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第5回Social Breakfast開催/『ソーシャル活動の実践と支援、それぞれの視点』

第5回Social Breakfastが虎ノ門ヒルズOVAL Caféにて開催されました。

社会を変える朝ごはん「Social Breakfast」とは?
社会のために一歩踏み出したいけれど、何から始めたらよいかわからない!社内外の人たちとソーシャルグットで繋がりたい!先駆者に学び、社会を新たな視点から眺めてみたい!
 と、今回も30名近くの人たちが集まって、朝からゲストのトークを楽しみました。

第5回のテーマは『ソーシャル活動の実践と支援、それぞれの視点』
となり、市のフードロス問題、農地における耕作放棄地などの社会問題の解決を目指すNPOの代表として取り組む村野夏生さんと、実際にさまざまな団体を支援・評価側している、山田泰久にお越しいただきました!

村野 夏生
NPO法人Green Elephant代表理事

 子どもの頃から自然と共に遊び、その体験から社会や環境への貢献を考え続けた村野さんは、高校卒業後、渋谷区での街づくりやクリーンナップ活動に、学生リーダーとして情熱を注ぎました。農業体験がきっかけで農業に関心を持ち、あきる野市に移住した村野さんは、地域のつながりを生かし、食品ロスや耕作放棄地といった問題に取り組むNPOを立ち上げました。村野さん団体では、大人や子どもたちに自然の魅力を体験してもらうイベントやプログラムを展開し、持続可能な地域社会の構築を目指しています。
 村野氏は、あきる野に移住してから約3年が経ち、地方創生における地域の重要性についてお話しをいただきました。
彼が特に力を入れているのは、耕作放棄地の問題と、自然体験を通じた地域の可能性の探求です。

 村野さんが設立したNPO法人GREEN ELEPHANTでは、農業とエンターテインメント、社会貢献を融合した「Tokyo Farm Village」を運営し、都市と農地の双方の社会課題への取り組みを推進しています。農業では会員制のコミュニティを形成し、エンターテインメントではテントサウナやハイキング、ファームヨガなどを提供し、自然を愛し、その負担を減らす社会貢献活動を行っています。


 また、探求型自然体験スクールは、東京の山側エリアで子どもたちに学習を通じた地域課題の解決を体験させ、社会との繋がりを深める場を提供しています。観光ではなく学習という新たな観点から地域への誘客を行い、年間約20,000人があきる野を訪れるという成果を挙げています。
村野さんのお話しを聞いて、地域と自然との調和を重んじる姿勢に感銘を受けました。高いホスピタリティと、参加者との距離を縮める工夫により、多くの人々がリピート訪問するというのは、彼の取り組みが地域社会に深く根ざしている証拠だと感じました。
 耕作放棄地の活用、自然資源の有効活用を通じた活動は、新たな移住者を引き寄せ、あきる野の魅力を内外に伝える強力なメッセージとなっています。
村野さんのような若い世代のリーダーが、地域創生の新たな波を生み出しているのを目の当たりにし、私たちも地域の可能性を再考するきっかけを得たのではないでしょうか。
 

山田 泰久
公益財団法人日本非営利組織評価センター 業務執行理事

 群馬県高崎市出身、慶應義塾大学文学部卒(フランス文学専攻)。1996年日本財団に入会。2009年から公益コミュニティサイト「CANPAN」の担当になり、NPO×情報発信、助成金、IT活用、寄付をテーマに様々なNPO支援の活動に取り組む。
2016年4月、(一財)非営利組織評価センター(JCNE)の設立とともに、業務執行理事に就任し、非営利組織の組織評価・認証制度の普及に取り組んでいる。
 非営利組織の現状と運営におけるガバナンスの重要性について、貴重なお話を伺いました。山田さんは、非営利組織が社会においてどのような役割を果たしているかについて、非営利組織の組織構造、評価制度、運営実績に至るまで、非営利組織の運営者や設立を目指す方々にとって有益な情報を提供してくださいました。
  近年、社会貢献を目的とする非営利組織は増加傾向にあり、社会での役割が大きくなっている中で、ガバナンスやコンプライアンスの強化なども今まで以上に求められている時代になってきているとのことです。山田さんは、非営利組織の運営において、意思決定、業務執行、報告・監視という3つの要素を含むガバナンスの基本が重要であると指摘しました。
 また、組織運営のリーダーシップに関しても、従来型のリーダーシップから、現代の多様な価値観を取り入れた運営スタイルへの変化の必要性についても教えていただきました。
 非営利組織におけるガバナンスの欠如がもたらすリスクについても、実際の横領やハラスメントの事例を挙げて、理事会や社員総会の重要性、およびそれらが適切に機能していない場合の問題点について詳しく説明してくださいました。
 さらに、一般社団法人やNPO法人といった法人格の違いに関するお話もありました。比較的設立がしやすい一般社団法人はすぐに活動を行いたい組織など適しており、市民が自由に社会貢献活動を行うための目的をしっかり定めた上で行う場合はNPO法人が適しているとのことです。
  社会課題の拡大に伴い、以下の3つの課題についての解説がありました。
みんなの課題:SNSや調査を通じて可視化された共通の問題点。これはデジタル技術を活用し、民間による解決を目指すものです。
社会の課題:個人が自ら解決すべきでなく、周囲や行政による解決が必要な問題。NPOが実験的に取り組み、行政が制度化する流れがあります。
地球規模の課題:NGOや研究者が研究により課題を明らかにし、国家や国際機関が解決を目指すものです。
 山田さんは、現代ではこれらの課題がすべてビジネス直結することから、社会貢献活動について語る/聞く場合は、どの社会課題に焦点を当てているのかを理解することが重要だと強調しました。
 最後に、ピーター・ドラッカーの「傍観者の時代」に関する話題がありました。ドラッカーは非営利組織がどのようにして社会に価値を提供し、その存在理由を明確にするための枠組みを提供しています。

  

まとめ


 
今回のテーマである『ソーシャル活動の実践と支援、それぞれの視点』について、村野さんと山田さんから地域創生と非営利組織の重要性について教えていただきました。村野さんのお話しでは、彼の取り組み「GREEN ELEPHANT」が展開する「Tokyo Farm Village」プロジェクトは、農業、エンターテインメント、社会貢献を融合させる斬新かつ新たなアプローチだと感じました。村野さんの実践は、耕作放棄地の有効活用や自然体験を通じて、地域の新たな価値や魅力を創出し、新たな移住者を引き寄せるための重要なヒントを教えていただきました。
 一方、山田さんは非営利組織の運営におけるガバナンスの重要性に焦点を当て、組織構造、評価制度についてお話しをしていただきました。近年増加傾向である非営利組織の運営や組織マネジメントにおいて、意思決定、業務執行、報告・監視という3つの要素を核とするガバナンスの基本の重要性を教えていただきました。
地域創生と非営利組織の重要性を深く理解し、私たち自身が地域や社会にどう貢献できるかを考えるきっかけを与えてくれました。地域社会や非営利組織の将来に対する新たな視点をもたらし、参加者一人ひとりに深い影響を与えたことでしょう。今後もSocial Breakfastを通じ、多くの人たちが社会貢献のための行動を起こすきっかけとして、引き続き取り組んで参ります。


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