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エッグプラント

巻末付録 ~NGトーク集~

①(カオリ宅のリビング)

「ねぇ、真矢。そういえばさ、あんた、あんまり浮いた話ないよね。大学はあんまり馴染めてなさそうだったのは知ってるけどさ、本当に何にもなかったの?」

「え〜?ないよ〜。」

「本当に?あなた、まさか未経験なの?」

「やめてよ、もう。」

「別に恥ずかしい話じゃないじゃん。チャンスがなかったってだけなんだから。」

「いや、だから私も27だよ?んな訳ないじゃない。」

「えー、何?聞いてないよ、その話!」

「言ってないんだから当たり前じゃん。」

「隠してたの?」

「そういういう訳じゃないよ。誰からも聞かれなかったし、そんな話、わざわざ私から話すのおかしすぎるじゃない?」

「この際、どっちでもいい。相手誰なの?いつなのよ?別れたの?なんで?」

「ちょっと、矢継ぎ早過ぎるよ質問。」

「いいから、早く言いなさいよ。」

「えー、なんていうか、その・・好奇心みたいなものだったのよ、最初は・・ていうか最後までというか・・。」

「どゆことよ。」

「うーん。そのなんというか、ずっと私男の人に興味持てなくてさ。少なくとも私の周りにいた大学生達には全然魅力感じなくて。」

「その話は何度も聞いてたよ。ほんとに何度も。いつも、とりあえずお付き合いしてみなって、言ってたじゃん、私。」

「そこをすっとばしちゃったのが悪かったのかも。」

「お〜!!、はい!続けて〜。」

「茶化さないでよね。」

「ね、レモンサワー私にも一本もらうよ。」

「いいよ。あれ?私ピスタチオ買わなかったっけ?」

「ん?そだったっけ?」

「あ、ほらカオリのおしりの下〜。もう、ヤダ〜。」

「私のケツ圧で殻を破りやすくなったよ。はい。」

「はい、じゃないよ、もう。食べるけど。」

「で、続きは?」

「あ、やっぱ続けるのね。」

「肝心なところ何も聞いてないじゃない。」

「それでね、3年生の時、ゼミの先輩と二人で徹夜でカラオケみたいなことになったの。なんか地震かなんかで、交通が寸断されて、私は当時茨城から都内に通ってたから帰り絶望だったんだよ。他の子はみんななんとか帰れたんだけど、私だけその場に残るような形になって。」

「よくあるパターンじゃない。それで一人暮らしの先輩方んちで、、てやつ?」

「まあ、言ってしまえば。」

「なんで黙ってたの?隠すような話じゃないじゃん。まさか、先輩とかに無理やり迫られて、断れなかったとかで、ちょっとトラウマになるような話じゃないでしょうね。」

「あ・・いやむしろ逆かも?」

「え?なになに?ちょっと何よ。」

「いや、逆というか、セックスしたら男の人を好きになるかな〜、て思って。なんか脳内にオキシトシンが出る、ていうじゃない?だから、徹夜するのは流石にきついから先輩の家に泊めて〜て私から結構ド直球にお願いしたの。」

「へぇー、その人はフリーだったの?」

「多分。冴えない人だったから。優しくていいだけの人。」

「その言い方w」

「まあ、そんなこんなで結ばれたのよ。彼も初めてだったみたいで、一生懸命頑張ってくれた、と思う。でも、なんか違ったんだよね。」

「違うって?下手だったの?」

「分かんないよ、私だって初めてだったんだから。ただ、その人のことを好きになるとか、性に目覚めるとかそんなのは、まあなかったよね。」

「コンドームは使ったの?」

「先輩のお家に行く途中のコンビニで買わせた。あはは。その時点で先輩真っ赤な顔してた。レジのお兄さん笑い堪えてたんじゃないかな。あははは。」

「で、それっきり?その後お付き合いはしてないの?」

「まあ、半年くらいは続いたかな。付き合いはじめて1ヶ月くらいで、レスになっちゃったけど。」

「酷いわね。あなたから誘っておいて、はは。ね、ピスタチオ私にもちょうだい。」

「そんなギラギラな爪してるからだよ。」

「いいじゃない。」

「もう。はい、あーん。」

「あーん。」

「でね、やっぱり好きにはならないな〜て思ってさ。そのままで関係を維持してもよかったんだけど、その人と一緒にいる時間が有意義に思えなくてさ。それで、結局私から別れちゃったの。けっこう唐突にだったからショックだったみたい。今思えば酷い話よね。あははは、わたしの黒歴史だよ。」

「へー、なんか意外っちゃ意外だね。真矢はもっと、なんていうかお堅いイメージがあったから、そんな好きでもない人と寝たりしないと思ってたし、お付き合い始めたらちゃんと長続きさせるのかと思ってた。」

「セックスてものをしてみたたかっただけだったんだよ、多分。今にして思えばね。」

「エッチしたかっただけで、そんな冴えない先輩とできるもの?むしろ見ず知らずのイケメンとなら話分かるんだけど。とりあえず、童貞捨てたいっていうモテない男子の発想よ。」

「そう言われたらそうかもしれないけど、セフレみたいには思いたくなかったのかも。」

「なによ。セフレは悪くないよ。」

「ね、冷蔵庫にキムチ買ってきたの入れてるから出してくれない?」

「ちょっとまってね、はい。」

「あ、チーズも一緒に取ってよ。キムチとチーズて相性いいんだよ。両方とも発酵食品だから。」

「え、考えたことない。ていうか、合わなくない?」

「えー、おいしいよ。やってみなよ。」

「いや・・いい。遠慮しとく。」

「例えば、納豆とかも発酵食品じゃない?結構チーズとかキムチと相性いいんだよ。」

「それとこれ違わない?ていうか納豆とキムチの相性いいのかも疑問だわ。」

「美味しいのに。」

「そもそも、あたし辛いのダメだし。」

「そうだったっけ?」

「覚えてない?高校の卒業旅行で韓国行ったときに、辛くないよ~ておじちゃん言うからお店入ったのに出てくるもの出てくるものすべて辛くて私だけ、ずっとナムルばっかり食べてたの。」

「あははは、あったね、そんな話。」

「機会があればまた旅行行ってみたいね。今度はハワイがいいな。」

「ねぇ、カオリに逆に聞きたいんだけど、なんでセフレばっかなの?」

「え?なんでって。そりゃ・・」

「いつもさ、ラブが原動力って言ってるけど、セフレって発想が真逆じゃない?」

「まあ、そこのラブはいわゆるメイクラブ、要はエッチのことなの。でも、その人のこと好きなんだよ。ただ、距離感というかずっと一緒に居たくはなくて、エッチしたいときだけ一緒に居れればいい、というか。」

「え~なにそれ。むしろ全然わかんない。お小遣いくれるとかでもなく?」

「うまく説明できないよ。」

「つまりは、リビドーってこと?」

「りびど?なにソレ?」

「フロイトだかユングだかが言ってる。特に性的なものに対する本能的欲求だったと思う。違ってたらごめん。気になるならググって。」

「ふーん。初めて聞いた。」

「そうするとさ、私は本能に正しく生きているわけじゃない?真矢はそういうの思うときないの?」

「正しくって何よ。ん~、ない・・かなぁ~。なんでだろね。」

「もっかいその先輩に抱かれてみたらいいんじゃない?」

「やめて、おぞましい。鳥肌たってきた。」

「何のトラウマよ。どんだけ下手だったの?」

「下手とか上手いは分かんないよ。私そんなに経験人数いないもん。」

「そんなに?ほかにもいるの?」

「あ~、まあ。さすがに経験人数があの人だけってが嫌すぎて・・へへ。」

「あんたのセックスに対するモチベーションてなんなのよ?私のセフレの方が全然マシじゃない。」

「もう、いいじゃない。」

「ラブが最初にないのに、よくいけるね。本当不思議。」

「ねえ、この話やめない?」

「相手が誰なのかだけ、教えなさいよ。」

「え~、バイト先の後輩君だよ。」

「なんで手近なところで済ますのよ。六本木でナンパしてきた超イケメンとかじゃないの?」

「私をナンパしてくるもの好きはいないよ。やっぱりその後、すっごく気まずくなっちゃった。」

「そりゃそうよね。」

(NG理由)
冗長な上に本編の伏線回収になるような内容がない。


②(蒼の結婚お祝いの席)

全員「かんぱーい!!」

カオリ「えーっと、最後に3人そろったのってあたしの短大卒業の時以来じゃない?」

蒼「あ、そうかも。私も看護学校が終わるところだったから。」にこにこ

真矢「違うよ〜。3年前だっけ?会ってるじゃん。マイの結婚披露パーティ呼ばれたときだよ。カオリはずっとお隣りの席の男連中とばっかり話してたけど。」

蒼「あははは。そうだ!あの日マヤちゃん遅れてきたんだよね。3人で話したイメージなかったからすっかり忘れてた。」にこにこ

カオリ「ちょっと、思い出させないでよ。あの時の男、思い出しただけで腹立つ。」

真矢「自分から言い出したんじゃん。」

カオリ「あれは抜き!ノーカウント!」

真矢「何ソレ?ま、その話は主題じゃないからいいけど。」

カオリ「いちいち言い方が理屈っぽいのよ。腹立つ。」

蒼「ねぇ、真矢ちゃんは最近お仕事どうなの?」にこにこ

真矢「えっと・・」

カオリ「あはは、真矢ったら相変わらずよね~。もうアルバイト先に就職しちゃえばいいのに。」

真矢「就職とかしたくないし。」

蒼「ね、そういえばこないだマヤちゃんの記事読んだんだけど・・」

カオリ「わー、来た来た~!!ちょっと、みんなまだ手付けないでよ。写真写真。みんな撮らないの?」

真矢「撮ったやつエアドロお願い。お腹すいたんだから早く食べようよ。」

カオリ「ちょ~っと待っててね。よいしょ。はい、こっちからも。ね、真矢箸上げしてくれない?」

真矢「なんで私が。」

蒼「こーんな感じ?」にこにこ

カオリ「あ、そうそう。いい感じ!」

真矢「あれ?そういえば蒼はいつだかベジタリアンになったとかなるとか言ってなかった?こんなお肉もりもり料理大丈夫なの?」

蒼「あ~、さすがマヤちゃん。よく覚えてるぅ。私ね完全なベジタリアンじゃなくてフレキシタリアンなの。だからぜんぜん大丈夫なんだよ。」にこにこ

カオリ「フレキシ・・?なにそれ?」

蒼「基本はベジタリアンなんだけど、時々解放する感じ?好きな言い方じゃないけど、チートデーがあるベジタリアンていうと皆にわかってもらえるよ。」にこにこ

カオリ「へー、そうなんだ。便利でいいね、それ。」

真矢「でも、それってベジタリアンじゃなくない?」

蒼「そう。だからフレキシタリアンてことで、区別してるの。」にこにこ

真矢「ふーん、なんか変なの。」

蒼「気持ちの持ち方って感じ。ずっとお野菜だけだと、どうしても栄養バランスに偏りができてしまうので。だから、こうやってお友達と外食する時だけは、栄養補給も兼ねてね。」にこにこ

カオリ「ますます便利でいいわね。私も名乗ろうかな。」

真矢「そんなにお肉頬張りながらいう話?」

カオリ「ダイエットと一緒だよ。明日から。」

真矢「カオリはダイエットしっかりできてるじゃん。」

カオリ「当たり前じゃん。見た目って女子の一番の武器なんだから。」

蒼「見た目大事だよね。」にこにこ

カオリ「真矢はもう少しメイク変えたほうがいいよ。多分ダイエットしてるんじゃなくて、小食なだけでしょ?ちゃんと運動とかして体を維持しないと30代になっていきにくるよ。」

真矢「え〜、そっかな。」

ミドリ(しかし、よくこんなに話が続くな・・)

(NG理由)
 冗長な上に内容がない。

③ある日のスタバ

「なーんか、蒼の気持ち分かるわー。」

「え、どうしたの?」にこにこ

「言ったっけ?今、真矢と一緒に住んでるの。」

「うん、聞いてるよ。」にこにこ

「ミドリさんも放送作家のお仕事されてるじゃん?毎日あんなに不規則なの?」

「う~ん、そうだね。とにかく忙しい!でも、それって喜ばしいことなんだって。」にこにこ

「真矢を抜擢してくれたのはありがたいんだけど、深夜帯ラジオだからさ。なんかこっちが気を遣っちゃって。真矢は気にしないで~なんて言うんだけどさ、仕事終わって帰宅したら、ねんね中だからさ。」

「マヤちゃん、ちゃんとお家帰ってるなんて、えらーい。ミドリちゃんなんて最長2週間くらいホテルに缶詰めなんてことだってあるのに」にこにこ

「そうなの?それはそれでどうなのよ?」

「時々洗濯物だけ受け取りに行くからちゃんと会えてはいるんだよ。」にこにこ

「そうなんだ。あなたも看護師で不規則なのに大変じゃない?」

「ううん。24時間いつでも来ていいよって言ってくれるから、だいたい夜勤明けに取りに行くんだ、差し入れとか持って。」にこにこ

「そうなの?なんか蒼はやっぱりえらいね。看護師の鏡だわ。」

「ねえ、マヤちゃんとカオちゃんはパートナーシップとかやらないの?」にこにこ

「え?いや、そういうんじゃないから。ないよ。多分・・。」

「ふーん。」にこにこ

「多分そんなことないよ。多分きっと・・。」

「好きなら好きでいいじゃない?」にこにこ

「・・・だって・・」

「・・」にこにこ

「あ、ごめん。私、そろそろ行かなきゃ。ありがとう、愚痴に付き合ってくれて。」

「うん。元気出してね。何かあればいつでも話聞くから。バイバーイ。」にこにこ

(NG理由)
伏線を伏線のまま終わらせる為に

④ある日の会話

「どしたの?」

「・・・た。」

「え?本当!?」

 小さく頷く

「・・そっか。」

「・ぅ・・ぃ。」

「・・・やっていけるよ、絶対に。」

「・・ほんと?」

「あたりまえじゃない。」

「ぁりがと・・。」

「ちゃんといったの?」

 首を横に振る

「うーん・・、そこはちゃんとしとこ。」

「ぅん。」

「ふう、そうだな・・。一旦私の扶養に入りなよ。」

「・・いいの?」

「それが最善だよ。」

(NG理由)
 エピローグに入れようと思ったが、作者が最終的な会話の落とし所を思いつかなかった。

#創作大賞2023

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