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【番外編】月の輝く夜だから

初めましてのみなさまも、おなじみのあなたもこんにちは、MAKIです。

仲秋の名月と満月が重なる3年でした。
歳女、
病床下、
シングル、
それぞれ異なるフェーズで迎えた月の日は
その見え方もそれぞれで

今宵、
夜空に浮かぶ輝く月を見ながら
ふと
言葉を残したくなり綴ることにしました。
お付き合いいただけたら嬉しいです。



思い返せば、恋をしてきた人生でした。

あの信号も、
この歌も、
アイスクリームも、
町中華も、

世の中にあふれるすべてに
何かしらの恋の想い出があり

わたしはきっとずっと
想い出たちとともに
生きてきたように思うのです。

それこそ日本のあらゆるところに
わたしが一生懸命に
あるいは不真面目に
恋をしてきた証が刻まれていて、

ほかの誰かと訪れても
いつかの恋を思い出してみたりして


すごく、ものすごく、
失礼だったのだと、
反省をしたフリをして
物思いに耽るわたしに酔っていたのだと
振り返るのです。


月には様々な表情があり
それは満ち欠けのルールもさることながら

雲の様子、
気温、
静けさ、

どこまでいっても受け身で
慎ましやかで儚げな
それでいて美しく輝ける

そんな月に憧れているのやもしれません。


同じ月を見ているわたしたち
でも
見えているものはきっと違くって


想いを寄せるあのひとにも、
想いを寄せているひとものがいて

わたしたちのメトロノームは
同じリズムを刻む日は
訪れないのかもしれないけれど

夜空に輝く月のように
あなたの「見たい」わたしになれているのなら
それはそれで本望だなあと

人は鏡とはよく言ったもので

好きなひとものと戯れて
楽しげにしているあなただからこそ
惹かれるものがあるのだと

叶わない恋心に落ち込むというよりは
見守るのを楽しんでいる
どこか俯瞰で見ているわたしがそこにはいて


わたしとではない誰かと
ここではないどこかで
笑って、美味しいお酒でも飲んで、
夢やくだらないのなかにあるなにかについて
仲間たちと語らいあって
あるいはひとりで噛み締めて

そんな姿を想像して、
思わずくすりとして。


宇宙の歴史からしたら
わたしの生きているこの数十年なんてちっぽけで
わたしが恋をしてきたひとものなんて
ほんの、ほんの塵のようなカケラのような
米粒にさえ満たないほんの、ほんの小さなもので


だから
そろそろこの小さなひとものたちの想い出を
ゆっくりとひっそりと手放して


新しい出逢いとして
受け入れていく準備をしていきたいなと
朧月をみながらぼんやりと
そんなことを考えているわたしがそこにいるのです。


これまでの恋にありがとうを告げ
いまここにある淡い、淡い恋心とともに

ひっそりと、穏やかに
この篝火が途切れないように

わたしはわたしで
輝いていたいとこころに決めるのでした。


次に仲秋の名月と満月が重なるのは
2030年だそうです。


7年後。

わたしはまた、
この物語を紡いでいくのでしょう。
ミライへの楽しみを残しつつ、
いまココ、
わたしの一瞬を滾らせて
今日も生きていくのです。


つづく

#ぜんぶ月のせいだ
#満月に捧ぐ

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