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Cleaning - Challenges by Ms Thandeka

テンデッカちゃんがいよいよ新しい住まいにお引越しをする当日、私も何かできることはないものかと、朝から一緒に新しい住まいまでついていった。

玄関からテンデッカちゃんの新しい女性の大家さんと元気な犬が出てきて、白で統一されたテンデッカちゃんの新たな部屋は広くてとても素敵なところだった。

が、掃除はされていなかった。

実は引っ越し前日、新しい女性の大家さんから申し訳なさそうに連絡があり、掃除をするのに少し時間が掛かるので翌日の引っ越しを延期することは可能か、という相談だったらしい。新しい住まいは確かに掃除されていなかった。一度も拭いたことがないであろうガラスのテーブル、トマトと食べかけのピーナッツバター、シャワールームも明らかに掃除されていなかった。

昨日までここに住んでいたジンバブエ人の女性は私とテンデッカちゃんの大家さんが経営する会社で仕事をしていて、大家さんの会社のオフィスは私とテンデッカちゃんの住まいと同じ敷地内なので。つまりジンバブエ人の女性社員とテンデッカちゃんは当然面識があり、彼女がジンバブエに帰国後、テンデッカちゃんが引っ越してくることもよく理解していた。大家さんの見解としては、残念だけど、テンデッカちゃんが引っ越してくることをわかっていて、テンデッカちゃんが掃除をすればいいと思って、掃除をせずにジンバブエへ帰国したのかもしれないとのことだった。

一般的に、異人種間でコンフリクトや相容れないことが生じると人種差別等と叫ばれ、南アフリカのように人種が多様だったり歴史的な背景もあって、人種差別という問題に多くの注目が集まるが、例えば同じ黒人女性同士のテンデッカちゃんとジンバブエ人女性であっても、外野から見て、人種差別とは言わないけど、何かこうお互いに敬意を持って接するみたいな習慣や考えがあまりないのかも、と思ってしまうことがある。

立つ鳥跡を濁さず、とは本当によくできた教えだと思う。私も南アフリカに滞在している間はどなたかの持ち物に住まわせてもらっている立場なので、綺麗に使わなくてはと改めて考える機会になった。

テンデッカちゃんの挑戦は続く。


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