児の受入地(ポーランド分割・ロシア帝政崩壊・シベリア流刑と関連している)。1940年にユダヤ難民の受入地(杉原千畝さんのビザ発行)。
大陸文化の玄関口
 
古くは朝鮮半島や中国東北部都の玄関口であった。日本海側からの幾内への玄関口。北前船寄港としてさ変えた良港だったが、日本の筒動画敷かれて10年も経たないうちに、敦賀に鉄道が引かれた。日本海側の重要な国際港と明治時代になっていく。明治45年には一綴りの切符でヨーロッパまで行ける「欧亜国際連絡列車」が開業。東京から敦賀、敦賀港からロシア、シベリア鉄道でヨーロッパへ行ける日本からの最短ルートの旅行だった。


ザワついているエリア

氣比神宮の大きな鳥居(日本三大鳥居といわれている)

 今回のざわついている街中とは、古くからの国際港をもつ北陸の要衝を守る「北陸道総鎮守 氣比神宮」のお膝元の商店街でした。神楽商店街の中にある港都つるが株式会社に伺って若杉さんに話を聞きました。

まちづくり会社の拠点 カグ〜ル
港都つるが株式会社 常務取締役 若杉実 様

 港都つるが株式会社の若杉さんに今回の新店増加のキッカケを聞きました。
まずタウンマネジャーと専門家を入れて、神楽商店街でエリアビジョンを制作をし、使用していない店舗の見学会(空店舗という言葉をあえて使わない)を実施したそうです。見学会に参加した人達に分かりやすくエリアビジョンを説明し、ビル所有者(物件オーナー)と会ってもらいながら、店舗の出店計画の相談にのります。県のよろず相談員(素晴らしい作戦)、補助金に詳しい敦賀市・商工会議所の職員にも参加してもらい、万全なサポート体制で、店舗見学会を行っているそうです。この半年で、小さな商店街に4店舗オープンしているそうです。

新規出店の一つ、KIRAKIRAさんのスムージー。アートなトッピングが綺麗です。テークアウトしました。

 私が訪れた日も丁度、店舗見学会を実施されていました。遠目に見学してましたが、参加者は20-30代の女性が多く、オーナーさんとも意見交換を活発に行われてました。テレビクルーも参加していたので、放映されるのでしょう。またその効果で出店は増えるかも。

↑店舗見学会のリーフレット

敦賀を見て回る

 気比神宮は地元市民からは「けいさん」と呼ばれているそうです(お昼は若杉さんの紹介でけいさん丼を頂く、もの凄く柔らかい鳥の天ぷらがのった丼)。実際お参りに行くとすがすがしい気持ちになります。観光客が訪れるには、駐車場も整っており、駅から歩いて1.2kmの丁度いい距離です。その目の前にあるのが神楽商店街で、まちづくり会社そばの中道源蔵茶舗(敦賀では老舗のお茶屋さん。業態を上手に変化しながら、和カフェ運営やお茶を新しい形で販売している。)でゆっくり出来ます。

けいさん丼(お料理 やまとも @神楽商店街)
ほうじ茶パフェ(中道源蔵茶舗 @神楽商店街)

〜歩きでのお勧めコース〜
敦賀駅 → otta → 「銀河鉄道999」「宇宙戦艦ヤマト」の銅像群(駅前、本町1、2丁目の長い商店街)→ 氣比神宮 → 神楽通り → 市立博物館 → 博物館通り → 水産卸売場周辺の飲食店(海鮮・うどんなど) or 敦賀ヨーロッパ軒(カツ丼)

〜車もしくはレンタサイクルなら〜
昼食後 → 気比の松原 → 西浦地区 →(街に戻ってきて) レンガ倉庫 → 人道の港ムゼウム

 とお勧め処満載です。

 もちろん商店街だけでなく、新幹線延伸に合わせて、大きく街が動いています。まずは駅前の再開発「otta」(2022年9月オープン。公設民営の「ちえなみき」本屋+カフェ の利用者は25万人に達する。中日新聞より)。ホテルの建設、インフォメーションセンターを設置、市民も旅行者も楽しめる本屋(編集工学研究所が運営)芝生広場、飲食店、土産物店舗など。


「ちえなみき」序でに購入した本達

 また神楽通りから少し北側に移動して、市立博物館の通りにまちづくり会社のリノベーションした物件のリーシング、これにより若者の店舗が比較的安い賃料で出店しているエリアが出来上がりつつあります(中活計画上は「博物館通り景観形成事業」)。本当にしっかりまちづくり会社が機能しています。



 この他にも、具体的に観光客の増加が延伸に伴い数字で表れてくると、まだま実現していく計画があるのでしょう。若杉さんの話からもそれが感じ取れました。

 敦賀市は北陸新幹線の延伸を機に様々な動きを官民一体となって行っているようです。私の経験では、動かない街と諦めているところでも数年先にハードウェアが動き出すと分かれば、既存の民間事業者は何が出来るか?話し合ってわくわくしながら会議体をスタートすることが出来ます。それが出来れば、行政と手を取り合って2年以上かけながら伴走してください。敦賀のように受入の準備が出来ている場所では、ハードウェア完成後の波を上手に自分のものに出来ます。またエリアのものにも出来るでしょう。

2023年7月末日  梶岡誠生

おまけ

 神楽商店街も含み、敦賀の商店街には、道路と歩道の間に無料の駐車スペースがあるのです。これは、いいとも悪いとも言えませんが、車乗りにはうれしいばかりです。多分、平日の観光客がいない日には地元の人の買い物に、丁度いいのかも知れません。全国的に見てもここまで連続したものは初めて見ました。(昭和50年代に作られたものはあるらしいですが、その多くが現在は廃止されているようです。)

これはかなりめずらしい。長い商店街に無料パーキングがずらっとあります!

この記事は「結実計画会議」(A4の4ページの新聞)に掲載されています。その他の記事、またはnoteに記載されていない記事を楽しみたい場合は、https://ketsujitu.glide.page/ の「BackNumbers」から「バックナンバーが欲しい!」をクリックしてフォームで請求ください。時間はかかりますが、送付されます。



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