私は山内公園で、毎日ラジオ体操をしてまして、正月もやってま す。始めたのがね、えー、平成元（１９８９）年くらいです。だから今ちょうど30年ちょっとぐらい。その前、東京の文京区にいた時も30年以上やってたんですよ。だからトータルで私ラジオ体操を60年以上、６年じゃないよ、60年以上毎日毎日やってんの。ラジオ体操もね、やっぱり力入れて極限まで伸ばしてね、やるとけっこういいんですよ。
　それから、20年ほど前から掃除を始めたんです。だから山内公園は私の仕事場。山内公園で、毎日掃除をして、ラジオ体操をやってんですよ。
　公園ですから落ち葉はもう、たくさん。秋、これからが忙しいし、夏でもやっぱりいろいろ汚れる。皆さんがお弁当を食べて、カラを置いて帰る、汚れる。そのお掃除を毎日やってます。皆さんね、掃除って簡単に思うでしょう。あの竹箒ねぇ、１回やってみてください。何人かの男の人がね、これはできないよって…肩から腰が痛くなるそうですよ。かなり力がいるもんですよ。でもね、私はこの年でなんでもないの。今、95才。１９２４年というのは間違いないかね、大正13年というのは。間違いない？ 95歳でね、私が言うのも変だけど、テレビ局の人が、今までに会った年寄りのなかで、私が一番元気だというんですよ。まだ杖もついてないしね。あ、私はね、掃除をしてる、というんではなくてね、やらせていただいてると思ってるの。それがね、私の健康の素。そのおかげで長生きしてるの。あと、私はとにかくね、生まれつき運がいいの。すべて運がいい。こうやって長生きするのも運がいいんですよ。

　お掃除をすると同時に、周りに竹やぶというか、草原があって、それにもう二十何年前から、こつこつこつこつと花を植えて、かなり広いところを花壇にしました。全部竹やぶだったんですけど、いつの間にか花壇になってますよ。１回ね、見てみてくださいよ。９月頃には彼岸花がさーっと咲くし、今はね、菊の花。菊の花が終わると水仙。彼岸花も水仙も球根でしょう。１個植えておくと、二、三年するとそれが５個、10個になるんですよ。そしたらそれを掘り起こしては植える。だからいつの間にか増えたんですね。それとね、アイリスってね、あれももう公園中に。アイリスもね、あれ株がどんどん増えるんです。といってもひとりでに増えるんじゃないんですよ、株を方々へ増やすわけですね。それを落ち葉がない季節にやってます。今日も朝、花の終わったところをかなりの量取って、掃除してきました。今日は雨が降った後だったから、びしょびしょでね、落ち葉がたくさんあったけどお掃除できなかったの。明日の朝行って乾いてたら全部片付けます。
　あのね、毎日落ち葉は違います。そしてちょっと風が吹いたりね、台風の時なんて、落ち葉がもういっ ぱい！台風の時には、朝早めに行ってだいたい２時間ぐらい掃除するんです。町内の人たちが１日がかりでやるとこ、私は２時間で。慣れてるでしょ。掃除のプロです。

　普段私は毎日朝４時に起きて、そしてうちを出るのがだいたい４時15分だね。朝食はねえ、体操から戻って７時頃。まず４時15分にうちを出たら、６千歩か７千歩、歩くんです。それで公園へ着くのがだいたい５時過ぎ。それから掃除。 掃除は６時15分頃までですね。15分過ぎると人がね、ひとり、ふたりと来るんですよ、ラジオ体操に。人が来た時に私が掃除をしていると何か遠慮するでしょう。だからね、人が来るときはもうやらないの。人が集まる前に掃除を終わらせるんです。だから落ち葉がそんなにたくさんあったとは来る人は知らないんじゃないかと思うんですよ。私が掃除してるのを知ってる人がいるかどうか…。
　山内公園には、ロッカーがあって、ロッカーの鍵は私と町会の何人かしか持ってないの。中に掃除道具とラジオ入ってんですよ。このラジオを出して、私がラジオをかける。だから私が行かないと、ラジオがないんですよ。少々の雨でもほとんど私は行くけど誰も来ない日もあるんですよ。私は、元旦も行くんですが、元旦ねぇ、十二、三人来ますよ。
だから、山内公園では、１年間、３６５日、ラジオ体操があるんですよ。

インタビュー：２０１９年 夏

このおはなしは２０１９年No.００６号に収録されています。冊子をご希望のかたはご連絡ください。冊子は無料、送料１８０円でお送りします（５冊まで送料は同じ）。「街のはなし」プロジェクトを、スキやサポート,snsのフォローなどで応援していただけましたら大変励みになります！どうぞよろしくお願いします。

企画・文：　谷山恭子
写真：藤井本子

編集・校正：　伏見学・街のはなし実行委員会

発刊：街のはなし実行委員会