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ニューヨークの食|ソウルフードは和食

半世紀以上も付き合っている胃袋に何を入れてあげれば毎日をフットワーク軽く、気分爽やかに過ごせるか。それは私にとっては紛れなく和食である。好き嫌いを超えたソウルフード(郷土料理)だ。
 
50代からの海外生活を健やかに送るために優先したいことは食である。どの世代にも必要かつ欲する食があるだろうが、50代ではじめる新たな環境での暮らしにおいてはその比重がこの上なく大きくなっており、正しい食を選択することが欠かせない。
 

ニューヨークでも冬の定番になるおでん


先日、頻繁に海外を訪れる友人も話していた。海外滞在中はその土地ならではの食事をここぞとばかりに堪能してきたが、前回からそれがきつくなったと嘆いていたのだ。

全く同感である。
ここでしかお目にかかれないローカルフードに興味は募る。だが最近、慣れないメニューが続いたことで働き過ぎたお疲れモードの胃にねぎらいの言葉をかけることが多くなってきてしまった。ただでさえ予期せぬ心配ごとが増える海外の暮らし。余計なストレスをでプラスはしたくない。
 
和食は長年慣れ親しんでいるゆえ胃袋がフルパワーで動き続けている感覚はない。地道にこつこつと消化する作業を担ってくれているようだ。和食をいただくことで胃袋には持久力がつき、ニューヨークでの長距離走にも耐えうるという期待がもてる。
 

KABOCHAの煮もの


ニューヨークは世界で最もダイバーシティな街なので、どんな食材でも手に入る。特に和食はユネスコ無形文化遺産に登録されているだけのことはあり、こんなところで!と和の食材との出会いに驚嘆することもしばしばだ。しかしどの食料品店でも扱っているとは限らない。さらに仕方がないことではあるが日本との価格差に仰天し、日本で慣れ親しんだ味、香り、食感とは微妙な差に落胆することもある。
 

BBQでサバの塩焼き


それでもニューヨークで可能な限り和風の食材を手に入れ、和風の味にこだわっていくのは、それが私の胃袋に合った正しい食であるからだ。


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