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人生晴れ舞台【偉人の言葉クリニック】3000文字

 転職をしたことはありますか?
この頃では仕事を変える人や機会も
増えているように思う。
そういう自分も転職は多く、
10社ぐらいの経験があるかな。
お金は生活の元手になるから仕事は大事。
終身雇用的な働き方の方が
珍しくなっている今日この頃、
人生の色んな局面で、
転職を考える機会が多くなってきている。
その機会を考えた時に、
世界の文学者達が残してくれた言葉を
紡いでいくと、もっとラディカルに
人生を捉えているのが見えてくるのです。

人生=仕事でもないけど、
最近どうもねぇ、と考えたりしませんか?
そんな時に文学者の言葉に耳を傾けてみると、
肩のちからが抜けてきて、
人生の展望が開けてくると思います。
 
まずはイギリスの大御所
ウィリアム・シェイクスピアさんの
言葉から聞いてみましょう。

成し遂げようとした志を、
ただ一回の失敗によって捨ててはいけない

失敗を恐れちゃいけないよって。
失敗なんて繰り返すものだから、
転職も何回もすることで、
初めてあなたの志は叶う
と聞こえてきます。
いやぁ、僕も志に向かって、
まだまだ転職、転職!
 
お次はドイツのヘルマン・ヘッセさんが
こう言っています。

しがみつくことで強くなれると考える者もいる。
しかし時には手放すことで強くなれるのだ

神学校を脱走したり、学校も退学、
本屋のアルバイトも3日で逃げ出して、
職を転々としながらの結構手放しの半生ですが、そんな転がり人生を乗り越えて
「車輪の下」にたどり着き、
ノーベル文学賞ももらいました。
そんな達観者のヘッセさんですから、
さすがに言うことがちがいます。
手にしているものを放すのって、
難しい事が分かっているのですね。
だからこそ、
しがみついてちゃいけない、
と諭していますね。
“しかし時には”の部分に
ちょっと遠慮が見え隠れしますけど、
今ある仕事を手放してみるのは
勇気もいることですが、
そこにこそ新しい自分を
磨ける機会があると聞こえます。
ヘッセさんは新しい機会を進んで
受け入れようと叱咤激励しています。
因みに僕はヘッセさんの
「シッダールタ」
は愛読書の1冊です。

さらに追い打ちをかけるようにして、
ドイツからもう一人、
ゲーテさんはこう言います。

自分自身を信じてみるだけでいい。
きっと、生きる道が見えてくる。

転職する時って、
親兄弟にパートナーと、
周りの人はとやかく言うものです。
言われ続けるのも疲れるもので、
気持ちが萎えてきてしまうのです。
でも、まわりの言葉を信じるよりも、
自分を信じてみる事で
新しい仕事や人生のやりがいが見えてくる。
あなたの人生は誰でもなく、
あなたが歩んでいくんだから。
自分を信じて経験を重ねれば、
自ずと生きる道が切り開いていく
と聞こえてきます。
この経験という事に関しては
日本の瀬戸内寂照さんが

いろんな経験をしてきたからこそ、
あなたの今があるのです。

すべてに感謝しましょう。

ゲーテさんの言葉と対になるような言葉。
限られた人生の時間の中で
いろんな仕事の経験ができるのって
それは楽しい事だと思うのです。
大人には許されるリアルキッザニア!
いろんな仕事の機会にありがとう、ですね。

そして次はロシアの文學界に
耳を傾けていきましょう。
ロシアには文豪の3大巨人がいますが、
まずは「戦争と平和」のトルストイさん

誰もが世界を変えたいと思うが、
誰も自分自身を変えようとは思わない。

そう!
誰もがそうなんです。
やれ上司がどうのう、
やれ取引先がどうのう、
やれ待遇がどうのう
と仕事とそれを取り巻く環境の事に
とやかく言いがちなんですけど、
早い話し、
その根本にある仕事を変えちゃえば、
一瞬で嫌な上司とおさらばスッキリ
世界が変わってしまうのです。
世界を変えるには自分だ、
と言っていますね。

そして二人目は「罪と罰」の
ドストエフスキーさん

問題は時間にあるのではなく、
あなた自身にあるのです。

トルストイさんの言葉に
シンクロしているような言葉です。
そこから更に
いつという時間軸の言葉が入っています。
自分自身で変えたい、
変わりたいと思った時がタイミングなのです。
時間に縛られる必要はないのですね。

そして3人目は「狩人日記」のツルゲーネフさん、

すべてが完全に準備される瞬間を待つというのであれば、何も始めることはできないだろう。

そしてこの言葉で今という時間の重要性が
強調されているように聞こえてきます。
林先生ではないですけど、今なんです。
このプロジェクトが終わったりとか、
せめて家のローンを半分返済したらとか、
TOEIC900越えたりとか、
転職への準備が整うまで待っているかぎり、
その時は来ないと断じています。
はい!
何も完全に揃わなくとも、
思った時がその時なんですね。

またアメリカの推理作家
アガサ・クリスティさんは

人生の悲劇は、人は変わらないということです。

せっかくの1度しかない人生ですから、
なにも悲劇の舞台にする必要ないですよね。
その1回限りの人生舞台で、
変わらないということは悲劇だと
アガサ・クリスティさんは言い切っています。
仕事を変えるということは、
人生に明るさをもたらすきっかけかもしれない。
そうであってほしいですよね。
 
そして締めくくりに、
敬愛する日本の村上 春樹さんが、
明るさについてこんな事を言っています。

私が小説を書く理由はひとつだけです。
個人的存在の尊厳をおもてに引き上げ、
光をあてる事です。

小説家という仕事だけが、
個人的な尊厳に光をもたらす訳では無く、
全ての仕事に、
個人的な尊厳の光りがあるはずです。
全ての人にとって、
尊厳の光がある仕事はありませんが、
全ての人に、
光を見いだせる仕事があると思います。
仕事によって尊厳が損なわれるのであれば、
その仕事に拘ることはないのです。
少なくともその仕事は
あなたの仕事ではないのです。
すぐにでもそこから逃げて良いと思います。
せっかくの人生を
悲劇に仕立てる必要などまったくなく、
自分がより明るく前を向ける仕事の機会を求めていいと思います。より良くより明るい仕事を探すのが転職の機会です。
 
最後になぜ転職なのでしょう?
と根本的な部分について考えみると、
仕事に携わる時間というのは
人生の中で非常に大きなウェイトを
占めているんです。
20代半ばで社会に出て、
自力で金を稼いて
70歳過ぎまで生活する約半世紀。
1日8時間勤務とします。
これに通勤往復時間2時間
休憩時間1時間
少なく見積もっても
労働に使う1日の時間は11時間。
その他の13時間は
睡眠7時間、家事労働3時間、自由時間3時間
1日の時間の仕事の割合は、
45%!!!もあるんです。
人生は有限な時間である以上、
一番多く時間を使っている労働時間を
より良くしていくのが一番効果がある。
だから仕事は大事だと思うのです。
 
自分は転職が多い方だと思います。
かといって、
精緻な計画に基づいて
転職を繰り返してきた訳でもなく、
オーディオ製品好きだから、
オーディオメーカーがいいな。
日本の会社に来てみたけど、
残業とか会議とか大変だなぁ、
それじゃ、アメリカの会社ってどうなんだろう
アメリカはこんな感じなんだ
ヨーロッパの会社だと
そこらへんどうなんだろう、
ドイツの会社なんて良い感じだね
南アフリカ!こんな機会ないなぁ
えっ、この会社なら通勤時間が30分!
ロシア劇団のツアーコーディネイター?
面白そうだな、
その時々で光るものは違いますが、
全ての転職はそんな調子。
 
「働き方改革」 とは最近良く聞きます。
そこを改革することは、
一日の多くの時間を変えることになり
つまり生活が変わり、
すなわち「人生改革」につながるのです。
 
転職とは仕事を見つける以上に、
新しい生活と自分を創れる機会です。
もっとラディカルに転職できる環境と、
それ以上に人々のマインドが
気楽になれれば良いですね。
仕事によって人生が塞ぎ込んでしまうなら、
人生を変えたくて仕事を変えられる。
そんな人生の選択の幅が広がる社会で
あってほしいと思います。
 
*今回は応募企画のお題に沿って、
お仕事についてのエッセイを書いてみました。
楽しく読めました?
この偉人さんの言葉拝借エッセイいい感じ。
また書いてみよ。

―――おしまい―――

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