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地テシ:319 Apple Vision Proだと!?

二週に渡って東阪でお届けしたドナ禁「禁断のカタカナ」はお楽しみ頂けましたでしょうか。博士と二人してカタカナについてあーだこーだ言い合いましたが、二人ともネタを詰め込みすぎたかもしれませんね。随分と駆け足でした。


さて前回はその学会に持っていった、買ったばかりの新しいMacBook Proについて書きましたが、買った直後にAppleさんが開発者会議WWDC23で新製品を山ほど発表しましたね。

買った直後に新製品が出たとしてもMacに関しては悔しくはありませんし、そもそもMacBook Proには新製品は出ませんでしたし、とかそんな負け惜しみを言いそうにもなりますが、いや、そんなことはどうでも良いのですよ。そんなこと言ってる場合じゃ無いんですよ!
数多く発表された中で一番の注目はなんといっても複合現実ヘッドセット「Vision Pro」でしょう。最近話題のゴーグル型VRマシンに似たヘッドセットです。
ただ、これは単なるVRマシンではないようなのですよ!


概要やレビューなどは様々なサイトで紹介されているので、詳しく知りたい方はそちらをお読み頂きたいのですが、ここではそれをザックリとまとめてご説明致しましょう。

最近よくVR、AR、MRというIT用語が話題になっていますね。VRというのは「Virtual Reality」つまり「仮想現実」です。視界一杯に3DCGで描かれた仮想的な立体空間が展開され、その中で様々にリアリティのある体験ができるのです。
それと似た概念にARというのがありまして「Augmented Reality」つまり「拡張現実」ですね。現実の風景に別の情報を追加して表示する技術です。対面した人を顔認識してプロフィールを表示したりするヤツです。

で、このVRとARを組みあわせた技術がMRと呼ばれる「Mixed Reality」つまり「複合現実」なのです。現実の風景の中に3DCGで描かれた画像が重ね合わされ、まるでそれが現実に存在しているかのように表示されるのです。

でね、Appleの新製品であるVision Proは、いわゆるMRマシンではあるのですけれども、WWDC23ではそう呼称していませんでした。このデバイスは「空間コンピューティング」のマシンだと紹介していたのです。
これは一体どういうことなのか。


Vision Proには多数のカメラと高精細モニタが搭載されており、装着すると自分の周りの風景がそのまま表示されます。もちろん自分の向いた方向に応じて四方八方がね。つまり、ゴーグルを掛けているのに自分の部屋に居るのと同じ状況になるのです。
で、その状態で空間には様々なアプリのアイコンが浮かんでおり、その一つを“見た”まま指を動かすとそのアプリが起動して空間に浮かびます。そう! コントローラが無いんですよ! どうやらほとんどの操作を目、手、声だけでできるようなのです。しかもMacやiPhone、iPadとも連携して、その画面を表示することもできます。
つまり、自分の部屋の空間に様々なウィンドウを並べて自在に操れるらしいのです。もうほとんど映画「マイノリティ・リポート」や「アイアンマン」の世界ですよ!

もちろん従来のVRデバイスのように視界いっぱいの3Dゲームをプレイしたり、3D映画を大きなスクリーン相当で楽しんだりもできるのですが、それがメインの使い方ではないのです。
あくまでも、いつもの生活空間の中に様々な要素がウインドウとして浮かんでいて、それぞれに自在にアクセスできるデバイス。これが空間コンピューティングというワケです。

要するに、このVision ProはこれまでAppleがリリースしてきたMacやiPhone、iPad、Apple Watchのように生活の中で使うデバイスの一つという位置づけなのです。もちろんゴーグルを装着するという手間は掛かりますが、付けてしまえばいつもと同じように生活しながら空間コンピューティングを体感できるというワケです。


このように夢のようなマシンなのですが、まあ問題があるとすればやはり大型のゴーグルを装着しなければならないこと、バッテリーが約2時間しか保たないこと、それから何と言ってもお値段が約50万円することでしょう。ていうか、やっぱ50万は出せないよねえ。
ただ、いずれは技術がこなれて値段も下がるでしょうし、サイズも小さくなるかもしれません。そうなったらやっぱり欲しいよねえ。物凄く欲しいよねえ。

単なるゲームマシンではなく生活に密着したコンピュータとして、いかにもAppleらしい製品という気がします。今の私がMacやiPhone無しでは生活が送れないように、いつかはVision無しでは生きていけないような日が来るかもしれません。
そんな日を夢見ながら今回は指をくわえて見送りたいと思います。

とか言っといて、来年日本で発売されたらヒョロッと買っちゃったりするかもしれないけどさ! 我慢できなくてさ!