さて、久しぶりの「あなたは価値に支配されているシリーズ」ですね。

で、内容はというとタイトルの通り。
あなたは噂話に支配されているのです。

メーカーに勤めている方なら、一度は聞いたことがあるのではないですかね？三現主義って言葉を。

現場、現物、現実の三現です。
ようは、その場にいき、実際のものを見て、事実を把握しろってことです。

でも、それができない。

最近、あなたの周りでもこんな話を聞きませんでしたか？
「はやり病のワクチンを打つと、やばいことになるらしい」

まぁ、Twitterや、ネットの片隅の話ならいいのですが、知人や親族から言われると、「おいおい…」と思ってしまいます。

「○○を食べるとガンが治るらしい！」
とか
「こっちに金色のものを置いておくと、お金がたまるらしい！」
とか

この人たちは、三現主義ができないんだなー
というか、そんな人が多すぎじゃね？って思います。

普通にネットのデマを信じて、トイレットペーパーとか買いだめする始末だし。

で、数年前から気が付いていたことなのですが、ちょっとここで記事にしてみるかと。

さて、皆さん、「サピエンス全史」って読みました？
読んでない人は、以下の動画を後で見てください。

さて、その話の中で、「人間は噂話を信じるがゆえに集団形成ができた」ってのが書かれています。

端的に話しますと、こんな感じ
・現在の人類（ホモサピエンス）は、他の人類を滅ぼすことで生き残った。
・他の人類より、力が弱く、小さいのが現在の人類（ホモサピエンス）だった。
・他の人類は集団形成ができなかった。

そう、そして大事なのはここ。
・集団形成するのに、噂話を信じる能力が必要だった。

なぜ噂話を信じると集団が形成できるのかというと、強大な力のもとに人心を束ねることができたからです。

「あいつ、素手で熊を倒したらしいぜ！」
まぁ、このぐらいなら、もしかしたらあり得るかもしれません。

「あいつ、魔法を使って雷を落とせるらしいぜ！」
えーっと、ゼウス様ですか？

この話を聞いたとき、現在の人間以外の人種は、三現主義したのです。

「おまえ、熊を倒せるのかよ。俺と力比べしてみるか？」
「魔法で雷を落としただって？ここでやって見せろよ。」

実際にできないわけですよ。
こういった組織は、集団形成ができない。
せいぜい150人ぐらいの集落が限界。

それに対し、現在の人類はというと...

「熊を倒しただって？すげーな、無敵じゃねーか！」
「え？魔法使えるの？もしかして神の子？」

...ってことになる。
こういう生物は、より大きな集団を形成できる。
その人を中心に、数千とか数万とかの集団になる。

力が弱くても、数で他の人種を圧倒し、支配してしまった。
ここまでが、本のお話。

この本の話を聞く前に、私は似たような説を持っていました。

「三現主義をしていた生物は死滅した」と。

例えば「敵があのエリアにいるぞ」っていう話を聞いて、三現主義をして確認した生物は、敵にやられてしまった。

ようは、噂話を信じる生物と、信じない生物は、どちらが生き残る可能性が高いかです。

「この植物は毒だから、食べちゃダメ！」

って話を信じた生物の方が生き残りそうですよね？
ほんとかよって言って、確認して食べた人は毒にあたって...

集団でいる鳥とかもそうですね。
一羽の鳥が騒ぎ出すと、一斉にほかの鳥も騒ぎ出し、他の鳥に危険を知らせる。

ほかの鳥は敵が近づいたってことを、確認してませんよね？
最初、敵に気が付いて騒いだのは、1羽の鳥だけですよね？

そういう噂話を信じたから、生き残った。
三現主義をして確認した生物は、確認したがゆえに絶滅した。

これもそんなに間違ってはない説だとは思います。

心理学的に、人間は悪いリスク（マイナスの価値）を過大評価する傾向にあるというのはよく知られた話です。

10万円もらえるのと、50％の確率で20万円もらえるの。
ほとんどの人は10万円をもらいます。
確率的な期待値は同じなのに、選択させるとかたよる。
要は、もらえないというリスクを過大視しているのです。

さて、本題。
というか、もうお分かりですよね？
私たちが三現主義ができない理由が。

聞いた話を重要視して、それを確認もせずに信じるDNAを持った生物。
それが私たちなのです！

DNA的に、そういう進化をした生物なんです。
そういう風に進化したのが、私たち、ホモサピエンスなのです。
しかも、それを5万年ぐらいやってます。

なんだったら、つい最近までやっていた戦争だってそうですよね？
強い指導者の上手い言葉に載せられて、大きな集団を形成し、相手を叩き潰した方が生き残ってきた。

なーんにも変わってません。

三現主義や原理原則なんて言葉が出てきて、メーカーに浸透させ始めたのが、ほんの70年前ぐらい。

5万年間の間、生きるのに必要だった「噂を信じる」というスキルを、たった70年で変えられるわけがない。

もう、噂を信じなくても、自分で調べられる環境になってきています。
なんだったら、噂を信じなくても死に直結するようなことも無くなってます。

でも、DNAが、噂を信じろと言ってきます。
進化論的に、そういう生物が生き残ったのです。

いつになったら、噂を信じるというスキルが人間から消えてなくなるか？
1世代や10世代じゃ変わりませんよね。100世代は最低は必要かな？

30歳で子供を産むとしたら、30歳×100世代＝3000年ぐらいでしょうか。

ということで、3000年後には、人はうわさを信じずに、事実をベースに議論や判断ができるようになっているかもしれませんね。

まぁ、それまで人類が生き延びているかどうかｗ

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まとめると、こういうこと。

ホモサピエンスは、事実を確認せずに噂話に価値を強く感じる生物だった。

だから、いつの時代も、デマに踊らされたり、話を聞いただけで事実確認をせずに物事を進めたりするんです。

そう、あなたは「価値」に支配されているのです。

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そういや、宇宙に酸素がないって、あなたは信じてますか？
ほら、あなたも先生から教わったt噂話を信じてますね。
そういうことなんですよ。

宇宙空間に酸素はあります。
とても少ないだけ。

え？三現主義で確認したのかだって？
あ～、私も噂話を信じる人でしたｗ