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地テシ:307 松井玲奈さんのモナと寺西拓人さんの汐見

早いもので「ミナト町純情オセロ」東京公演も残すところ3ステージ。東京が無事に終わりましたら次は大阪なんですが、全ステージ数から見てもこの辺りでほぼ折り返し地点となりました。
残りの東京も、そして大阪も、なんとか無事に終えられるように気をつけてミナト町に行ってきたいと思います。

そんなこんなの純情オセロ。12年ぶりの再演だったハズなのに、人物設定変更やら書き直しやらで実質的には新作のようになってしまって新鮮な気分で取り組んでいる公演です。

先週は主役であるオセロの違いを書きました。濃厚な橋本じゅんさんと端正な三宅健さんとでは自ずとキャラクターの違いが発生するので、設定から何から変わっているという話でしたね。
じゃあ今週はゲスト繋がりで、モナ役の松井玲奈さんと、汐見丈役の寺西拓人さんの話をしましょうか。とはいえ、実はこのお二人の設定は前回とそれほど大きくは変わってはいないんですけど。


原作での名門貴族の娘・デズデモーナにあたる役柄のモナ。純情オセロでは医者の娘になっています。
今回は松井玲奈さんに演じて頂いておりますが、12年前には石原さとみさんに演じて頂きました。お二人とも超美人で超キュートなのは皆様もご存じの通り。舞台上ではさらにキャピキャピ度を増して、ストレートにオセロを愛するキャラクターとして演出されています。

そういうモナのキャラクターとしての大きな変更点はないのですが、あえて違いを探すとすれば、石原さとみさんの場合は純真さが強調され、松井玲奈さんの場合には芯の強さが強調されているように感じられます。
モナのイメージカラーといえばもちろん《白》ですよね。そう、《白》なのですが、ここであえてピンクという色で例えてみると、そう、あえてピンクで例えるとしましょうよ。してみましょうよ。
お二人ともピンクっぽい可愛らしい色合いであるのは同じなのですが、石原さとみさんのモナは赤みの強い《ローズピンク》で、松井玲奈さんのモナは青みのある《ラベンダー》のような印象なのです。もちろん私の個人的な感想だし、この例えで伝わってるかどうかも判りませんけどもね。

どちらのモナも可愛らしくて一途で知的でとても印象的です。オセロや三ノ宮が一目惚れするのもよく判ります。ただまあ、私が演じる三ノ宮と絡むシーンは一切ないのが残念なところです。


寺西拓人さんに演じて頂いている汐見丈は、原作でのキャシオーに当たります。将軍オセローの元で、イアゴーと争って副官の座を勝ち取った役回りでして、イアゴーから恨まれるのも仕方のない役柄です。
12年前に伊礼彼方さんに演じて頂いた時には、原作通りにオセロ組長から若頭の地位を与えられたために伊東郷(イアゴーの役回り)から恨まれていました。ですが、今回の汐見は若頭であるオセロの補佐でして、オセロとも仲が良いのが大きな変更点です。

伊礼さんも寺西さんも、お二人とも歌って踊れるイケメンでして、陽気でインテリな汐見にピッタリです。なのですが、あえてお二人の違いを見つけるとすると、伊礼さんが演じた汐見がクールなイケメンだったとすると、寺西さんに演じて頂いている汐見はホットなイケメンって感じなのです。寺西さんの持つお調子も……いや、陽気なキャラクターがにじみ出ていて可愛らしい汐見になっていると思います。

ちなみに私の演じる三ノ宮は、高田聖子さん演じるアイ子以外とはほとんどカラミがないのですが、寺西さん演じる汐見とはちょいちょい関係するので楽しく共演させて頂いておりますよ。


今回のゲストである三宅健さん、松井玲奈さん、寺西拓人さんはお三方ともに新感線には初参加です。不慣れな環境の中、そりゃあもう色々とやりにくいこともあっただろうと思われるのですが、大変な中でも体当たりで取り組んで頂いて、魅力的なキャラクターを作り上げて下さいました。
残りのステージも約半分。なんとか無事に最後まで行けますよう、どうぞ皆様もお祈り下さいませ。