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シネマクティフ東京支部の2019年上半期ふりかえり(座談会書き起こし・その1)

2019年6月27日、
新宿某所にてシネマクティフ東京支部の3人、まるゆ、matsu、ropneが集まり2019年上半期をふりかえりました。
ラロッカさんは残念ながら欠席、代打的に(本家)シネマクティフ2代目イラスト担当のけんす君が参加してくれました。
4人の座談会を書き起こします。
※ラロッカさんはおたよりで数問について参加しています。

2019年上半期ベスト5

ronpe 「じゃあまず 2019年上半期ベスト5 からいきます」

まる 「それがいいじゃないでしょうか。ふりかえりなので」

ronpe 「みなさんからお題をもらっていて、出題者が答えるのが最後になるように時計回りでいきますが、上半期ベスト5 は出題者がいないお題なので誰からでもいいですよ」

matsu 「じゃあ僕から。一番オーソドックスだと思ってるんで」

けん 「僕も自分のが一番普通だと思ってますけどね(笑)」

matsu 「ハハハ」

まる 「普通とかないから!」

【2019年上半期ベスト5 by matsu】

01 アベンジャーズ/エンドゲーム
02 グリーン・ブック
03 キャプテン・マーベル
04 希望の灯り
05 主戦場

matsu 「5位は『主戦場』で、ここはドキュメンタリ枠として『アレッポ』と迷いました。『アレッポ』観ました?」

けん 「僕は観ました」

matsu 「『アレッポ』もびっくりしたんですけど、『主戦場』の方が世間に対する波及効果というか」

まる 「日本の話だしね」

matsu 「最後に妖怪みたいな人出てくるじゃないですか」

まる 「妖怪?」

matsu 「妖怪みたいな人」

けん 「諸悪の根源みたいな」

まる 「そうね」

matsu 「すごい映像撮れてるなぁって」

けん 「こんなに話の通じない奴いるのかっていう」

matsu 「それで今描くべき作品というのも含めて『主戦場』を選びました。4位の『希望の灯り』は、こういう雰囲気、流れの映画が好きなんですよ」

まる 「うん」

matsu 「ゆったりした雰囲気で、あまり説明もなく描かれるところが良かったなぁと。3位の『キャプテン・マーベル』は、MCUで一番好きなキャラクタがキャプテン・マーベルになりました。
女性の自立を描いていく感じも良かったし、予告編でも使われていたあの立ち上がるところ」

ronpe 「あーあれか」

まる 「そんだけ好きで3位なんだ」

matsu 「そうですね。2位と3位は迷ったんですけど、2位の『グリーン・ブック』も弱者というか、マイノリティが立ち上がっていく話で」

まる 「うん」

matsu 「そのマイノリティの人たちが乗り越えていこうとする、立ち向かっていこうとする話が琴線に触れるというか。どちらの作品も泣いてしまったし同じぐらい好きなんですけど、
1位も2位もMCU作品だとちょっとはずかしいかなぁと…」

一同 「ガハハハ」

まる 「いいじゃんべつにー」

matsu 「1位の『エンドゲーム』は、5月のエクストラシネマトークで話したので特に言及しませんが」

まる 「いやいや話してくださいよ」

matsu 「シリーズの集大成というのもありますし、最近観た『X-MEN:ダーク・フェニックス』と比較しても断然こっちの方が凄いんで。はい、そんな感じです」

ronpe 「はい、ありがとうございました。では次はまるゆさん」

まる  「え?私ですか?」

ronpe 「時計回りって云ったじゃないですか」

まる  「あー時計回りね。けっこう迷いましたね」

【2019年上半期ベスト5 by まるゆ】

01 彼が愛したケーキ職人
02 ともしび
03 アベンジャーズ/エンドゲーム
04 オンネリとアンネリのふゆ
05 ひかりの歌

まる 「第5位は『ひかりの歌』です。これは杉田協士監督作、邦画ですね。「光」をテーマにした4首の短歌をベースに、全4章構成になっています。4章構成のどの章もいいんですよ。
杉田監督の作品ははじめて観たんですけど、杉田監督の以前の作品を観れる機会がきますよね」

ronpe 「あーきますね」

まる 「『ひとつの歌』って作品なんですけど」

matsu 「同じ監督の過去作が」

まる 「はい、必ず観たいと思っています。『ひかりの歌』は5位にするのが申し訳ないぐらい良い作品でした」

けん 「良い作品です。俺、今年の上半期ベスト台詞は『ひかりの歌』の2章に出てくる「きもいな~」って台詞ですもん。ガソリンスタンドのおっちゃんが云うんですよ」

まる 「あーはいはい」

けん 「良い台詞なんですよ」

まる 「次は第4位、『オンネリとアンネリのふゆ』です。これは申し訳ないんですけど2018年公開なんですけど、私は今年に観たのでどうしても入れたいです」

ronpe 「いいですいいです」

まる 「これは1960年代に発表された、フィンランドで長く愛され続けるマリヤッタ・クレンニエミの児童文学「オンネリとアンネリ」を実写映画化したシリーズの2作目。
シリーズの中でこの2作目が一番良いです。この二人を愛でるだけで幸せな映画」

けん 「へー」

まる 「幸せな気持ちになる映画ですね」

matsu 「これはどこで上映してたんですか?」

まる 「YEBISU GARDEN CINEMAですね。次、第3位は『アベンジャーズ/エンドゲーム』です」

matsu 「まるゆさんのベストにMCUが入ってくるはめずらしい気がしますね」

まる 「本当は別の作品を選んでたんですよ。でもこれを外すのはおかしいだろって感じで。入れないのは失礼な感じで。年に一回(MCUを)通しで観たいぐらい。そんな時間ないけど」

けん 「年に一回通しで!?」

まる 「通しで。まぁこれはみんなが語っているのでこのへんで。で、第2位が『ともしび』です。これは何度も観たい、という作品ではないんですけど凄いんですよ。これ誰か観られました?」

3人 「観てないです」

まる 「グッとくる、というか締め付けられるような作品なんです。とにかくシャーロット・ランプリングを観に行ってください、という作品です」

matsu 「MCTT的には『ベロニカとの記憶』の」

けんす 「あれも良い映画でしたねー」

まる 「私は大好きな映画でした『ともしび』。では最後、第1位、これも去年公開の作品なのですが『彼が愛したケーキ職人』です。これは誰か観てますか?」

3人 「・・・」

まる 「誰も観てない(笑)。これは舞台がイスラエルなんですよ。そこにあるドイツ人の青年がやってくるんです。セクシャリティや宗教の話も出てくるんですが
そこが主題ではなくて、人を許すこととか、普遍的なテーマの作品で。このドイツ人の彼がいいんですよ。これも去年の作品ですが、昨年末公開ということでご容赦ください」

【2019年上半期ベスト5 by ronpe】

01 アベンジャーズ/エンドゲーム
02 サスペリア
03 イップ・マン外伝 マスターZ
04 ひかりの歌
05 嵐電

ronpe 「じゃあ次は僕ですね。第5位『嵐電』」

3人 「おー」

ronpe 「第4位『ひかりの歌』」

まる 「おー。邦画・邦画」

ronpe 「第3位『イップ・マン外伝 マスターZ』」

まる 「これはronpeさん入れてくるんじゃないかと思ってた」

ronpe 「第2位『サスペリア』」

3人 「おー」

ronpe 「第1位が『アベンジャーズ/エンドゲームです」

けん 「まぁベスト5まで俺、当てましたね」

一同 「ガハハハ」

ronpe 「現時点での今年の鑑賞回数が144で、去年の同時期が166だったのでけっこう減ってます。いろいろ事情はあるんですけど減ってます。これは下半期も減っていく感じになりそうで…」

けん 「まあ観れる映画を観るしかないですからね」

ronpe 「僕は映画観るとき最高評価の映画だったときはメモっておいて、その中からベストとか選んでいるんですけど、今年の上半期ではそれが16作品ありました」

けん 「いいな」

ronpe 「ただしその中で過去作が4本ありました。挙げていきますと『パルプ・フィクション』と『風の谷のナウシカ』と『知らない、ふたり』と」

けん 「『JAWS/ジョーズ』!」

まる 「ハハハハ」

ronpe 「なので過去作で良い劇場鑑賞がたくさんあったなぁという印象です。とくに『パルプ・フィクション』と『風の谷のナウシカ』は、これらをランキングに入れちゃうと上位に入ってきちゃうぐらいです」

けん 「まぁでも良いことですねぇ。劇場で観た方が良いということは間違いないですね」

ronpe 「間違いないよね。『パルプ・フィクション』と『ナウシカ』なんて良いのわかっていたけど、それを上回るっていうか。
あとベスト5作品は詳しく言及はしないですけど、やっぱ『エンドゲーム』はECTTやらしてもらったぐらい思い入れはあるんですけど、面白かったです。
映画を評価するときって加点するところと減点するとこがあって、たぶん『エンドゲーム』は減点するところもたくさんあるんですよ」
でも加点する部分が特出しすぎて、減点などはあまり気にならないという、過去にないぐらいの作品だったので1位としました」

けん 「ronpeさんは通常そういう評価のしかたしないですもんね」

ronpe 「そうだね。でもちょっと飛び抜けすぎていた感じかな。はい、こんな感じです」

【2019年上半期ベスト5 by けんす】

01 バーニング 劇場版
02 スパイダーマン: スパイダーバース
03 ROMA
04 ビール・ストリートの恋人たち
05 クリード 炎の宿敵

ronpe 「かなり前半だね」

けん 「意図せずなんですけど3月以前が多いですね。この中では『バーニング』だけは抜けて良かったと思っていて。
正直、旧作を入れるとベスト5に『オアシス』が入ってくるですよ」

まる 「はいはい」

けん 「『ペパーミント・キャンディー』もベスト10には入ってくるし、今度『シークレット・サンシャイン』観るんですけど」

まる 「私も観るよ」

けん 「ちょっとイ・チャンドンが凄すぎるなぁって。打ちのめされましたね。でも僕は『オアシス』と『ペパーミント・キャンディー』と『バーニング』を比べたときときに
『バーニング』がずば抜けて良いと思っていて、たぶんこの3本は誰が観てもどの作品が一番新しい作品かをわかると思うんですよ。
だから『バーニング』が洗練されていると思うんですよ。今年観た作品の中では一番、心揺さぶられました。
『スパイダーマン: スパイダーバース』については体験性も込みというか。はじめての映画体験だ、という感覚を明確に感じたぐらいです。
『ROMA』については実は去年も観てるんですけど(笑)」

一同 「ガハハハ」

けん 「なんか2回目観たら良かったんですよ。2回目観たら良かったから!俺のランキングだから!俺のランキングには入るんですよ!」

まる 「はい。大丈夫」

ronpe 「まぁまぁ納得いかないですけど」

※ ronpeも去年観て、しっかり去年の年間2位に入れています。

けん 「別に外してもいいんですけどー、なんか入れないといけない感じがして入れました。『ROMA』が3位です。異論は認めません」

一同 「ガハハハ」

けん 「『ROMA』はねぇ、観たら良かったですよ。良いシーンしかないし、完成度高いし。
あと旧作を入れると『オアシス』と『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』が入るんですけど、それを外して
『ビール・ストリートの恋人たち』と『クリード 炎の宿敵』が入ってきてる感じです」

ronpe 「ちなみに『クリード』は前作より良かった?」

けん 「僕はぜんぜん今作かな、いや前作もすごい好きですけど。どうだろ、あまり比べたことがないし、けっこう違う映画としてとらえてますね」

ronpe 「ペップさんも今回の方が良いって云ってたし」

けん 「『ビール・ストリートの恋人たち』、バリー・ジェンキンスの映画は、僕が映画を観ていく中で、こういう映画を楽しめるようになったなぁというのを感じることができて。
映画がやろうとしてることを自分が正しくキャッチできた、というのがあって。それもあって良かったです」

まる 「私はまだ観てないので観るの楽しみです」

text by ronpe 


#映画 #2019年上半期

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