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「じょうずな詩の書き方」          詩人宣言XXXIX

 よい詩の書き方を教えてくれぬか
なぬっ 教えてくれぬか だと?
おまえは ナニサマだっ
 すいません
 まだまだ初心者なので
 「よい詩の書き方を教えていただけませんか――」
うむ
詩というてもな
千差万別玉石混交有象無象があってな
これが よい詩なのです
これを マネして書きなさい
そうも言えぬ
人さまざま 人それぞれ
そこらの アン選集ソロジーを
読んどきな
それ読んでもわかんない とか
ヒラめかない とか
書けない とか
ぐだぐだ四の五の言うんなら
「詩を書く」なんて やめときな
 そう言わず そこを何とかお願いします
ふむ
詩なんてぇものは
すべての言葉 文字ん中から 外に出てこなくても
心ん中 頭ん中に
誰でも 持ってるもんさ
 ええ ハイハイ
そこを「文字」「文」「音」に
できる奴は 表現者
詩人になれるってわけさ
 ええ ハイハイ
それが いくらかでも でき
それに 共鳴してくれる人がいりゃ
もう
「自分は詩人です」
って 言えばいいんじゃねぇの
 ええ ハイハイ
花潜幸(はなむぐりゆき)っていうおじさん詩人が
「詩と思想」5月号に

「よく見聞きし熟考された文は、胸元へ詩に類似した美や真実を突き付けてくる――」

と書いている
ここでいう「文」は 小説だ
瀬戸内晴美の「夏の終わり」(昭和37年)っていう小説の一節を引いて
解説してたんだよ
小説でも エッセーでも
本来「詩」とうたっていない散文も
改行し 分かち書きしたら
見事な詩だ――っていうのが結構あるだろ
 ええ ハイハイ
 私も そんな詩ばかり書いてる気がします
だろっ!?
それでいいんじゃねぇの
読む側が あんたの「詩」に
美や真実を感じるかどうか
詩作は そこにかかっている
オレは そう思うよ

 ありがとうございました

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