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真理はよみがえるだろうか ゴヤ<戦争の惨禍>全場面

国立西洋美術館の常設展への入場で観ることが出来ます。

常設展はモネの「黄色いアイリス」など、
何度観ても素晴らしい展示です。

モネ「黄色いアイリス」

ゴヤの作品はスペイン戦争時の様子を描いたものですが、
現在過去未来のいかなる戦時中においても、
人間はこうなるという普遍的な描写です。

敵も味方もありません。

フランス兵に暴行されるスペイン人を描いた後に、「同じことだ」というタイトルでフランス兵に暴行するスペイン兵を描いており、戦争という大義名分の元の暴力、暴行、弱いものへの虐待、不条理、ゴヤの視点は公平です。

戦時下の残酷で惨たらしい光景がこれでもかとばかりに描かれており、むしろ真理とはこのことではないかとさえ思えて来ます。

「やはり野獣だ」というタイトルの絵がありますが、野獣はこの様な戦争はしません。
野獣は生きるために殺すことはあっても、
人間の様に殺すために殺すことはしません。

むしろ獣と言われる動物たちの生息地を破壊、人里に来て獲物を取るしかない動物を害獣と言っては駆除し、狩猟という名のレジャーも行い、大量殺戮して絶滅に追いやって来たのが人間です。

写真撮影が出来る展示場でしたが、写真を撮る気にもなれず(他の人も誰も撮影していなかった)、常設展会場に戻りました。


初回展示作品
ピカソの「小さな帽子を被って座る女性」と「女性の胸像」、
常設展の入場料500円という金額でこれだけ豪華な展示作品の数々を観ることが出来るのはここだけでしょう。

ピカソ「小さな帽子を被って座る女性」
ピカソ「女性の胸像」


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