親族の和合への取り組み 町塚家の場合
4月30日に行われていた
「食を通して平成という30年を振り返る、平成最後の晩餐」という番組で
紹介されていた事で、衝撃的な調査結果があった。
ある小学校を取材対象にした食卓の調査で、
この数年で、孤食率がなんと『6割』まで高まったとのことだった。
また、そのうち2割はスマートフォンを見ながらの食事の様だ。
核家族化が進み、
共働きのライフスタイルが広まっていく事で、
家族の繋がりはここまで薄まったのかと、危機感を感じた。
家族の繋がりにも、その深め方にも色んな形があるが
私は、家族は社会の最小単位であり、家族は個人の社会性が育まれる起源であると思うからだ。
そういった意味で、家族・親族の和合は、
人間として肝心なテーマであり、ゴールデンウイークに考える機会に恵まれたので、私たちの親族の事例を紹介したいと思う。
(他のご親族和合への取り組みの事例も知りたいので是非教えてください)
3親等4世帯が毎年GWに集う
町塚家は、私から見て祖父、祖母を筆頭として、
長男の5人家族(私が含まれる)長女の4人家族、次男の4人家族の
15名だ。
最近は、私の妻、子供も加わって、4親等5世帯になった。
町塚の親族は、
私が幼少の頃から、毎年GWになると親族一同が集って
近隣のいつも同じ旅館に泊まりに行く。
驚くべきは、その参加費全てを
祖父がスポンサーしている事だ。
聞くところによると、
累計26回は開催されているようなので、
累計投資額は、1000万円を超える。
当時は、当たり前に思っていたが、世帯主を経験すると、
これは本当にすごい事で、親族の繋がりに長い年月もお金もかけるほど、
大切にしてもらってきた事を感じる。
近況スピーチという強制システム
また、するのはただの旅行ではない。
町塚家の集いには、誰もが逃れられない近況報告スピーチというシステムがある。
近況スピーチとは、
夕食の時間に、1人1人皆さんの前で立ち、
・自分のパブリックな活動の状況
・プライベートな活動の状況
・親族に共有したい事
等を1人5~10分程度でお話しするといったもの。
話した後には、少し質疑応答の時間がある。
祖父は眼光鋭く、肚が座った人だったので、
小学生時代の頃の自分は本当にこれが嫌だったし、
この時間を好まない大人もいたような気がする。
周りの嫌々な雰囲気は明らかに存在しながらも
『そんなことはまったく気にしない』
一番影響力のある祖父は強制的にいつもこの時間を作っていた。
しかし、2019年のGWに参加した会の近況スピーチの時間には、
少しいつもと異なる雰囲気が感じられた。
各人が話す内容に感謝や祝福、応援の気持ちが溢れていたのだ。
物事には、やり続けてようやく価値が分かるものがある。
祖父・祖母が命を懸けて
築いてくれていたのは『お互いの成長を見守りあい、支えあう文化』
だったように思う。
各々の近況を聴き、質問をしたり、コメントをしあうというのを
26回も繰り返したら、それは親族の縁も深まるだろう。
ましては、祖父・祖母はいつも前のめりに激励と祝福を飛ばしてくれていたのだから、その影響も多分にあったように思う。
祖父95歳、祖母93歳にて開催された今回の会は、
何か集大成のような雰囲気があった。
オトーリ、与論献奉という類似慣行
私達の親族は、近況報告という形で宴会を進めていたが、
他にもそういった取り組みはないだろうかと調べてみた。
すると、
繋がりが豊かそうな、沖縄や与論島の宴会文化である、
オトーリ、与論献奉にも似た特徴がある。
(全ての人が欠ける事なく輪に含まれる、話す時間が平等に回る、スピーチをする人は自分の話をする)
また、この前宮古島出身の人が教えてくれたのだが、
オトーリは、大人だけでなく、小学生くらいの子供(ジュース参加)もスピーチするようだ。
ちなみに、オトーリは中国から伝わっているようで、
私は、親族和合の知恵というのは、必要としている所には確実に継承されている知恵の様に感じた。
近況報告に関しては、システムは単純なので、
行う覚悟とブレない気概さえあれば、他のご家系でも実施できるように思うし、もしかしたら似たような事をしている家系もあるかもしれない。
普段、意外と聞かない、親族和合のための取り組み。
是非古今東西ある、色んな家系にある、
親族の繋がりを深めるための取り組みについて、
色んな事例や知恵を知っていきたい。
社会性の基本になる、親族和合というテーマ、
これを機に、『うちの家系はこんなことしているよ』等ありましたら、
是非ご鞭撻頂けますと幸いです。
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