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【グローバルリサーチ事例】ヤマハ様 4カ国定性調査サポート「マクロミルは目的や課題を私たち以上に理解してくれる」

マクロミルが、どのようなクライアントと、どのような取り組みをしているのか、クライアントへのインタビューを通じて、その内容をご紹介する企画。今回はヤマハ株式会社様のインタビューをお届けします!

ヤマハ株式会社様(以下、ヤマハ)は、多種多様な楽器をはじめ、業務用音響機器やオーディオ機器など様々なサービスや製品を提供する、世界最大の総合楽器メーカー。今回のインタビューは、ホームオーディオ事業部の小林様にお話を伺いました。

ホームオーディオ事業部では、一昨年から昨年にわたり、日本、中国、アメリカ、ドイツの4カ国で定性調査を実施し、ターゲット層となるお客様を掘り下げて分析されました。調査実施の目的は、国ごとの共通項を導き出しグローバルで統一したペルソナを形成すること。事業に関わる全ての人がターゲット顧客を具体的に理解し、一貫性のある事業運営・施策実行の実現のために行われました。
調査のご提案から実施、レポートまでフロントに立ってご一緒した、グローバルリサーチ本部の営業担当である青山とともに、調査結果の活用方法やマクロミルを評価いただいているポイントなどをお聞きしていきます。

ヤマハ株式会社 ホームオーディオ事業部
マーケティング&セールスグループ 主幹
小林曜 様 ※以下敬称略
株式会社マクロミル グローバルリサーチ本部
アカウントマネジメント部 セールスU
青山夢

※本記事はマクロミルの社内報「ミルコミ」Vol.170(P.36~41)に掲載した内容からご紹介しています。社外に公開していますので、ぜひ他コンテンツもご覧ください。

社員が事業意義を再確認できた調査だった

―2022年6月に、4カ国で実施した定性調査が終了したと伺いました。お客様のペルソナを形成するための調査だったそうですが、どのような背景で実施されたのでしょうか?

小林:私たちホームオーディオ事業部では、ヘッドホン・イヤホンやサウンドバーをはじめとする、主に自宅で使用されるオーディオ機器を取り扱っており、「音楽をとても大事にして、深く愛しているお客様」を事業のターゲットにしています。今回は、私のようなマーケティング担当だけでなく、例えば開発担当や海外のメンバーなど、社内のステークホルダー全員でお客様をより深く理解し、同じイメージを持って事業を推進していけるようにすることが大きな目的でした。

―お客様に対する社内での認識統一が目的だったということですね。このように大規模な、ペルソナ形成のための調査を実施されるのは初めてでしたか?

小林
:そうですね。今までも商品ごとの顧客把握調査や、顧客セグメントを知るための調査などは行っていましたが、具体的にターゲットを絞り、その方たちのデモグラフィックや定量情報だけでなく、しっかりと掘り下げて定性的な調査を実施したのは初めてだと思います。事業方針としてターゲットを絞り、我々がお客様にお届けしている提供価値を明確にしていくことを打ち出していて、お客様をより深く知ることの必要性から今回の調査を行うことにしました。

―調査結果を受けて、社内での反応はいかがでしたか?

小林
:まず、私たちが立てたお客様像の仮説と、調査結果から見えてきたペルソナがとても近く、仮説を証明できたことが大変良かったと思っています。以前実施した定量調査を踏まえて作った仮説は、「私たちがターゲットとするお客様は、単純に『音楽が好き』なだけではなく、『音楽は自分のアイデンティティを表現してくれる』『音楽が人生の支えになっている』といったところまで感じていらっしゃるだろう」ということでした。今回の調査では、「いつ、どんな時にそういう気持ちになるのか」など、それをさらに深掘りました。調査結果では、私たちのオーディオが、お客様の生活の中でいつ、どんな役割を果たせているのか、言い換えれば、お客様の人生にどう貢献できているか、が鮮明になり、改めて自分たちの事業の意義が明確になりました。

―重要な役割を果たす調査に携わることができて光栄です。調査結果で特に印象的だった点を教えてください。

小林
:私たちの提供価値とお客様が求めていることが合致している、と分かったことですね。ヤマハは非常に広く事業を展開していて、さまざまなブランドイメージや提供価値を持っています。その中で私たちの事業部としては、アーティストの想いを余さず表現して、お客様の心を揺さぶる音、「TRUE SOUND(※)」を提供価値の真ん中に据えています。一方で私たちがターゲットとしているお客様に、その提供価値を感じていただけるのかが検証できていませんでした。今回の調査は、その確認が主目的ではなかったものの、音に関して、私たちがお届けしたい「TRUE SOUND」をまさにお客様が求めていると分かったことが印象深かったです。
※ヤマハがホームオーディオ事業の提供価値として打ち出しているコンセプト。

ヤマハの社内には、「TRUE SOUNDチーム」と呼ばれるチームが編成されており、部門横断で音質設計を担っている。

マクロミルだったから、納得感を持って最後まで完走できた

―9カ月にわたる案件をご一緒させていただいて、マクロミルのどのような点を評価してくださっているのでしょうか?

小林:一番は、私たちの調査目的や課題をとてもよく理解していただいていることです。知ろうとしてくださる姿勢もすごく感じます。調査手法って何通りもあって、そこに正解・不正解はないですよね。大事なのはやはり、目的をどう達成するか、それによって課題をどう解決していくかということと、それにつながる調査になっているか、だと思っています。マクロミルは、その目的や課題を、時には私たち以上に理解していただいていて、だからこそ、ご提案いただいた調査内容も受け入れやすく、こういう課題解決をしたかったんだな、と逆に気付かされました。それが最初に依頼をする時に、マクロミルを選んだ決め手でしたし、その後のお付き合いの中でも常に感じていて、マクロミルのすごく良いところだなと思っています。

青山:嬉しいです……!

小林:マクロミルのことはパートナーだと思っていますよ!私にとって、今回は特に責任が大きい調査でした。トップが示す事業方針をもとに、事業を皆で一つにしていきたいという想いがあったので、日頃マーケティング業務の中で実施している調査と比べても、マーケティングの枠を超えた事業全体に大きく関わる内容でした。調査の実施にあたり、目的や課題を、一つひとつ研ぎ澄まして考えていった時に、「どうやってお客様を深く知るのか」という調査方法は、今まで以上に重要だったんです。そういった中で、マクロミルから課題や目的をよく理解したうえで提案をいただけたのは非常にありがたかった。またプロフェッショナルなリサーチスキルがいかに重要か、ということも改めて感じました。

―ありがとうございます。他にも印象に残っていることがあれば教えてください。

小林:二点あります。一点目は、青山さんをはじめ営業の皆さんのリサーチスキルが高く、知識がとても深い一方で、リサーチャーの皆さんは営業マインドも持っているところです。皆さん右脳と左脳をそれぞれ持っている印象で、個別に話してもきちんと共通認識を持たれているので、素晴らしいなと感じました。私たちも開発、企画、マーケティング、販売と分業制を敷いていますが、そういった共通認識を持って進める難しさを感じることがあって。その壁を越えたいと思っている私からすると、マクロミルの皆さんはすごくうまく越えられている印象ですね。
二点目は、伴走力の高さです。調査を進めていく中で時には行き詰まることも出てきますが、そういった時に、いろいろな角度から多くの提案をいただけるんですよね。私が立ち止まっている理由がどこにあって、それは何をどうすれば解決できて前に進めるのかを多角的かつロジカルにご提案いただきました。それがなかったら、きっと「他の仕事も忙しいし、もういいや」ってギブアップしていたこともあったかもしれませんが、おかげさまで諦めることなくプロジェクトメンバーでもう一回話し合って乗り越えることができました。だからこそ、長い調査期間でしたけど、自分たちが納得いくようなプロセスを経て最後まで完走できたと思っています。

青山:ありがとうございます。弊社も分業制ならではの課題があり、まだまだ道半ばですが、そのようにご評価いただけて嬉しいです。本部としても製販一体にしていく動きがありますし、お客様や案件ごとに適切な座組を整えて、引き続きワンチームで対応していきます。

同じゴールに向かうチームとして、必要な提言をして欲しい

―本日お話を伺ったペルソナ形成のための調査後に、現在は定量調査を実施いただいているそうですね。

小林:はい。私たちの提供価値である「TRUE SOUND」がどのくらいお客様に受け入れられるのか、そしてどういった特徴を持った方に受け入れられるのかを確認するのが目的です。私たちのターゲット以外の方で、このコンセプトがどんな人にどういったポイントで刺さるのかは確認しておきたいですし、それが見えると事業として広げていける道筋ができると思っています。「音」という、形がなく言語化が難しいものを定量的に調査するのは非常にチャレンジングでしたね。

青山:こちらの調査は、これからレポーティングの段階ですね。調査票も最後まで推敲を繰り返していただき、有意義な結果が出て良かったなと思います。

小林:三つぐらいの要素が混じった複雑な要望を、無理を承知で相談させてもらいました。最終的には限られた予算・時間、そして設問数の中に本当にうまく収めてもらい、きちんと三つの要素がカバーできたので、とても良い調査だったと改めて思います。難しいご相談だったかと思いますが、マクロミルの皆さんは悩みながらも「できないです」とは一言も言わずに、何とか対応できないかと考えてくれましたよね。こうした対応も、マクロミルの良いところだと思います。

―たくさんのお褒めの言葉、ありがとうございます。今後弊社に期待されるのは、どのようなところでしょうか。

小林:まずは、もうちょっと私たちのお尻を叩いてもらってもいいのかなと思います(笑)。いつも迷った時は頼りにしていますが、時には我々の迷いがそもそも意味のないことだったり、目的や課題解決とは関係のないことだったりすることもあると思うんですよね。仕事って8割くらいが実はそういうことで、本質的な悩みは2割くらいだったりするじゃないですか。そういった時は、「それは本質的じゃないです」ってきっぱり言ってもらえたらと思います。それを言えるくらいの信頼関係は構築できていると思いますし、そうすることで、結果的にお互いのリソースを無駄にせずに済むという側面もあると思います。

青山:なるほど。仰る通りですね。納得感と効率性をどういったバランスで取っていくかは、都度コミュニケーションを取って目線のすり合わせをしながら、進めていけたらと思います。他に今後期待されることはありますか?

小林:あとは、私たちの成長のサポートも念頭に置いていただけると嬉しいですね。私もそうですし、弊社全体としても、もっとリサーチスキルを高め、お客様をもっと深く知っていきたいと思っています。調査結果を得ることはもちろん大切ですが、そのプロセスの中で、お客様を知るためのスキルを、私たち自身がいかに高めていくかも非常に重要です。そういった中で、例えば私のスキルや知識で不足している部分があった場合は、「マクロミルがWebサイトで出しているこの知識やノウハウを見てください」などと具体的に提示してもらえたらすごく助かります。

青山:ご意見ありがとうございます。ヤマハの皆様は、弊社のこともチームの一員として考えてくださっていて本当にありがたいです。依頼主や外注先といった立場に捉われずに、どうしたら皆様の目的を達成し、課題解決ができるのかをもっと考えていきたいと思いました。引き続きよろしくお願いいたします!

―本日はありがとうございました。

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■社内報「ミルコミ」について

「マクロミルの“リアル”を伝える」がコンセプトの社内報。社外公開もしており、Webマガジン版で全コンテンツをご覧いただけます。
※本記事は、社内報「ミルコミ」Vol.170(P.36~41)から掲載しています。
<受賞歴>
社内報アワード2022にてグランプリ受賞
2019年度 経団連推薦社内報審査 新設の「審査委員特別賞」を初受賞
など

この記事の執筆者:

誌面デザイン:マクロミル 経営戦略室 柳川亜紀子
写真撮影:マクロミル 経営戦略室 田代正和


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