【提出詩】「二〇二四年四月一三日朝」
壁をたたく音がした
「山っ」
という声がした
妻だ 妻がそう言った
布団の中のぼくは
「いつまで寝てるんだ もう起きろ」
そう言われている と思った
休日とはいえ もう9時だ
前夜は飲みすぎ 居間でそのまま寝てしまい
午前2時過ぎに目が覚め ベッドに入り直した
気分も悪く まだ寝ていたい
「山っ」
の後 何の音も 声もしない
「川っ」と応じるべきか
それとも
「海っ」と言うべきなのか
壁の向こうで 妻は息を潜めたままだ
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