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まちの温度を「1℃」上げる―三島まちなかエリアでのまちづくり

はじめまして、加和太建設 まちなか事業室の狩野です。

まちなか事業室メンバー
(左から狩野、野田、本多、勝岡、川口)

私たちの会社は、静岡県東部の元気をつくるため、さまざまなまちづくりに取り組んでいます。

そのなかでも私たちのチームは、三島駅南側に広がる中心市街地、まちなかエリア*を活動の舞台としています。このnoteでは、主にその取り組みにスポットを当てて紹介していきます。
(*まちなかエリアとは、三島駅・三嶋大社・三島広小路駅を結んだ三角形のエリアのこと)


そもそも「三島」って?

静岡県三島市は、富士山のふもと、伊豆半島の付け根に位置するまち。
まちのいたるところには湧き水が流れ、初夏には蛍も舞うような、自然が色濃く残っているのが感じられます。それだけでなく、東京駅から新幹線(ひかり)に乗ればなんと42分。交通の便も良いため、朝の三島駅には関東方面に通う学生や会社員のかたも多くいます。

まちの中心を流れる源兵衛川。川の上を渡ることもできます

実は私は埼玉県出身で、3年前に三島に移住してきたのですが、驚いたのは駅前の様子でした。見慣れたチェーン店が一つもないのです。私の育ったまちは、駅前にマクドナルドやケンタッキー、サイゼリヤといったお店があるのが当たり前でした。引っ越してきたばかりの時は、どこにご飯を食べに行けばいいのかもわからず困ることもありましたが、三島で暮らしていくうちに、それこそがこのまちの大きな魅力の一つだと気づくことになるのです。

三島のまちなかにはチェーン店こそ少ないですが、代わりに個性あふれる個人店が多くあります。古くからやっているお店も、新しくできたお店も、みんなが平等で、互いに支え合いながら、それぞれがんばっている、そんな雰囲気があると感じています。私はそんな三島の温かい空気感、顔の見える距離感こそが、このまちの魅力なのだと思います。

そんな個性豊かなまちなかエリアが、私たちの働くフィールドです。

これまでのまちなかアクション

まちなかエリアを中心とした取り組みは、2018年ごろから始まりました。
空き物件をリノベーションして、つい出勤したくなる気持ちのいいオフィスにしたり、

元雀荘の物件が…
気分の上がるオフィスに!

築古の物件を改修して、帰るのが楽しみになる住まいをつくったりしました。

築50年超の物件も…
ガレージ付のコンセプトマンションに!

物件の開発以外にも、このまちで何かにチャレンジする人に出会うべく、新たにお店や事業を始めたい人を募り、実現までサポートするプログラムにも取り組んできました。

キックオフイベントの様子

その他には、まちの移動手段としてシェアサイクル「ハレノヒサイクル」の導入や、

まちを彩るハレノヒサイクル

三島のきっかけマガジン「ハレノヒマガジン」の発行、

まちの魅力をさまざまな側面から伝えるハレノヒマガジン
(24号をもって終刊)

カレーやクラフトビールをきっかけにして人とつながれる場所をつくるなど、まちなかエリアの中で幅広い事業展開を行ってきました。

廃園となった幼稚園を改修した、みしま未来研究所

まちの温度を「1℃」上げるために

例えば、ある人がまちなかに素敵なパン屋を出したとします。

すると、まちの人は毎日パンのいい匂いを嗅ぎながら、気軽に美味しいパンを食べられる生活を送れるようになります。そして、パン屋のファンになったまちの人がお客さんとしてお店に通うようになれば、パン屋もまちの中で長くお店を続けていくことができるようになります。

パン屋の出店に触発され、自分も何かやってみようと思ったまちの人がいれば、ケーキ屋やコーヒースタンドといったお店をパン屋の近くに出すかもしれません。そうすると、パン屋周辺のエリアはますます賑わうようになり、結果的にまち全体の魅力が向上することにもつながります。

まちなかにもこんなパン屋があると生活が充実しそうですね
(イメージです)

このようにして、まちなかへの出店が加速し、まちの温度が「1℃」上がるような状態を、上で紹介したエリアの資源も最大限に活かしながら、様々な関係者とともにつくっていきたいと私たちは思っています。

ですが、冒頭でも述べたように、三島には既に多くの個人店があります。そして、コロナ禍が落ち着きを見せ、人の往来を取り戻してきたまちなかエリアは、ちょっとした出店ラッシュ。正直、空き物件の方が少なく、お店を始めたいのに物件がないから始められない、といった状態です。

それなのに、なぜアクションを起こすのか。
無限に人がいる東京と違って、地方にとっては物件の借り手が少ないことがやはり最も大きな課題です。今の状態がずっと続けばいいのですが、そんなはずもありません。5年先、10年先を見据えたときに、今からまちなかに出店したくなるような仕組みづくりが必要になると、私たちは考えています。私たちのアクションがうまく成果と結びつけば、日本におけるさまざまな地方課題も解決する糸口になりえるのではないか、そう信じているのです。

たしかに、今は東京で暮らす方があらゆる面で合理的です。それでもこのまちから、地方課題を解決していく。それが、埼玉出身の自分がわざわざ三島にいる理由なのだと思います。

noteを通して伝えたいこと

まちなかエリアでの取り組みが加速し始めて6年ほど。ありがたいことに、関わってくれるまちの人々も増えてきました。

それでもまだ、伝えきれていないことがたくさんあります。地域の人々に、まちなかでの取り組みや、私たちの想いをもっと知ってもらうことで、少しでも身近に感じてもらえたら。そう思ってこのnoteを始めました。

このnoteを読んでいただいているかたの中には、三島から離れた場所に住んでいる人もいるかもしれません。これからの三島まちなかエリアの温度変化に、ワクワクしながら期待していてください。

▽お問い合わせはこちらまで
machinaka@kawata.org(加和太建設 まちなか事業室)