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元彼ヒモ物語

『かわいいね、大学近いし、よかったら話そ!』
出会いはそんなmixiのメッセージから始まった

年齢は1つ上
武道をしているとのことで、がっちり体型
プロフィール写真も好み、ちょっとヤンチャそう?

初めての彼氏にフラれてから自信を無くしていた私は、単純にこのようなタイプの人から声をかけてもらえたことが嬉しかった

連絡を取ったり遊ぶようになってから2年後に付き合うことになった
『前の彼女で最後にしようと思ってたんだけど、遠距離で続かなくて別れた。相手に悪いことしたと思ってる。今度こそ恋愛は最後にしたい。最後の彼女はまこがいい』
連絡はそこそこマメだったし、そこまで考えてもらえていたことがとても嬉しかった

お互いの大学が近くにあり、会おうと思えばいつでも会えた
しかし、だんだんと違和感を覚えるようになった
口癖は「バイト」「寝てた」「金ない」
嗜好品・娯楽は酒・タバコ・ギャンブル

元彼から『重い』と言われてフラれていたため、会いたくてもなかなか会いたいと言えなかった
断られたり、『面倒臭い女』と思われるのが怖かった
ちなみに、会える頻度は3〜4ヶ月に1回
まるで脱毛サロンの予約のような頻度であった

いつでもお金がない彼
お金だけが理由で会えないなら私が出してでも会いたい!と思ってしまい、ホテル代(泊まり)は私が出すことがほとんどだった
なんなら私の誕生日にイルミネーションを見に行った以外はホテルにしか行っていなかった気がする
彼の最寄り駅まで行くから、ご飯だけでも行こうよと誘ったこともあるが、『会うなら長い時間会いたいじゃん』とうまくかわされてしまっていた

そんな関係でも、私が好きだったため1年続いた
私は就職、
彼は必修科目が履修できておらず留年
(しかも1年の時に履修するやつ)

一度休学して、学費を貯めると言い出した
ますます会えなくなった
それでも何故だか彼に縋り付いていた


就職してから半年後を目処に、私は実家を出ることにした
それを彼に話すと『俺もその頃に復学する。一緒にすまない?』と同棲の話をもちかけられた
今まで全然会えなかったのが、これで毎日会えるかもしれない
それまでお互いに頑張って貯金しようという話になった


同棲の話が出てから約4ヶ月
どんなアパートがいいか、場所はどの辺りがいいか、前向きに話し合おうとする姿勢は見られなかった  
『まこの好きにしていいよ』といった感じ
その割に『◯月には住み始めたい』などと希望は言われていた

そしてお金
まったく貯金されていなかった
かなり呆れたが、色々と言い訳を述べられて面倒くさくなった
一緒に住みたかったし、そうじゃなくとも私は実家を出るつもりだったので、家電含む初期費用をすべて1人で負担した

彼は多少申し訳なさそうにしつつ、『バイトもするし家事もする』と言ってくれた
信用することにした

同棲が始まった
私は朝出勤し、21時頃に帰宅
彼は日中に学校へ行き、空き時間はバイト(夜勤)
夜ご飯は彼が用意してくれていたため、1人でそれを食べた
新人だった私は日々働くだけでヘロヘロで、家事などあまりできなかった

アパートはプロパンガスで、ガス代が高かった
少しでも節約したくて、私は湯船には浸からずシャワーで済ませていた
しかし、彼は毎日湯に浸かっていた(形跡があった)
なんだかとてもイライラした

仕事から帰宅すると、彼の朝や昼ごはんの食器がシンクに置かれたままだった
洗濯物は畳まれていなかった

同棲してもすれ違い生活だし、
お金を一銭も入れていないのに節約はしないし、家事も口だけ
バイト代は学費と友達との飲み代やギャンブル、タバコに消えていた

ストレスが溜まっていった
それでも身体の相性は良く、休みが一緒になると言葉巧みに甘やかされ、求められ、繋がった

あまり愛されている自信はなかったが、必要とされているとは感じていた
私のどこが好きか聞いたら『尽くしてくれるところ』と答えた
嬉しい反面、とても違和感だった

寂しい思いをしつつ、離れられずにいた
そんなとき、私の誕生日を迎えた
お互いに仕事やバイトであったが、朝と夜は顔を会わすことのできる時間があった

朝起きるが、おめでとうの言葉はない
日中の連絡もない
仕事から帰宅すると「夕飯は食べてから帰る」と連絡が来た
忘れられていると思った
私は1人寂しくカップ焼きそばを啜った

次の日、やっとおめでとうと言われた
「忘れてたのかと思った」と伝えたら、
『そんなことないよ笑』
『別に一日くらいなんてことないでしょ笑』と馬鹿にされた

ここで私の中で何かが切れた
この人は私をこれからも大切にしてくれない人だと思った

数日後に別れたいと伝えた
まさか私からフラれると思っていなかったようで、『俺も正直結婚は無理だと思った』と言われた
負けずと言い返すと『俺も変わるから考え直して』と言われた
変わるわけがないと思っていたため、荷物をまとめて出ていってほしいと伝えた

同棲を始めてから約2ヶ月でお別れすることとなった


思い返せば、序盤から怪しい点はたくさんあった
プライドが高く、モラハラ気質でもあった
それでも彼から好かれたくて、必要とされたくて、無理やり好きな理由を見つけてそばに居たかった
もちろん彼がクズだった
私の優しさにつけこんで、『アイツは俺が好きだから』と言葉巧みに甘い言葉で釣り、どんどん傲慢になっていった
しかし、彼のせいだけではない
私の自己肯定感の低さがヒモを産んでしまったのだと今ならわかる


自分を大切にしてくれない人からは離れようね
まずは自分を愛そう


〜その後〜
彼が激痩せしたと聞いて「ざまあみろ!」と思ったと同時に少し申し訳なくなった

ちゃんちゃん

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