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■最近の「天声人語」

マスコミってナニ?(63)ニュースの存在を考える 「マスコミへの道」改

◇女性記者も書いている

朝日「天声人語」、読売「編集手帳」、毎日「余禄」、日経「春秋」、産経「産経抄」、東京「筆洗」――。東京で発行される主要6紙の1面下にあるコラムのタイトルだ。

昔から、ここは新聞各紙の顔である。名文、内容の濃い深いもの、正確なものを「書かないといけない」…というのは、一応各紙の伝統だろう。とはいえ、毎日のものなので、内容はまちまち、質もまちまちであるのは言うまでもない。
過去には、各紙に名コラムニストがおり、自社系の出版社以外からもそれをまとめた本を出すなどもしていた。
読売の竹内政明(読売グループの中公から出ているが)を最後に、そういうスターコラムニストはいなくなったような印象を受ける。

さて、最近の朝日の場合、一昨年から初めて女性記者が執筆陣に加わり、今は3人でまわしているようだ。おそらく、その女性記者の回だろうが、一人称を「私」として時々書いている。
だいたい新聞の1面コラムは、無名を旨とするものが多く、「小子」とか「当コラム子」などと、ややへりくだったいい方をする。そんな世界で、「私」という表現にすると、記者の経験、視点がより強く押し出される感じを受ける。
まあ、いつまでも100年以上前の言語感覚で書く必要はないだろうが、そうした古色蒼然としたさまもまた、新聞らしくて好きなのだが。

◇きょうの内容にびっくり…

それは、ともかくきょう2月15日のコラムを読んで、ちょっとびっくりした。
その冒頭で、コラム子は

「仕事と趣味で毎日、本をたくさん読む。欲しい本をすべて買うことはできないし、収納場所もない。本当に手元に残したいものだけ買って、あとは図書館が頼みの綱だ。昨年に借りた本を数えたら、千冊を超えていた」

――というのだ。
コラムの内容そのものは、決して自分の読書自慢をしているのでなく、自民党の裏金問題にひっかけ、図書費として計上している点について論じているのだが。
にしても、この記者が年に1000冊以上図書館から借りるってどういうことなのか。1日3冊は借りているということだ。
先日書いた【本の感想】で、自分は年に150冊以上は図書館で借りている、としたが、そんなどころではない人がいるというのに驚いた。

取材したり原稿書くよりも、本を読む、チェックすることに時間を取られているのでないか。新刊本だって結構記者個人に送られてもくるだろうし…。どんだけ本が好きなんだろ。
僕がよく利用する地元図書館でも1度の貸し出し上限冊数は20冊で、2週間は借りられるので年に1000冊というのは物理的に可能だろうが、そこまでやる必要があるのかな、と。あんまり見習いたくないよね。

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