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地テシ:354 フランク・ロイド・ライト展に行ってきたよ

さあ、dopeⒶdope step.9「バンピーラダーズ」の稽古が始まりましたよ!

2年前の「フェイクキラーズ」以来、二度目の参加となりますが、今回は次の人生を待っている死者たちが人間を駒にしたスゴロクに挑戦するという、様々な人間模様が交錯するトリッキーな舞台になりそうです。
小さな劇場ですのであっという間にチケットがなくなるかもしれません。気になる方はどうぞお早めに!


そんなワケでね、約二ヶ月ぶりに演劇の現場に戻ってきたのですが、その前にパナソニック汐留美術館で3/10まで開催されている「フランク・ロイド・ライト 世界を結ぶ建築」展に行ってきました。

グッゲンハイム美術館落水荘など、アメリカを中心に数多くの作品を残した建築家であるフランク・ロイド・ライトですが、日本にもいくつか作品が残されています。今は愛知県の明治村に移築されている二代目帝国ホテルや芦屋市の現・ヨドコウ迎賓館などが有名ですが、以前に保坂エマさんと一緒に行った池袋散策でも寄った目白の自由学園明日館は東京で気軽に見に行ける唯一のライト建築です。

こちらが自由学園明日館。ライトは学校建築も多く手掛けています

螺旋や幾何学模様に象徴されるモダンな側面と、マヤ文明などの古代意匠も取り入れたアンティークな側面が入り交じり、様々な顔を持ちながら、プレファブ住宅などの安価な建築の普及にも貢献し、世界的に有名な建築家です。ル・コルビュジエやファン・デル・ローエと共に近代建築家の三大巨匠とも言われています。

パナソニック美術館は入り口前から撮影不可でしたので、ポスターの写真を

それほど広くはない美術館なのですが、パネルで複雑に仕切られて、しかもパネルごとにこれでもかとばかりに写真や図面やテキストが展示されており、なんとも濃密な展示となっておりました。
まずはライトの描いた建築予想図のドローイングが美しい。設計図の元になる平面図とかだと素人目には判りにくいのですが、回りの景色も含めて描かれた透視図だと一気に判りやすくなるんですよね。
しかも日本の浮世絵に影響されていたらしいライトのドローイングは余白が多く構図も大胆で、建築図と言うよりはもう絵画です。時代と共に変化しながらも、常に新しく有機的な建築を作り続けていたライトらしい美しさです。

アメリカ各地に現存しているライト建築の写真や図面が年代順に展示されており、初期の水平方向を強調したプレイリースタイルや、中期の幾何学的な帝国ホテルや明日館、晩年のポップな建築群など、幅広い作品が楽しめるようになっていました。
個人的にはプレイリースタイルの代表作でもあるシカゴのロビー邸の、機能的なのに開放的な端正さが好きでした。

会場内で唯一撮影可能だったのがプレファブ住宅であるユーソニアン住宅の原寸大モデル

特に晩年に作られたジョンソン・ワックス・ビルのポップさが印象的です。キノコのようにトップが広がった柱が林立しており、まるで森のような様相です。この柱を設計するために耐荷重試験をした映像なども上映されており、中々に貴重でした。
ライトは建築の設計と共に、内部で使われる机や椅子などの家具や食器なども統一的にデザインしたことで有名ですが、ジョンソン・ワックス・ビルのオフィス家具の円をモチーフにした机も可愛いんですよ。こちらも展示されておりました。
ジョンソン・ワックス・ビルについては、ヨドコウ迎賓館のホームページにも詳しく解説されておりますのでご参考にどうぞ。

他にも様々な机や椅子、食器や、二代目帝国ホテルの石膏模型なども展示されていて、狭い館内にギチギチに詰まっておりました。平日昼間にも関わらずかなりの人出になっていたので、終盤には混み合うかもしれませんのでお気を付けて。


まあね、展示を見ているとライトの奔放な生活も記述されていて、色々と波瀾万丈な人生だったことも判るのですが、それも含めて極めて人間らしくエネルギーに溢れた人だったんだなあと驚かされました。
ライトの幅広い作風や美しい家具、そして興味深い人間性までを楽しめるようになっておりますので、気になる方はぜひ汐留辺りまで行ってみて下さいませ。3/10までですよ。

会場は旧新橋停車場の真横にあり、上から見ることができるのも嬉しい
そして帰りにはレトロビルである新橋駅前ビルにも寄ってきましたよ