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YouTube動画配信のCM広告で収入を得る時代の終焉

つい最近、ビジネス系ユーチューバーの「マコなり社長」が動画配信を一時中断するって動画でいっていましたね。
過去に1か月ほどお休みしていた時期もありましたが、今回はかなり長い感じ。(復活後、かなり動画の方向性が変わりましたよね?)

他には、ビジネス系としては「マナブ」とか「イケハヤ大学」とかかなり登録者数がいたにもかかわらず、動画配信を停止してますね。
(マナブさんは最近復活?)

「メンタリストDaiGo」もホームレスの件が炎上して、謝罪後に1か月ほど動画が出てませんよね。(最近再開したみたいですが。)

私が見ているものが、勉強系に偏ってますが、このあたりの有名チャンネルについて共通点を考えてみたいと思います。

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プロダクトアウト

まず、ビジネス系だけあって、先のチャンネルの方々は、お金の流れをよく知っているということ。

彼らの目的は慈善事業ではなく、対価です。
彼らにとって動画を出す価値とは何か?
自身の労力に対して、どれだけのリターンがあるかということをシビアに見ています。

プロダクトアウトとマーケットインって言葉をご存じでしょうか?

例えば車
まだ車があまり普及していなかった時代は、車を作れば飛ぶように売れました。

例えばスマホ
まだガラケーが全盛期だったころ、スマホを作れば飛ぶように売れました。

例えば家庭用ゲーム機
家庭用ゲーム機が無い時代、ファミコンは作れば飛ぶように売れました。

これがプロダクトアウトの状態
製品を出せば、勝手に売れた時代。

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マーケットイン

しかし、一般家庭にこれらが普及すると、段々売れ行きが怪しくなってきます。みんな持っているのです。2個目はいらないのです。

こうなってくると、メーカーが自社の都合で作っていては、会社がつぶれてしまいます。

そこで、マーケットインです。
お客様の声を聴き、お客様が望むものを提供する。

車は昔はスピード重視でしたが、今や燃費や安全性能に舵を切りました。

スマホは、まだ高画質、高性能を走ってますね。防水はもちろんのこと、バッテリー消費、タフネスとかの付加価値が最近では出てきていますね。

家庭用ゲーム機。こちら高機能、高画質。モバイル分野はスマホに取られてしまいましたね。据え置き型で勝負かな。しかし、5Gが来ると、処理はサーバーで行い、画面映像だけ送るって形になるかもしれません。

そもそもユーザーが欲しいのは、「ゲーム機」ではなく、ゲームで「楽しむ」という体験ですから。

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YouTubeのプロダクトアウトとは?

さて、これらの話をYouTubeの動画配信に当てはめてみましょう。

今から10年ほど前なら、動画を上げるだけで再生数が伸びました
チャンネル登録者数が増えました。

いわゆる、プロダクトアウトです。
まだ世の中に普及していなかったので、一気に広まったのです。

いわゆるYouTube先行組は100万人の登録者がいる。
いうなれば、トヨタやアップル、任天堂みたいなものです。
市場のほとんどを押さえている大企業です。
この人たちは、プロダクトアウトでもまだまだいけます。

しかし、後発組はいくら動画を出しても見られません。
プロダクトアウトの思想で行動していたら、ダメです。

先のビジネス系の動画配信、昔は当たれば100万回再生。
ハズレても20万~50万回再生ぐらい軽く行きました。
まだ、YouTubeにそういった分野が無かったのです。

それが、終盤では10万回再生行けばいい方
1万~3万回再生なんてのが普通。

ブームが去ったというのもありますが、多くの人がその情報に触れてしまったのです。そして、どのビジネス系の人も同じようなことを言っていることに気が付いた。

そう、しゃべるネタが尽きたのです。
動画の更新頻度に比べると、ビジネスの変化はそこまで早くないのです。

普及してしまったがために、売れなくなってしまったのです。

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YouTubeのマーケットインとは?

そこで、マーケットインです。
唯一大きなビジネス系のチャンネルとして生き残っていたマコなり社長の動画。終盤はどうでしたか?

えぇ、ビジネス系の話じゃなくなってましたよね。
買い物とか、漫画とか、食べ物とか。

そう、マーケットインしたのです。
ユーザーが望む話をしていたのです。
視聴者が多い場所に向けて情報を発信していたのです。

ですが、ここ最近は平均20万回再生ってとこでしょうか。
1回再生0.1円としたら、1動画2万円の収入。
高く見積もって0.5円としても10万円の収入。

確かに、マコなり社長は、自社のサービスの宣伝をするのも目的でしたので、目的はお金だけではないでしょう。

しかし、安い。
あれだけのクオリティの動画を作るのに、どれだけの時間とお金がかかるのか。それに対する対価が安すぎる

他のビジネス系の人たちも、動画作成にかける時間を、自社のビジネス向上に使った方がよっぽど有益だと気が付いたのです。
その方が彼らにとって価値があります。

だから、やめたのです。
動画配信の価値が低くなったのです。

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動画配信のマイナスの価値

そして、もう1つは炎上です。アンチの増加です。
これは、マイナスの価値です。
失言などをきっかけに、有名ユーチューバーが動画配信から離れていっています。

有名になればなるほど、ちょっとした失言が、あっという間にSNSで拡散します。

無名なそこら辺の親父が「あんた馬鹿じゃね?」っていうのが炎上しますか?しませんよね?
しかし、有名ユーチューバーが同じセリフを言うと大炎上します。

ユーチューバーだって人間です。
大体ユーチューバーなんて自己承認欲求の塊です。
多くの人に自分の存在を認めてもらいたいのです。

批判コメントはとても辛いのです。
「メンタリストDaiGo」はコメント欄をOFFにしてましたからね。

そして、この批判というマイナスの価値が、プラスの価値を超えると、その人にとって動画配信をする価値がなくなります。

彼らが逃げる先はどこでしょうか?

そう、メンバー限定の世界です。

そこには、自分をほめてくれる、自分を信じてくれるファンしかいないのです。とても居心地がいい世界です。そういった閉じた世界へ引きこもります。自身の自己承認欲求を満たしてくれる世界です。

ビジネス系のユーチューバーは全員そういった世界へ行きました。
実は、不特定多数の大人数向けに動画を出すより、お金になるのです。

自分の信者から、お金をもらう。
払う方も気持ちよくお金を払う。

これもマーケットインだってこと、気が付きましたか?

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動画配信者にとってのYouTubeの価値

大量生産で作った1種類の車じゃダメなんです。
少ない人数かもしれないけど、個々の人のニーズに合ったものを提供する。
少し価格が高くても、自分にマッチしているので、買う方はそれに価値を感じます。

情報を提供する側にも、情報を買う側にも価値があるでしょ。
だから、こういう形態になるのです。

ビジネス系に限りませんが、これからのYouTubeはそういう時代に突入します。

後発組は、全員対象とした情報提供ではなく、個々の狭い範囲のターゲット層を虜にするような動画が求められます。

しかし、ここで問題が発生します。
少人数では、CM収入は動画提供者側に金銭的なメリットはほぼありません。

1万回再生だとしても、1動画0.5円のCM代だとしたら5000円です。
もし0.1円なら、1000円です。

1万回も再生する動画って、すごいんですよ。
チャンネル登録者が10万人はいないと、この数字は出ませんからね。

なので、他の記事でも言いましたが、YouTubeだけで、お金を稼ぐという夢を描くのはやめましょう
YouTubeを利用して、グッズを売るとか、知名度を高くしてセミナーをするとか。案件動画を引き受けて、自分のチャンネルでCMするとか。

後は自分のスキルを公開して、そのスキルを買ってもらうとか。

そう、最近はスキルが売れるんですよね。
絵の描きかたを教える、プログラミングを教える、歌い方を教える、ダンスを教える。

こういったスキルを誇示する場として使うなら、YouTubeはありですね。
あなたのスキルに魅力を感じた人が、あなたに価値を感じて、対価を払ってくれます。

これの最たるものが、ユーチューバーへのスパチャ
いわゆる投げ銭ですね。

視聴者を魅了して対価を得る。
1000円とかスパチャされてみてください。
実際には30%が手数料として取られるので、700円ぐらい。

700円は、CMが0.1円だとしたら、7000回再生と同じ力を持ちます。
CMの収入なんて、バカらしくなりますよね?

だから、あれだけの多くのVtuberが生配信をするのです。
100人の熱狂的なファンが、一人1000円ずつスパチャを投げてごらんなさい。
7万円が手に入ります。

CM収入なら、70万回再生されないといけないのに、たった100人の熱狂的なファンでそのレベルに到達するのです。

何万人に売る必要はないのです。
100人程度のあなたのことが好きな人にサービスという価値を提供する。
そして、その熱狂的なファンから、対価を得る

そういった時代にYoutubeもなってきているのです。

そう、動画配信する側も、動画を見る側も「価値」に支配されているのです。


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<余談>

「じゃぁ、なんでお前は超マイナーな品質工学なんて分野で、対価も無いのに動画を上げているんだ?」
…なんて聞かれそうですね。

私の目的は、お金稼ぎではありません。
自分が知りえた知識、情報をどこかに書き残しておきたい。
先人の大先生から得た、文章になってない、私しか知らない情報を残したい。

「この世に電子データとして情報を残すこと」
それ自体が私にとっての価値です。(^^)

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